彼との出会い
私は学校を卒業してから、アルバイトをしても長くは続かず、かと言って何かしたいこともあるわけでも無く、だらだらと毎日を過ごしていた。
夜中ぶらついていた時に久しぶりに会った学生時代の友人に呼ばれ、遊びに行く。
「暇なら遊びに来なさいよ。いつでもいいから。」
友人の家は溜まり場になっていた。悪い人間が集まるということも無かったので、しばらく私はそこに入り浸った。
それなりに楽しい日々。意味なんて無いし、昼夜関係なく誰かがいる場所は居心地が良かった。
そんな中、同じような無職の友人と出会う。
しばらくはその友人と遊ぶようになった。
その流れで義兄と呼べる人に会って、ちょっと強引に泊まったりもしたけれど、その人との間には何も無くて。
それからとてもモテる友人と間接的に知り合いになったのだけれど、ある日突然直接連絡が来た。
「迷惑じゃ無かったら、私と車で流さない?」
特にやることも無かったので、私は誘いに乗ることにした。同じバンドのファンだったから、仲良くなりたかったのだと説明してくれた。
モテる友人は男を取っかえ引っ替え、男遊びに熱心だった。
私は同じようにはならなかったけれど、モテる友人が主催する合コンに良く呼んでもらった。
美味しい思いをさせてもらったこともある。
そんな折、私はとある合コンで少しキツそうな顔をした人と出会った。
その合コンでは、色々とトラブルがあったのだけれど、複雑だし、本筋とはそれほど関係が無いので割愛。ここで義兄とも関係が断絶してしまったのだけれど。
問題はそのキツそうな顔をした人にある日相談された内容。
話が合うこともあって、私は彼に惹かれていたのだけれど、彼が目を付けた私と付き合いの長い友人と一夜を過ごしたようなのだ。
ただ、彼は身体の関係を付き合う前に望んでいなかったらしく、付き合いの長い友人は遊びのつもりだったせいか、気まずい時間が流れて、私と付き合いの長い友人はめんどくさくなって音信不通になったようだった。
キツそうな顔の彼は単純に心配したらしく、私に付き合いの長い友人について聴いてきた。
私はそれとなく彼に脈が無いと気付かせるように話をした。彼は私と付き合いの長い友人とのことを諦めたようだ。
そこから、私は気の合う彼と、奇妙な関係が始まったのであった。