■006□お前っていい奴なのか?
例の件以来、俺の考えではきっと、みんなから対しての俺の印象が変わった。
悪い方向に…そのせいでどうせ俺は馬鹿にされるキャラに変わっていくんだ…
死にたい!
「元気出せよ!」
「高橋〜〜〜!」
こいつは高校でできた親友であり、唯一の友達、高橋 勇。
でも残念ながら違うクラス。
「お前の事、噂で聞いたぞ!」
噂ってもしかして、俺が水月のところに行って、それで…って、うわぁぁあああ!!
ユカリめ!言いやがったな!!
「急にどうしたそんな顔して?それよりまさかお前が、ボーっとしてて、授業前の号令に気づかなかったってお前、
何か悩みがあんのか?」
高橋は笑いをこらえながら話していた。
何だ、そっちのことか…
って、そういう問題じゃないな…
それにしても高橋、お前はそれだけのためにここに着たのか?
「笑いたきゃ笑え!別に何でもねーよ!」
「そうか?それならいいんだけどな。じゃ、もうすぐ授業始まるから、じゃあな」
「あぁ」
高橋め、今度嫌な目に会わしてやろう。
授業は俺の考えをかき消すように始まった。
放課後、俺はいつものように帰宅準備をしていた。
後ろから肩を叩かれたので振り向くと、ユカリの指が俺の頬を直撃した。
ウゼ〜。
「よっ!元気に生きてるか?それより、あんたのために、デートに千歳を誘っておいたぞ。」
「なッ、何勝手なことしてんだよ!それに、何で俺が水月のこと好きってことになってんだよ!」
「嫌いなの?」
「………」
そんなこと聞かれてもよ〜…
「気にしない、気にしない!私があんたのためにセッティングしてあげたんだから、感謝しなさいよ。
日時は今週の日曜日、朝9時噴水広場に集合!遅刻厳禁だからね。」
ユカリ、お前っていい奴なの?ッていいたいところだけど、それはありがた迷惑だ!
そんな水月と2人っきりでデートだなんて、恥ずかしい!!!
デートって何すればいいんだよ!
今日、それ関係の本買わなきゃな……
そんなこんなで、長い長い3日間が始まろうとしていた。
土曜日まで残り3日。
水曜日
くそ〜なんかまだ三日前ってのに緊張してきた。
目もあわせられねぇーよ。
本も読んで勉強しなきゃな…
木曜日
あぁ、なんか、昨日興奮しすぎて眠れなかったな…
あの本ばっか読んでたし。
遠足前のガキか俺は…
金曜日
明日!とうとう明日!
うわっ!興奮してきた。
「お前ちょっと大丈夫か?」
ユカリが俺に向かって話しかけてきた。
「何が?」
「いやさ、なんか最近お前を見てたら、寝不足に見えるし、疲れも見えるような…
明日のデート中止すっか?」
「あぁ〜、そういうのは明日決めれば良いだろ?」
「お前って、何もわかってね〜な。」
「…?」
ユカリはそういうと水月たちと帰っていった。
わかってないって……なにが!!