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振られてから始まる恋愛  作者: 煙雨
最終章 主人公の決意
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1話 アルバム

皆さん読んでいただきありがとうございます。

今回の話は少し短めです。

この話から最終章です。


 帰国して初日の朝。家族全員で朝食を食べる。


「大輔。大丈夫か? いろいろ思い出して混乱していないか?」


「一応大丈夫だよ。父さんも俺に気を使わないで仕事頑張って。昔のことを話したいだろうけど、俺の心の整理がつくまで待ってほしい。俺から話すのは良いけどいろいろ聞かれたりすると、ちょっとこんがらがったりするからさ」


「わかった」


 朝食を取り終わり、父さんが仕事に向かった。見送ってから母さんに話しかける。


「俺のアルバムを見してほしい」


「いいわよ。ちょっと待っててね」


 アルバムを渡されて見始める。夏休みに入る前、記憶を戻すために何度か見してもらったけど思い出せなくてつらかった記憶がある。見始めていくとやっぱり水族館の写真が多かった。その次のページに観覧車をに乗っている写真。やっぱり記憶が戻る前に行った時も懐かしい感じわあったが、こんなに行っていればって納得した。少しずつめくっていくとシャルと2人で取っていた写真が出てくる。泥だらけの写真。場所は幼稚園の近くの公園だ。記憶が戻ってからシャルと回ったところばかり写真で残っていた。シャルは俺に気を使って昔の場所を回ってくれたんだな。シャル自身はつらかったと思う。本当にシャルには感謝しかない。


 お昼近くに一回見るのをやめて昼食を母さんと食べる。


「どうだった?」


「楽しかったよ。2ヶ月前と大違いの気持ちだよ」


「それならよかったわ。大輔はいつから学校なの?」


「来週の月曜から学校だよ」


「そうなのね」


 昼食中、アルバムの写真を1枚見せる。公園で俺とシャルが泣いている写真。母さんに聞くとシャルを助けて喧嘩になった時の写真らしい。なんでこんな写真まで取っているんだ。


 昼食を取り終わってまたアルバムを見始める。イギリスにいたころの写真は午前中に見終わった。お昼から見始める写真は小学校時代。昔母さんが言っていたけど、橋本と遊んでいる写真を見ると、仲が良かったんだなと実感する。橋本と仲良かった記憶が戻ったが、やっぱりいじめられてた記憶の方が強い。でも橋本は俺の対応に困っていたって言っていた。仲直りをする気はないけど、許してもいいかなって思った。


 アルバムを見ているだけで1日が終わった。寝る前に従妹の未海に電話する。


「兄さんから電話なんで初めてじゃない? どうしたの?」


「記憶が戻った」


「え? 本当」


「あぁ。未海の母さんたちには言ってあるけど、俺から伝えるって言って未海には黙っててもらったんだ。美香と修也は昔の俺を知らないから報告しなくてもいいけど、未海にはちゃんと俺から言いたかった。遅くなってごめん」

 

 すると未海が泣き始めながら話し始めた。


「じゃあ昔のことも覚えてる?」


「一緒の高校に行くって約束だろ」


「覚えててくれたんだね。じゃあお正月に勉強教えてね」


「任せろ。絶対受からせてやる」


「私も頑張る。おやすみ」


「おやすみ」


 みんなに連絡することを忘れていたので今連絡する。


「夜遅くにごめん。明日10時に自由が丘の駅前集合でいい?」


「いいぞ」


「いいですよ」


「オッケー」

 

 優輝とシャルと伊藤から連絡が来て結衣の連絡を待っていると電話がかかってくる。


「だいくん。イギリスでシャルちゃんと付き合うことになった?」


「なってないよ。それにちゃんとお互いに気持ちを伝えるって約束したからね」


「そっか。じゃあ明日ね。おやすみ」


「おやすみ」


 結衣と電話し終わった後にグループチャットで「了解」と返信が来た。


 明日ちゃんと全員に俺の状況を伝える。結衣に今言ってもよかったけど明日合うから、顔を合わせていった方がいいと思って、言わなかった。シャルにも黙っててほしいと言ってあるから、会ってすぐどこかのカフェに入って言う予定にしている。さすがに現状を言うのは緊張する。だから報告するまでの予定をちゃんと立てておきたかった。

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