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キマイラの捕獲、完了でござる!

 前回のあらすじ。

 ウンディーネの長い説明を聞いていた風魔光太郎は、突如聞こえてきた助けを求める声を無視できず現場に駆けつける。

 そこには、頭はライオン、身体は羊、尻尾は蛇の討伐ランクがSランク以上に指定されている魔物キマイラがまさにエルフの少女に襲いかかるところであった。

 しかし風魔光太郎は、長い耳の人間など居ないから魔族だと判断して、キマイラもろとも水で押し流してしまう。

 一方、風魔光太郎の後を追ってきたウンディーネは、魔物がキマイラだと分かり、逃げるように促す。

 だが、風魔光太郎は、この世界でも忍犬が欲しいと密かに考えていた。

 四足歩行でアレだけ素早く動けるなら良い忍犬になるだろうとキマイラとの戦闘を選択。

 この世界で、チート確定の遁術スキルを駆使して、キマイラを捕えることに成功するのだった。

 果たして、風魔光太郎は、Sランク以上の魔物に指定されているキマイラを忍犬にする事などできるのであろうか。

 拙者の遁術スキルは、優秀だ。

 土遁、落とし穴の術は、キマイラがすっぽりとおさまって、もがいても、もがいても、絶対に出てこれないようになっていた。

 草遁、草で穴隠しの術は、落とし穴がわからないように本当にそこに穴があるのかわからないレベルに完全にまたあった状態に草で覆い隠していた。

 水遁、雨降らしの術は、キマイラの頭上にだけ局地的に大雨を降らせて、身体をビチョビチョにし。

 雷遁、雷落としの術は、キマイラを殺さないように感電させ、その動きを完全に停止させた。

 後は、このキマイラの心を屈服させて、忍犬にするだけだ。


「はわわ〜。あのぉ。そのぉ。やっぱりお爺さんは、 SSSランクの冒険者さんなのでわぁ?」


「いや違うでござるが。それどころかさっき、この森で、ウンディーネさん、痛いでござるよ!」


「(光太郎ちゃん、何言うつもりだったのよ!まさか、異世界から来ましたとか。実は、姿がゴブリンで。とか言うつもりじゃ無いでしょうね!)」


「そ、そんなことは、言わないでござる」


「お爺さん?」


「(それにしても光太郎ちゃんのスキルって不便よね。私の心の声は聞こえるのに、そっちの心の声は私には聞こえないんだから!だから、これだけ言うわ!良い、私に話を合わせなさい。わかった?)」


「わかったでござるよ」


「わかったってぇ。やっぱりお爺さんは、SSSランクの冒険者さんなんですねぇ?」


「お嬢ちゃん、夢を壊すようで悪いのだけれど、光太郎ちゃんは、冒険者では無いわ。ここより遥か遠く、魔の森の生き残りなのよ」


「魔の森のぉ!?それなら納得なのですぅ。魔の森は、Sランクの魔物どころかSSランクの魔物、SSSランクの魔物も居ると聞く、恐ろしいところなのですぅ」


 ほほぉ、そんなところがあるのか。

 キマイラがゴロゴロか。

 忍犬がたくさんだな。

 それよりもお嬢ちゃんは失礼だろう。

 やれやれ、ここは年長者の務めとして、拙者から挨拶するとしよう。


「拙者は、風魔光太郎と申すでござる。お主の名は、何でござるか?」


「これは御丁寧にありがとうございますぅ。私の名前は、フェランティーナと申しますぅ。呼びにくければ短くティナとお呼びくださぃ」


 ふむ。

 フェラチーナじゃと!?

 何と、破廉恥な名前じゃ。

 全く、けしからん!

 娘にこのような破廉恥な名前を付けるなど親の顔が見てみたいわい。


「ゴホン。ティナでござるな。名前で苦労したこともあるだろうが強く生きるでござるよ」


「へっ?いえ、名前で苦労した事など一度もありませんよぉ。寧ろ、この見た目で苦労したことはありますぅ」


「見た目でも苦労でござるか」


「はぃ。成人してるのにぃ。飲食屋さんでぇ。お酒の注文を断られるんですぅ!」


 な、な、な、何じゃとーーーー!?

 こ、こ、この小学生のような見た目で、成人しているじゃとーーーー!?


「驚かれるのにも慣れましたよぉ」


 どうやら、拙者がかなり驚いていたことが顔の反応からティナにはわかってしまったようじゃ。

 ここは素直に謝るとしよう。


「すまぬでござる」


 拙者とティナのやり取りなんて、まるでどこ吹く風のようにウンディーネさんが今も尚気絶しているキマイラを指差して言う。


「ねぇ。光太郎ちゃん?このキマイラ、どうするつもりなの?」


「ん?勿論、忍犬にするでござるが何か?」


「いや、そもそもキマイラは元々は、人が合成で作り出した魔物だからね!人のことを恨んでいて、決して懐かないのよ!直ぐに殺した方が良いわよ」


「ウンディーネ様の言う通りなのですぅ。光太郎様、キマイラが起きる前にトドメを刺すのですぅ」


「何を言うかと思えば、せっかく捕らえたのに、忍犬にしないという選択肢は無いでござるよ」


 気絶から目を覚ましたキマイラが穴から這い出ようともがき始めた。


「ほら、言わんこっちゃない!何度も何度も忠告を無視したのは光太郎ちゃんだからね!」


「ヒィィィィィィィ」


 ウンディーネさんは、拙者を罵倒し、ティナは悲鳴を上げて、ウンディーネさんの背に隠れた。


「グルァァァァァァ!!!!」


「うるさい咆哮でござるな。まぁ、これでも食べて落ち着くと良いでござるよ」


 拙者は、ワーウルフの肉を取り出して、塩を振りかけて、こんがりと焼く。

 差し出されたワーウルフの肉を食べることに躊躇っていたキマイラであったが食べ始めるとペロリと完食。


「良い食いっぷりでござるなタマ」


「グルァ?」


「あぁ、タマと言うのは、お主の名でござるよ。それで、タマ、もっと肉が欲しいでござるか?」


「グルァ!グルァ!」


「そうでござるか。そうでござるか」


 人も動物もスキンシップを取りたいなら胃袋を掴むことじゃよ。

 拙者は、ワーウルフの肉を調理しては、タマへとくれてやった。

 やがて、満足したタマに拙者は近付き、頭に手を乗せる。


「獣遁、心通いの術でござる!」


 次の瞬間、話せなかったキマイラが流暢な人語で、猫撫で声を出して、風魔光太郎に甘えていた。


「御主人様〜。タマね〜。こんな美味しいワーウルフの肉は食べたことないにゃんよ〜。ごろにゃ〜ん」


「ハハハ。タマに可愛くおねだりされては、仕方ないでござるな。では、タマよ。共に狩りに行くでござるか?」


「行くにゃん〜。御主人様がくれる美味しいご飯のためにたくさんワーウルフを狩るにゃんよ〜」


 このあり得ない光景をまたしても唖然とした表情で見つめるウンディーネとティナであった。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 感想も読んで返信させていただきますので、何卒宜しくお願いします。

 第12話は、明日のお昼の12時を予定しています。

 それでは、明日もお楽しみに〜

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