第二話・特別定額給付金
二千二十年(令和二年)私は国から一括で十万円をいただきました。日本政府からこれだけまとまった金額をいただいたのは初めてのことです。そこで、なにか思い出に残ることをしようと決めました。本エッセイではその経緯を最初から書いてみます。
国からと一口に書きますが、まずその十万円はどこから来たのか……以下は総務省のホームページから一部を丸写ししました。面倒な人は読み飛ばしてください。
( https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html )
◎◎ 特別定額給付金の概要
令和2年4月20日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定され、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うため、特別定額給付金事業が実施されることになり、総務省に特別定額給付金実施本部を設置いたしました。
施策の目的
「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。
事業費(令和2年度補正予算(第1号)計上額)
12兆8,802億93百万円
•給付事業費 12兆7,344億14百万円
•事務費 1,458億79百万円
事業の実施主体と経費負担
•実施主体は市区町村
•実施に要する経費(給付事業費及び事務費)については、国が補助(補助率10/10)
給付対象者及び受給権者
•給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者
•受給権者は、その者の属する世帯の世帯主
給付額
給付対象者1人につき10万円
以上前書き終わり
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……こういうのは一度限りでしょう。というわけで、どうせなら思い出に残ることをしたい、それも「今までやったことのないことをしよう」 と決めました。これは過去の私の生きざまと性格も影響していると思います。また個人的なことで恐縮ですが去年今年とがん検診でひっかかりまして、今後長生きできない懸念もあります。
過去のエッセイでも折々に綴っていますが、私は己の子供時代をすごく悔いています。タイムマシンがあるならば、乗って今からでもやり直したいです……でもそれは不可能なこと。だからこれからどう生きるかが大事だと思っている。そして悔いのないように生きたいとも。
一度限りのこの人生を振り返り、縁がなかったのはやはり「音楽界」 です。いや、まだあるかな……感音性難聴があると字幕なしのテレビドラマ、舞台演劇、落語、漫才すべてわかりません。ゆえに興味がありません。
クラシックバレエをしてはいましたが、上記の理由で一人で踊ったりはなかった。話すことで成立するコミュニケーションには一貫して縁がなかった。友人関係も居酒屋でワイワイもないし、ひそひそ話もない。内緒話もゼロ。
叩かれるかもしれませんが、コロナ感染を恐れて皆等しくネットで交流するようになって逆に生きやすくなったのが正直な私の本音です。
人生は本当に何が起こるかわからないものです。今後も私の聴力は回復することはないまま、死ぬでしょうがこの十万円でもって今まで縁がなかったことに挑戦を決めました。
よしっ、それでは……目指すは
音 楽 界 !