The Decisive Battle: The Top of the School編 ⑤
バトルを書こうと思ったら、回想で終わっちゃいました。タケちゃんが本当はそんなに凶暴ではないということをご理解いただきたい。
タケ1
2年生になった。進級したってどうということはないけれど、クラス発表でフラと同じ7組だとわかったのはうれしかった。
1年の時、フラが横に居てくれたらもうちょっとうまくやれたと思うんだ。こちらが何とも思っていないのに、何故か2年生3年生は俺に絡んできた。
1年の1学期早々、柔道部からスカウトが来たんだけど、興味ないから「間に合ってます」って断ったら、それが気に食わなかったみたいだ。「生意気だ」ってんで、早速その放課後に呼び出しがあって、勧誘にきた2年生の仲間数人が柔剣道場の裏で待ってた。
まあ、中学入学早々あんまり波風立てることもないだろうと思ったし、「間に合ってます」は誘った上級生も立場がないだろうと、さすがに反省したんで、謝ろうと思ったよ。
でもなぁ、結局喧嘩になっちゃった。第1に俺を締めるって目的に10人近い上級生ってどうだろう。気に食わないよね。それからそのグループのボスらしい名前忘れたけどちょっと制服着崩した変な爬虫類顔のやつだ、あれが鬱陶しかった。いやなニヤニヤ笑いしてたんで「ああ、こいつはぶっ飛ばしてもいいかな」って思っちゃったよね。それでも自重はしてたんだよ。最初の3分は。
俺は一人で行こうとしたんだけど、どうしても加勢するってミネッチがついてきたんだ。ミネッチは中学に入って最初にできた友達だな。うん…友達かな?まあいいや。だから自重しようとほんのちょっと思ってたんだけど、2年生グループの一人が柔剣道場裏到着2分30秒後にミネッチに蹴りを入れたことで自重を手放したわけだ。
気がついたらそのグループの爬虫類ボスをボコボコにしていた。他のやつが手を出してくると、その度にそいつを1発殴って、また爬虫類を3発ぶん殴り、また近づいた別のやつを思いっきり蹴飛ばしてトカゲ顔を3発殴り…ってやってたら、半分は途中からいなくなってた。
ミネッチに手を出したやつだけは追いかけて、学生服のカラーのとこを後ろからふん捕まえた。「わわわっ!放せ」っていうから「わははは、いやだね」って言って後ろから耳を引っ張って、さらにひざ裏に軽く蹴りを入れた。カックンと体が崩れたところにフェイスロックっていう技をかけたら、さっきの爬虫類先輩が逃げてくのが見えた。
「いででででで!痛い!痛い!やめてくれ。参った、参った!」
まあ、そんなことが一回あったら、後はもう面倒くさい感じになっちゃったな。すぐ次の上級生から呼び出し、その友達から挑戦状、その先輩から呼び出し…ときりがない。
今日も新しいクラスの教室でフラと再会して喜び、さらにそのつながりで超絶可愛いアンラッキちゃんとお知り合いになれたのもつかの間、3年生の京口が呼び出しにきた。
京口は3年生のトップで一応『ラスボス』ということでいいんだろうか。フラやアンラッキちゃんがいきなり新クラスでブルーになったら申し訳ないから、スキップとかして余裕を見せたんだけど、彼女は俺のほう呆れた目で見てたな。たぶん『学校の馬鹿オブザイヤー決定戦』とか考えてたんじゃないかな。ま、大きく違ってはいないけどね。
でもやっぱ2年ではこういうのはできるだけ減らして、別のことにエネルギーを注ぎたいんだよね、今さらだけど。だから頼んだんだ。「フラ、一緒に来てくれ」って。ついでにローもね。
さすがのフラも一瞬慌てたみたいで、面白い様子だったけど、すぐ凶器の相談とかあり得ねえ。さすがだね。フラがいれば、大事件にはならないだろうと思うよ。ローは保険な。
ちなみにアンラッキに声かけたのはもちろん冗談で、ローを追い詰めるためだったんだけど、何かアンラッキ様子がおかしいんだ。何だ何だ、ついてくる気か?どういう感情?謎だな。
どうでもいいけど、アディはこの後、俺やフラやローやアンラッキと一人ずつ話したいんだって。これも謎だなあ。何か気がつかれてるのかな?うむむ。そういやフラはプラって呼ぶことになったのかな?今日は意味不明なことが多い。
…では京口先輩との「馬鹿オブザイヤー決定戦」に行くことにするかな。
次回こそはアクティブ&スペクタクル&ラブ&ピース(笑)な展開になります。3年生最強『狂犬』京口と新2年生代表『猛獣』武田完の一騎打ちを描きたいと。