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その死神は悲しく微笑う  作者: 柿者ししまる
4/4

再利用

その空港を下に見る山々は日本のような山岳信仰はなくとも

壮大な自然を古くから信仰の対象にする土地の信仰によって

神々を頂く信仰がもたらされてきた。トレッキング、登山、

それらにも特に制限もないお国柄ながら、空港周辺地域は

そういった山を目的に来る観光客でにぎわうので空港利用者も多くいる。

ただ今回は以前、この空港より若干小さいが代表的な空港で

テロ予告が発生したためにその空港が閉鎖されそのしわ寄せがこの

件の空港に集中したのが一つの運命の要因だったのかもしれない。


?1(以下1)「とまぁその犯人の魂をヴァンダー(上司の死神)さんに預けて帰ったんですよ」


?2(以下2)「大変だったよな~。平和な国だと思ってたんだけどな」


カイン(以下カ)「鉄砲が比較的自由な国ってそんなもんだよな。日本が一番楽だよ」


?3(以下3)「日本か~行ってみたいですね~」


カインは元人間だったという三人の死神に

ここ数日のこの辺の事情や雑談で忙しそうにしている。


ゲーデ1(以下ゲ1)「ん~大気の魔力は安定してるね。普通オブ普通」


ゲーデ2(以下ゲ2)「マカブルにぃ手伝ってくるね。

アッチのにぶつかるって感じなんかね?」


ゲーデ3(以下3)「あれ?アズラエル様とプリンシパリティは?」


1「上で山の神様に霧を止めてくれるか聞いてるみたいだけ、ど・・・」


カイン達を他所にまだ予定時間に猶予があるので周囲の警戒や

どうなるのかの予想を立てたり離れて見守る兄貴と慕う

マカブルの手伝うを申し出るもの。上司の動向を見守るもの。

様々ながらその話の中、当の上司が降りてきた。


アズラエル(以下ア)「いやはやダメだ。こっちもそんな権限そもそもないし、

あっちもこれは生理現象みたいなもんだの繰り返しだ」


プリンシパリティ(以下プ)「あの神には山岳信仰そのものの形だけで意思がありません。

この国の国民性に形作られた人格だけなのであの言い分はご容赦ください。


ア「いや、あの言い方で怒ってたの君だけだから。なんで私が怒ってたみたいになってんの?」


上で何があったのか不思議に思うゲーデ達と遠目に何かしらの悶着があって

その現認がプリンシパリティだったんだろうな・・・と達観してみるカインだった。

簡単に言うと山の神の返答がアズラエルのいった生理現象が具体的に下品だったのが

プリンシパリティの神経を逆なでしまくっていたのだった。まぁどうでもいいことだったが。

そこへ


ジュ・・・


その場の全ての死神たちの予定を記したものに焼け付く熱が起こる

全員がそれぞれ取り出してみる。マカブル、カインなら手帳、

ゲーデは各々の懐中時計、元人間のアズワン神からの使いである三人には

大学ノートのようなもの。アズラエルは神託の巻物のようなもの様々である。

運命の神からの新たな書き加えである。


マカブル(以下マ)「事故・・・これだけか。この人数が・・・」


全員が飛行機のあろう霧の向こうを見る。近い一機は尾翼が見えている。

マカブルが見ているであろう遠くの一機は彼らでも見えないが

死相を感じ取れる彼ら全員はそこにあろう飛行機を感じ取れている。


ア「まずい、増えたな、あれ全員助からんようだ。

このメンツじゃ足りんかもしれん。アズワンズの応援頼めないか?」


?2「んーこの国の死神って基本的に通常の生死の扱い以外動かないんですよね~」


ア「つまりもう出ているの以外動かせない。と?」


?1「あ、じゃあ彼らを使いましょう。洗礼は済んでるはずなので

動かすだけなら使えると思います」


マ「おい30分を切った。もうじき起こるぞ。持ち場に集中しろ!」


マカブルが少し急ぎ目でとんできては檄を飛ばしてきた。

アズワンズ1がアズラエルに提案した直後、

すれ違うようにマカブルに一礼し、?1はかなりの早さで消えた。


プ「早い転移、あれで元人間なの?」


カ「あいつらのようなのは輪廻転生から外れた命として

すぐの生まれ変わりが許されない連中だ。まぁ死後アズワン神に絞られて

真人間っぽいけど許される日まで死神の仕事やらをやらされてる。な?」


プリンシパリティが手際よく転移した?1に感心したのをカインが切ない顔で

アズワンズの成り立ちを解説しながら残った?2?3に向いた。


?2?3「「・・・」」


若干ばつが悪そうな顔をしながら一礼してマカブルの横を通り過ぎ飛行機の方向に向かっていった。


カ「アズワン神のもとでしごかれる間、生前のクセが強く残る特性を持つんだと。

?1はどうやらすばしこい泥棒だったとかかね?」


プ「カイン、知ってたの?はじめ彼らに驚いてたのに・・・」


カ「思いだしたんだよ。みんなと話してる途中にな。この国も何気にテロとか多いのも

貧富の格差と武器の持ちやすさより信仰の影響もありそうだなってのもな・・・」


プ「この国は人間の命は死んでも何かに使われるのか・・・」


カ「人間の、とかこの国は、とかじゃねーよ。命ってのはそんなもんなんだ」


ア「ふん、青臭いの~。命だけじゃない。我々だっていろいろ使われとるだろう」


カ「・・・っすね」


ゲ1「・・・っすね(笑」


ゲ2「・・っすね(笑」


ゲ3「・っすね(笑「「あはははははははははははははははは」」」


プリンシパリティは天界からの神託を各国に届けるのが役目とされる天使である。

それは主にキリスト教圏の国に限られておりそのほかと接することはまずない。

その枠から外れた彼女は、その仕事もやりつつカインとともに行動することに

新鮮ながら心に重くかかる様々な国の命の現場を思い知ることにたびたび苦悩する。

それをどう思っているのか知らないがカインはそんなプリンシパリティを

悪気なく、また自分にも言い聞かせるように教える時がある。しかもキザで臭い。

そのキザ臭さを周りが笑って煽るオチが最近定番化していたりする。

ゲーデはカインの真似をしながら大笑いして飛行機のほうに逃げる。

追うカイン。呆れるプリンシパリティとアズラエルだったが、

その直後に?1が戻ってくる。3つの幽体を連れて。


ア「おお早かったな。・・・ん?その三人、まだ人格が残ってないか?」


?1「ええ、アズワン様も今回の件は忙しかったようで冥界に送る魂と

業流し(生前の罪を洗い流すための試練(死神など))の板挟みで手一杯なようで

多少の洗礼はしましたが未練がある部分が残っているようで・・・」


??1「あ、ああここは・・・や、やらないと・・・今何時、だ・・・?」


??2「はぁ、はぁ・・・見えない・・・おい、誰かいるか・・・」


??3「国の・・・我が国の、大地に・・・」


プ「ぅく・・・黒い・・・この霊たちは・・・」


?1「・・・この間死んだ、私の担当したテロリストです・・・」


その間に2つの大きな大きな棺は距離は離れてはいるが

まるで見つめ合うように向かい合っていた。

続きます。

何とか完走したいと思います。

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