第八話・ヒット祈願・鳴釜神事・前編
(今後いかなごのうたと話が微妙に話がずれ、それでもリンクしていきます)
原作の詩をよく読むといろいろな側面が浮かび上がります。まず、食べられる状態の「いかなご」 の集団が果たして元気に「たくさん食べてやあ」 と歌えるものか。
童謡は小説と同じく破天荒なものでも受け入れられると思っていますが、幼い子どもやその親たちの感想はどうかなと思っていました。そこで思いついたのが鳴釜神事です。私はいろいろと発想が飛躍しがちなのですが、昔から鳴釜という神事に昔から興味があり、音が鳴る鳴らぬに関わらず、やってみて自己判断で今後どうなるかを決めるのも面白いと思いました。
私の住んでいる県内に吉備津神社があります。主祭神は大吉備津彦命。これまた千年以上の歴史があります。物語的には桃太郎伝説の発祥地ともいえるものです。以後ちょっといかなごのうたから話がそれていきますが、書きたいので書かせてください。以下はウィキから引っ張っています。
……吉備津神社の縁起として、吉備津彦命が吉備平定にあたって温羅という鬼を討ったという伝承が知られる。これによると、温羅は鬼ノ城に住んで地域を荒らしたが、吉備津彦命は犬飼健・楽々森彦・留玉臣という三人の家来とともに討ち、その祟りを鎮めるために温羅の首を吉備津神社の釜の下に封じたという。この伝説は物語「桃太郎」のモチーフになったともいわれる……
以上引用終わり
そう、吉備津神社には温羅の首が埋められています。桃太郎伝説の鬼にあたります。鬼の首こそ鳴釜神事の源です。本物の鬼?
大学の研究者が調査したら何かが埋まっているのは確実だという。実際には掘り起こしたりはないし、掘り起こすこともしないがすごくロマンを感じる。
征伐された温羅の首が、唸り声をあげるかどうかで吉兆を占う神事になるとはどういうことか。温羅は断首された状態でもなお悔しかったのか唸り続けたという。犬に食わせて骸骨にしても唸る。御釜殿の下に埋葬しても唸る。困った吉備津彦命の枕元に、ある日温羅が夢に現れる。温羅の妻である阿曽郷の娘である阿曽媛(あそひめ、あぞめ)に米を炊かしめれば、温羅自身が吉備津彦命の使いとなって、吉凶を告げようという。そう、温羅には人間の妻がいた。そして吉備津彦命の軍門に下り、もっている能力を与えようという。その心境の変化、唸る途中で何らかの出来事があったはず。私はそういうところに空想力を掻き立てられる。
以下もまた鳴釜神事の由来を神社のホームページより抜粋しました。
……吉備津神社の鳴釜神事
当神社には御釜殿があり、古くは鋳物師の村である阿曽郷(現在の岡山県総社市阿曽地域。住所では同市東阿曽および西阿曽の地域に相当する)から阿曽女(あそめ、あぞめ。伝承では「阿曽の祝の娘」とされ、いわゆる阿曽地域に在する神社における神職の娘、即ち巫女とされる)を呼んで、神職と共に神事を執り行った。現在も神職と共に女性が奉祀しており、その女性を阿曽女と呼ぶ。
まず、釜で水を沸かし、神職が祝詞を奏上、阿曽女が米を釜の蒸籠の上に入れ、混ぜると、大きな炊飯器やボイラーがうなる様な音がする。この音は「おどうじ」と呼ばれる。神職が祝詞を読み終える頃には音はしなくなる。絶妙なバランスが不思議さをかもし出すが、この音は、米と蒸気等の温度差により生じる熱音響効果とよばれる現象と考えられている。100ヘルツぐらいの低い周波数の振動が高い音圧を伴って1mmぐらいの穴を通るとこの現象が起きるとされ、家庭用のガスコンロでも鉄鍋と蒸篭を使って生米を蒸すと再現できる。現在、この現象を利用して、廃熱を利用したラジエーターが作れないか研究中である……以上引用終わり
この神事は昨今のコロナ禍のせいで、人数制限がかかり令和二年現在県在住のものしかできないという。そうか……幸い私は祈願主になれる。さて神事の結果はいかに!!!