■004□どうする気?
静寂よ…終われ!
………終わらないか…
今俺は勉強をしている。
水月の家で、4人で。
途中参加の2人もしっかりやっていた。
この2人とは同じクラス。
この2人の内の一人、髪が長い奴が松永 ユカリ。
俺はユカリにいじられている。
学校で、俺がボケーッとしていると、声をかけてくる。
俺が人と話すのを苦手ということを知っているのに!
絶対こいつ俺をおちょくってくるし、いじってくる!
そしてもう一人は神田 真由。
ユカリといつもつるんでいる。
いわば最近のギャルって奴?
それにしても、最初に言ってほしいよな〜
他にも来るならよ。
それにしても恥ずかし〜〜
俺だけ教科書とか見ながらやってるし…
違った…水月もだった。
水月は俺以上に教科書やノートを読み漁ってる。
キャワイイ〜!
ユカリがふとこちらを向いてきた。
何見てんだゴラ!
お前がこっち見たって何も嬉しくないんだよ!
消えろ!
って言うか存在を消せ!神!!
まぁ、それはさておき俺が言っちゃ悪いが、よくあの高校に受かったもんだよな、ホントに。
なんだかなぁ〜、女子の家で女子に囲まれながら勉強って、全然集中できん。
文字がなんかぼやけて見えてきたよ…パトラッシュ…
「それよりさ〜あんたここで勉強してどうする気?」
ユカリが静寂を破った。
それにしてもどうする気って、おい!
そんなこと言われても困るだろうが!
「どうするって?」
「あんた、さっきの様子じゃ私達が来ること知らなかったみたいだけど、私達がいなかったらどうする気だったの?まさか本当に勉強だけするって言うんじゃないわよね?思春期の男子が!」
そりゃ〜そういうこと考えたけどさ…
「やめなよ〜誘ったのはあたしなんだし〜!」
優しいな、水月…感動した…涙が出てくる…心の中の俺が泣いてるよ〜〜
「…勉強しに来ただけだけど、なんか悪いか?」
「そんな真顔で言わなくたっていいって、あんたみたいな奴がそんな事できるなんて思ってないからさ!」
ユカリは腹のそこから笑っていた。
「でも千歳も千歳だよねぇ〜、男子誘うなんて、しかも、何考えてるかわからない純一をさ」
真由め!そこまで言わなくていいだろうが!
でも実際傷付く…みんなからはそんな風に思われてたのか…しょうがないか……
俺なんて顔も平凡で、頭よくないし、クラスの中の成績も普通だし、何もとりえないし…
集団行動とかしてたら迷惑かけるし…俺、なんで生きてんだよ…
「…? 大丈夫?」
この中に女神がいる!絶対マリア様だよ、マリア様!!
まぶしすぎる〜〜
その後も俺は心を痛められつつ、慰められつつ勉強を進めた。
水月には、本人がわからない問題を教える予定だったんだが、自分のことでいっぱいだったので何もできなかった。
男としていい所見せられなかったな…
次があるよな…俺!
勉強会が終わり、今は帰宅中。
水月、告ってくれないかな〜
俺からは恥ずかしい、頼む!
俺に告ってくれ!!
しかし俺も本当に落ちぶれてるな…
<……ドサッ……>
かすかに後ろで物音が聞こえた。
こんな夜の道には後ろで物音がするのは当たり前のような気がしてた。
恐怖心を持つから、そんな音が聞こえるんだってな。
でも、俺ってこういうのは見とかないと安心できないんだよね。
…
後ろを振り向くと誰もいなかった。
ただ、目の錯覚かもしれないけど、青白い光の壁が、薄く光って見えたような気がした。
疲れてんのかな?






