ある男の最期と大魔王の復活でござる!
【バフォメット視点】
俺の名はバフォメット。
鬼畜の四天王と呼ばれている。
大魔王様が培養液から目覚められた…直ぐにでも世界侵略を再開してくれるものとばかり思っていたが事はそう簡単では無い。
木に魔力を注ぎ込み、新たな眷属を作られ、魅惑のマリアンヌと呼ばれる聖女に封印されし四天王の1人を蘇らせたまでは良かったがその後まるで動きがない。
そうこうしてるうちに、我らの住むお膝元に報告にあったゴブリンが魔族と勇者を引き連れて、村を作る始末。
撃退するために俺ができる事は。
「ククク。調子はどうだ?元炎の精霊よ」
「グラァァァァァァァァ」
「おお、怖い怖い。だが今のお前は立派な火龍。この薬で、残りわずかな理性も完全に奪い取り、あの忌々しいゴブリンの村に解き放ってやるからせいぜい俺のために働くのだな」
こうして、大魔王様がかつて神との戦いで呪いをかけた炎の精霊と風の精霊と大地の精霊を時間をかけて闇に染め上げていた。
これらのカードを人間との争いではなく、目下の安全のために切らないといけないことになったのは、少々痛いが魔獣となった精霊どもであれば、報告にあったゴブリンも問題なく討伐できるだろう。
どうして、こうなった!
精霊たちは大魔王様の呪いから解放され、大魔王様だと信じていた存在は、大魔王様が溺愛していた一人娘のマオ様だった。
そのマオ様は、今やあのゴブリンの妾となったらしい。
マリアンヌ!
さては貴様の差金か!
思えば、お前は大魔王様から直々にマオ様の教育を任されるほど仲が良かったものな。
こうなっては、一刻も早く大魔王様を蘇らせ、マオ様の目を覚させてもらわねば。
どうして、こうなった!
「いや〜娘が愛したのが人間じゃなくてゴブリンなら良くない?それに、娘に嫌われるの俺嫌だもん」
復活した大魔王様に事の次第を話したら、直ぐに村に行った。
これで、あの村も終わりだと思ったのに、大魔王様は帰ってきてからずっとこの調子だ。
「あー後、俺人間と戦争するのもやめたから。だって、娘に嫌われたくないし。平和が1番じゃん」
どうして、こうなった!
こうなったら俺があのゴブリンを殺して…ガハッ。
「バフォメット、お前何を勘違いしている?魔王軍を率いているのは俺であってお前ではない。俺の決定に従えないならお前は用済みだ」
迂闊であった。
大魔王様は、マオ様のことを溺愛している。
マオ様が愛した男と幸せならそれの破壊は望まない。
俺がやろうとした事は、立派な反逆罪。
先に待つ、残りの四天王の元に俺も旅立つ時が来たようだ。
【風魔光太郎視点】
「ダーリン、ねぇねぇ。これとこれ、どっちが似合うかな?」
「マオは、赤よりも緑が似合いそうでござる」
「やっぱり、私もそう思ってたんだよね〜。じゃあ、緑のオーバーオールにするね。収穫、収穫、楽しいな」
あれからもマオの奴は、ずっとこの調子で拙者に絡んでくる。
まぁ、拙者は別にロリ属性ではないが…マオはそのほっとけない可愛さがあるのでな。
今日は村人総出の収穫祭だ。
拙者たちの村『風魔の里』もマオを慕う魔族たちも村人に加わり、村と言えない規模に成長していた。
それが仲良く、収穫をするのが収穫祭である。
ワシの住む日本と同じように四季にわけ、それぞれ春の収穫祭・夏の収穫祭・秋の収穫祭・冬の収穫祭とお祭り感覚で村人たち全員で楽しんでいる。
この一年、拙者の周りも実りを迎え、この度拙者は、なんと…なんと…なんと…産まれてきた60人近くのパパになった。
このペースで行けば、おそらく戦国時代のどの武将よりも拙者の方が多くの子を成してしまう事だろう。
子ができると落ち着くとは言ったもので、考え方が大人になり、語尾のござるが消えるなんて事はなく、思考の時だけ冷静に物事を見れるようになった。
「大変〜大変なのよ〜マオちゃんが攫われちゃう〜」
全く、マリアンヌの奴は何を騒いで…マオが攫われる!?
いかん、直ぐに助けに向かうでござる!
「マオ!無事でござるか!返事をするでござる!」
「ダーリン!ダメ、こっちにきちゃ!」
あそこにいるのは、マオと3メートルぐらいの二本角を持つ大男でござるか?
「うぬがマオのつがいか。ふむ、良いではないか!良いではないか!俺よりも強い男だ!マオのことも守ってくれるだろう!バフォメットの奴がマオが弄ばれているなどと吹き込むから何事かとやってきてみたが、存外良い村で安心した。そこに転がっている村人たちは人間でありながらマオのために武器を取り、マリアンヌはマオのために婿殿を呼びに行った。ワハハハハ。マオよ!良い婿を選んだな!で、子はまだか?」
「ホント、しんじらんない!だからダーリンとパパを合わせたくなかったのに!マリアンヌちゃんが余計なことするから」
この気さくな大男がマオのお父さん!?
「あ、挨拶が遅れたこと申し訳なく…拙者の名は風魔光太郎と申すでござる」
「おぅ。宜しくな婿殿。俺の名は、バンビラス・アルティメイト・フルキャスター・トーチナム・アレッサンドロ・トカメスだ。気軽にバンビラス義父さんとでも呼んでくれ。しかし、俺が寝ていた間に最弱のゴブリンが覇権を握るまでに成長するなんてな。誰も想像できんよ。ワハハハハ」
なんかめちゃくちゃ長ったらしい名前でござるが自ら略すように言ってくれて、助かったでござる。
「さてと娘の顔を見たし、俺に嘘をついたバフォメットの奴は粛清しておかねばな。マオよ。人間と魔族と精霊が手を取り合う世界の一端、確かに見させてもらった。婿殿、魔族の舵取りはこれから全面的に娘のマオに任せる。よって、これも渡す。五大国と話ができる水晶だ。では、さらばだ!マオよ!子ができたら隠居する父に見せにくるのだぞ!その時を楽しみに待っているからな。ワハハハハ」
「パパは、ほんとにデリカシーないんだから!」
なんかさりげなくめちゃくちゃすごいことを言われた気がするがあんな気さくな人なのにかつて人間国を絶望に追いやったのでござるか?
まぁ、ものは試しにこれ使ってみるでござるか。
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それでは、次回もお楽しみに〜




