表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/28

情報誌の効果ってすごいんだね。

 零士と2人で相談した結果、風俗情報誌に口元だけを隠した写真を掲載してみた。


 結果は載せてみて良かった。って結果だった。元々若くてそれなりに容姿も良かった私は、お客さんがお店に来てからアルバムを見てどの女の子にするか選ぶ時にも選ばれやすかったんだけど、事前に写真を見て選べるようになってからは、お店に来てから私を選ぶってお客さんじゃなく、最初から私を目当てにお店に来るお客さんが増えた。この事で、自然と指名される事が増えて結果貰えるお給料も増えた。


 零士の言った通り、私が心配していた両親にバレるような事には全くなってなかったし、大学でもそんなウワサは出てなかった。

私の取り越し苦労だって事と、零士の言う通りにしてたら、私が余計な事を考えるよりも上手くいくって事が、より実感出来た。


 今もお店に向かってなるべく早く着く為に、急いで向かっている最中。まだお店に本来入る18時よりも1時間も早くに店長から電話が掛かってきていた。


 【うららちゃん指名したいってお客さん来てるから、急げたら早目にお店に入って欲しい】


 電話で店長がそう言ってた。お客さんが指名してくれるのは、嬉しいけど、私にも都合があるんだから、事前に電話で予約すれば良いのに。なんて、お客さんに対してブツブツと文句を言いながらも、せっかく指名してくれるんだから。って結局お店に急いで向かってる。


 「今日は途中でご飯食べるか終わってからしか食べれないなぁ……」


 ボヤキながらも急いでお店に向かって30分ぐらい早くお店に入った。入った途端に店長がお客さんずっと待ってるから急いで支度して。ってゆっくり準備すらさせてくれない。


 忙しくなって嬉しい反面、こう言う事が何度も起きたら私も嫌になってきちゃうから、店長に言う事は言わないとね。


 「店長、私18時からって言ってあるんだから、お客さんにもそう言ってよ、今日なんてご飯朝しか食べてないのに、ご飯も食べずに来たんだからね」


 『ごめん、ごめん、これからは今日みたいな事が無いようにするから、ほら怒らないでお客さん待ってるから、ね』


 私が情報誌に顔を出して、人気が出たおかげで、お店にも私を目当てにしたお客さんが増えてきている。お店としても私の機嫌を悪くさせたりして、他の店になんか移られたら大変なのか、最近は前より更に私のご機嫌を取るようになってきて、私も仕事がとってもやり易くなってきている。


 いきなりお店にやって来て私の事を指名して、来るまで待ってる。なんて言い出したお客さんの相手を終えて、控え室に戻ってきた。


 「あ~もう最悪……ご飯も食べずに出勤させられたと思ったら、30分コースとか……せめて60分とか頼んで欲しいよ~」


 私が愚痴りながら、控え室のソファーに座ると、横に座ってた他の女の子にも。それ最悪だねって同情して貰った。

そのまま、他愛も無い話をしていたら、店長が控え室にやって来て私にこう言ってきた。


 『最近うららちゃん指名のお客さんが必ず1人以上は居るから、来週からは事前予約無しの指名は断るようにするよ、そうしたら、うららちゃんも余裕持てるだろうしね』


 「本当? 店長ありがとう~あっところで、今日って指名は何本入ってるの?」


 『今日はこの後は2本だな~』


 店長に私の予約状況を聞いた。さっきのお客さんと合わせて指名のお客さんが3本か~合間に2~3本はフリーのお客さんにも着けそうだなぁ……1日に最低5本ぐらいはお客さんに着けないと、零士のお店でも楽しめないし、欲しいブランド物も買えないもんね。


 結局この日は、途中でご飯を食べに行くとか、何か買いに行くとか、デリバリーして貰うなんて事も出来ずに、お店が閉店するまでお客さんの相手をしていた。

まぁ予想よりも多く8本のお客さんに着けたから頑張ったかいはあったんだけど。


 帰る為に着替えをしていた時に店長から呼び止められた。


 『うららちゃん、来月号の情報誌も顔出し続けるつもりなんだよね?』


 「うん、そのつもり」


 情報誌に載るのと載らないのとじゃ、ここまで差が出るって事を実感していた私は、もう載せないと言う選択肢は無くなってた。

零士のお店に行った時も、使える金額が全然違っていたから。


 『それじゃさ、来月号から顔を隠さずに載せてみたらどう? うららちゃん可愛いから今よりもっと指名が増えて、フリーのお客さんに着けるかどうか解らないなんて待機の時間ももっと減ると思うけど』


 店長にそう提案された。確かにお店に居てお客さんの相手をしてない時間に時給が付く訳でも無い。指名のお客さんが無い時間は、フリーで来たお客さんが写真を見て私の事を選んでくれないと、お金にはならない。もっと指名が増えたら、そう言うお客さんに着けるかどうかの不安要素は確かに減りそうだな。そう思った。


 顔を半分だけ隠して情報誌に載せてみたけど、特に何か困った事は起きてない。お客さんが増えたって良い事は起こったけど。

私は少しだけ考えて、店長に返事をした。


 「うん、そうだね~お客さん増えるなら顔を隠さずに出してみようかな~」


 私がそう言うと店長は、すごく喜んでくれた。

仕事の帰りに送って貰う為の男性従業員の車に揺られていた時に、零士にメールで来月号から完全に顔出しで載せて更にお客さんを獲得する事。そうしたらもっと零士に会いに行けるって内容のメールを送ったら、零士から直ぐに返事が来て。


 【そっか~頑張れよ、俺も応援してるから】 


 そう返事が来た。私は零士から送ってきた返事の内容を何度も何度も読み返して、明日からも頑張ろう。って気合いを入れ直した。

 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i381235
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ