2話 ゴールデンウィーク
次の日、優輝とカラオケに来て
「大輔、森本さんにふられたんだろ」
今、一番ふれられたくないところを言われた。
優輝は遠回しに言って来るタイプではないからストレートに聞いてきた。
「あぁ……」
「まだ学校生活は始まったばっかりなんだし、気にしないで気持ちを切り替えていこうぜ」
「俺は初めての告白だったんだから、そんなに気持ちを切り替えることはできないよ……」
「今日は、パーと歌でも歌って気分爽快になろうぜ! 何歌う? ちなみに俺は、アニソンが好きだよ!」
「俺はアニソンから洋楽まで好きだけど、洋楽は発音が難しいしテンポが早すぎて歌えないから、アニソンでも歌おうかな」
そして俺は、機械を乗って戦うアニメで出てくる5人組アイドルの歌を入れる。
「その曲有名だよな。テンションも高くなるし、俺も好きだぜ」
俺は気持ちよく歌い終わり、点数評価には88点。
「可もなく不可もなくって感じの声だったな」
「お前はどうなんだよ」
「俺はVRMMOの世界に入ってしまって、出てこれなくなるアニメの歌を歌うよ」
優輝はそう言って歌い始め、音の強弱の使い方がすごくうまくて、点数も95点。
「お前うまいな」
「だろ? 歌には自信があるんだよ」
顔も良くて、身長も180cmはあり、歌も上手いとか反則だろと思い、少しむかついたので
「高スペックとかなんかうざいわ」
笑いながら言うと
「お前もなかなかスペック高いだろ」
俺は身長173cm、顔は普通、歌も普通、なにもかも普通なのになにがスペック高いんだか……。
「スペック高かったら振られないよ」
「まだチャンスはあるし、諦めるなよ」
「あぁ、まだその時に告白する勇気と気持ちが残ってたらな」
この話は終わらせて、1日中カラオケを歌って家に帰った。
ゴールデンウィークは優輝と遊んだ日を除いて、予定は入っていなかったので勉強を毎日少しずつだがやっていた。ゴールデンウィーク明けの5月中旬には中間試験、7月には期末試験がある。そしてゴールデンウィークが終わった直後に学校全体で中学までの学力と、今までの高校範囲の理解を測る試験。
まず中間試験の勉強をする。数学はたすき掛けの練習と平方根の有理化を勉強すればテストはなんとかなると思う。国語は毎日ラノベを読んでるからいけるだろう。化学は炎色変化や絶対温度を覚えて、物理は力学なので、等加速度運動などがどのようになるか実際にイメージできるようにする。英語は単語と長文を読んで、文法は後でやろう。他の科目は放置。
これで最低限中間試験で失敗することはないと思いたい。