悪役令嬢更生日記 出会い
第一印象は最悪だった。
「なんで私が第三王子なんかと結婚しなきゃいけないのよ!!お母さま!私が結婚したい相手はルドラ様なのよ!!」
小説通りに僕は嫌われているらしい。
彼女は名家であるアーミラ侯爵夫妻の次女のミーシャ・アミーラ嬢である。
そりゃ第三王子なんて補欠の補欠みたいなものだ。王族だからと言っていい暮らしはできているものの、第三なんでこの国の王子にはなれない。
こいつ………いやこの少女がルドラ様とおしゃっているお方こそわれらが国の第一王子そして僕の兄であるお人だ。とてもやさしく聡明な兄に惚れるのは致し方がないが、兄にはもうすでに決められた方がいるのである。
「ミーシャ!なんてことをおっしゃるのですか。申し訳ございません。」
『いえ、気にしないでください。アーミラ夫人』
『ミーシャ様、これからよろしくお願いします。』
「…」
無視ですか。
しかしこの世界は小説のままだな。
すべてのエンドを知っているわけではないが、ほとんどがミーシャ・アミーラと僕が最悪のバッドエンドになる未来になるだろう。
まずは彼女の性格をどうにか更生させる必要があるだろう、このハイパーわがままモンスターをどうにかしなければ僕に未来はない。
まずは目標をきめよう!
小説では彼女の悪いところしか書いてはなかったが本当にそうだろうか。生まれた時からあんなハイパーではないはず。10歳からしか描かれていないあの小説ではわからない彼女の一面がきっとあるのだろう。
最初の目標は彼女の過去を知ることだ。