久し振りの実家。
風俗情報誌に完全に顔を出して載るようになってからの私は、一気にお店での人気も上がって、お店のNo.1~2ぐらいの順位まできていた。
このおかげで今はほとんどフリーでお店に来るお客さんを相手にする事も無くなった。そして予約のお客さんは、長い時間私と一緒に過ごしたいからってロングコースを選ぶお客さんがほとんどになっていた。
1日に相手をするお客さんの数は前よりも減って来ているが、ロングコースのキャッシュバック。指名料。オプション代金。などで、貰えるお金自体は増えていた。
今は平日で1日平均7~8万円ぐらい。土日祝日や祝日前日で10万円ぐらいの売り上げをあげれている。
週にすると平均40万円以上はコンスタントに稼げるようになっていた。
人気の上昇に伴い、私は本来お店に行かない日だった日曜日もお店に入るようになり、代わりに月曜日をお休みに変えた。
零士のお店でも、それなりにお金を自由に使えるようになった事から、零士のホストクラブでの順位も、私の人気に合わせるように上がって行った。多分次の締め日を過ぎたら、お店のNo.3ぐらいにはなってると思う。
人気が出たした零士の元にも零士を目当てにしたお客さんが増えたけど、零士は他のお客さんよりも私の事を大事にしてくれて、私がお店に遊びに行くと、他のお客さんと比べても私の隣に居てくれる時間が長い。
そんな優しい零士の為にも、零士の事をNo.1にしてあげたいけど、さすがにそこまでは私もお金を使ってあげられない。
それが少し寂しくもあり、少し悔しくもある。
零士は【うららのおかげでNo.3にまでなれた、無理する必要は無いから、ありがとう】そう言ってくれている。
だけど……零士の事を1度ぐらいは、No.1にしてあげたい……
そんな思いが日に日に強くなっていった私は、お店の店長さんに、とある事を聞いてみた。
「店長、私の事を予約指名したいってお客さんだけど、早い時間とかにも居るの?」
『あ~そうだな、土日とか祝日とかは、それなりの数は居るな、夕方からしか来ないって伝えると残念そうに断るお客さんも中には居るしな』
そうなんだ。やっぱり居たんだ。
「店長、私今週から土日と早番から通しでお店に出たいって思うんだけど大丈夫かな?」
私が店長さんにそう聞いてみると、店長さんは来てくれるなら助かる。そう言ってくれた。早番で2~3本でもお客さんに着けたら、それだけで指名のお客さんなら4~5万円は増額になるもんね。
こうして私は。
水・金土日と祝日にお店に出るようになった。土日と祝日には開店時間から閉店時間まで通しでお店にいる。
ずっと、休み無くお客さんの相手をする訳でも無いから、割りと体力的にも問題は無かった。まぁちょっとだけお店に居なきゃいけないから退屈なぐらいで。
こんな感じでアルバイトを続けて、アルバイトで頑張って稼いだお金で零士の働くホストクラブに行って、アルバイトで受けたストレスなんかを楽しんで発散する。そんな風に過ごしていた。
そして、そんな生活が3ヶ月ぐらい経ったある日、実家のお母さんから電話が掛かってきた。
【今日、学校が終わったら夕方に実家の方に寄るように】
私は何の用だろうって思ったけど、たまたまアルバイトに行かない日だったので、久し振りに実家に行く事にした。学校が終わってから少し友達なんかとお茶を飲んだりして時間を潰してから、夕方に実家に戻った。
実家に着いて家の中に入ると、時間が少し遅かったのか、既にお父さんも仕事から帰って来ていた。
私がお父さんとお母さんに【ただいま、何の用だった?】と声を掛けながらリビングの中に入ると、お父さんとお母さんは、リビングのソファーに並んで座っていた。
お父さんから、少し話があるから、取り合えずそこに座りなさい。とお父さんとお母さんが座っているソファーの向かいのソファーに座るように言われた。
お母さんから、大学の方はどう? 勉強ちゃんとやってる? なんて事を聞かれた私は、ちゃんと学校にも行って勉強もしてるよ。そう答えた。
割りと長い間、実家に顔を出して無かったから、私の顔でも見たかったのかな? そう思っていた。
しばらくお母さんと話をしていると、ふいにお父さんが真面目な顔を見せ、テーブルの上に1冊の雑誌を置いた。
私はその雑誌を見て、目の前が真っ暗になった……これが何でここにあるの? どうしてお父さんがこんな雑誌を持ってるの? 頭の中がグチャグチャになって、何も言えずに黙って下を向いてしまった……
『うらら、お前、これ何だ?』
そう言ってお父さんが、その雑誌の予め折り目を付けていたページを開くとそこには、私がアルバイトをしている、性的なサービスをお客さんにする私が働いているお店の広告ページだった。
しかもそのページには、完全顔出しをして、セクシーな下着姿を晒している私の写真が、一際大きく載っていた……
ヤバイ……バレた……私どうなるの? お店辞めさせられちゃう? もう零士に会いにいけない? どうしよ……どうしよ……