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2082年桜餅事変Ⅱ

インターフォンをならすと、白色の下地で微小な黒色の猫が印刷されたTシャツに夏でも着れそうな灰色のハーフパンツを着た指輪が学制服と比べると一見ラフでシンプルな恰好のおかげでいつにもなく一反木綿みが増して、玄関から出てきた。

シンプルとはいっても、制服もたいがいシンプルなのでゴマ豆腐が豆腐に変わったくらいの衝撃である。

手招きをしてきたので、両開き門扉をあけて庭に入ると雪兎みたいな小さい桜の木があった。

そういえば桜餅もあるといっていたなどと考えていると、古風ながらバリアフリー化が施された玄関にたどり着き靴を脱いで、市松模様のスリッパを履くと客間に案内される。

客間は中央に大きな円卓がありその四方に、椅子が置いてあるという作りのものだった。

飾ってあった絵画のせいもあるとは思うが意外と洋風だと感じてしまった。

椅子に腰かけると、指輪が合図でも見たかのように徐に

「和菓子は美桜がつくってくれる」

美桜とは、この指輪敬の妹でこいつとは似ても似つかないほど明媚な子だ。

正直ここに来た目的の一つでもある。

あったことは二度ほどしかないが、脳裏に焼き付いている。

暫く経つと

「こんにちは!できましたよ」

明朗快活な声と同時に、

ちょうどさっきの桜みたいに小さく、本当に月で餅でもツイてそうな感じの雰囲気すらある白いワンピースに身を包んだ記憶通りの少女が現れた。

「やっぱり敬の白さは妖怪じみているけれど、美桜ちゃんの白さはいい意味で浮世離れしているな、」

と茶化すように言ってみた。

すると

「誰が雪男だ」

と腹をすかしたハイエナが餌を見つけたみたいに、早く突っ込んできたがどう見ても雪男という表現は自分の筋肉を過大評価していると思った。

彼は雪男というより、ゆきに漬けられたおとこという感じがする。

間を紡ぐように、

「草団子に大福それに桜餅そしておはぎです。」

彼女が息をするより落ち着いた口調で説明する陰に僕は深い衝撃を受けた。

おはぎだ

僕はおはぎを食べることができない。

別に苦手だから食べれないといえばいいだけなのかもしれないが、彼女が気にするかもしれないし理由を聞かれたら思い出せない。

なんだか、言ってはいけないものだった気がする。

何とかごまかしてほかの人に食べてもらうしかない。

だがまた一つ問題が起きた。

これに関しては、大福や草団子は形状が違うから何ら問題がない。

だが、桜餅は形状が全く一緒だった。しかも色が思い出せない。

果たしてさくらもちは白だっただろうか黒だっただろうか?

普通に考えたら、白だ桜の色だから。

だが、何か黒い感じだった気もするなぜだろう?

とてつもないこととなった僕を尻目に、二人は何も気にせずいただきますの姿勢についた

僕もあわてて追いつく

『いただきます」


















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