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第21章

私「分かった。ともかく、私が全てを信じて小説を書けば、全ては良い方向に行くの?生活の心配をせずに済むの?」


知らない人「あなたが、自分を信じることができればね。ただ、あなたはあなた自身の事を信じられないようになっている。」


私「それは何故?」


知らない人「様々な経験の中から、『自分には能力がない。』『社会は甘くない。』など多くの事を学んでいる。それはあくまで頭の中での判断に過ぎず、真実ではない。けれども、あなたはそちらの方を信じてしまっている。」


私「嫌なことや憂鬱なことが目の前で起きれば、それはそう思うよね?」


知らない人「『嫌なこと』『憂鬱なこと』もあなたが頭で判断したことに過ぎない。一見ネガティブに見える事でも、本来は中立の状況。状況は状況として感情抜きに把握すれば良い。」


私「でもさ、自分は普通の人間でそれこそブッタみたいな人であれば、それぐらいできるかもしれないけど、普通に生きていたらお金の心配をするのは普通のことだよね?家賃が勝手に払われるわけではないし。」


知らない人「それも、そういう風に思い込んでいるだけかもしれないよ。科学的にも心配事のほとんどは起きないし、起きたとしても自力で解決する事ができる。貯金額が変わるわけではないから、事実として把握して、やるべきことをやったら、後は全て魂に任せれば良いよ。仮に感情が沸き起こったとしてもそれはそれとして受け止めればいいんじゃないかな。」


私「分かった。そしたら、心配事があっても、それは頭が勝手に判断して負の感情を生み出しているのであって、気にしなくて良い。ということね。」


知らない人「無理矢理押し込めようとしても、かえって苦しめる事になるけどね。観察すれば良いよ。『苦しい』と思っても、頭の中で『自分は苦しいと思っている。』と状況を把握すれば良いだけで、『苦しいからこの状況を脱却しなければならない。』と考えなくていいんだよ。」


私「でも、実際にはそんな簡単に観察できないよね。心配事で頭がいっぱいの時は心配事で身動きが取れなくなる。」


知らない人「そういう事はあるよね。鬱病はそれが強く出た形だね。けど、それも心配しなくて良いよ。あくまで、やる事は同じ。自分自身と向き合う事。なぜ自分が苦しいか分析すれば良いよ。心配事を紙に書いてみるのもいいよ。心配をするというのは自分が何かを信じているから心配をする。例えば、『自分には価値がない。』と強く信じていれば常に不安に感じる。不安の原因、『自分には価値がない。』を見つけ、それが、外から植え付けられた観念だと気づければ原因を排除する事ができるよ。」


私「もしかしたら、その方法を根気よくやっていれば、メンタルは安定するかもしれないけど、それで、成功はしないよね?どんなにメンタルが強くなっても外の現実は変わらないから。確かに幸せかどうかは主体的な物だからある程度効果はあるかもしれないけど、さっきの『私が全てを信じて小説を書けば、全ては良い方向に行くの?』の答えにはなってないよね?ポジティブ思考もいいかもしれないけど、結局、メンタルトレーニングをしながら、転職活動をしたほうが良いの?仮にそれをやったとしてもそれこそ成功するイメージが掴めないんだけど。」


知らない人「あなたは表現すること自体を目的に人生を選んだ。だから、文章を表現する事にネガティブな観念がなければ、より良い方向に行くよ。それは、確実に保証できる。なぜならば、私が保証をしている訳ではなく、あなたが自分で決めてそういう人生を選んだから。あなたの存在意義がそこにある。あなたが嫌だと思っても、あなたのやるべき仕事は変わらない。けれど、あなたがあなたである事を拒まなければより多くの物を得ることができるよ。」


私「うまくいくはずがない。という思いはずっと強いよ。この思いがある内は行動に出ないほうが良いの?ネガティブな観念があるから。」


知らない人「行動に出なければ、ネガティブな観念があること自体に気づかない。だから、もし、あなたが、転生をせずに元の人生に戻る事を望んだならば、すぐに文章を書いたほうが良いよ。」


私「少しは文章の練習や勉強はしなくて良いの?」


知らない人「それは、勇者も実際に冒険に出て経験値を得たほうが成長が早いよね?」


私「でも、実際に成功している人達は入念に準備をしているよね?自分はそれでいいのかなって思ってしまう。」


知らない人「どちらにせよ。もう仕事を辞めているから、入念の準備も何もないよね?それにあなたの場合は表現をする事自体がすでに目的だよ。一攫千金を狙っている人達とは違う。」


私「そもそも、なんで、自分は表現をしたいと思ったの?この人生で。」

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