■019□どす黒いもの
封筒の封を切ると、手紙が入っていた。
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横田君へ
君は時間通りに来てくれなかったね。
僕は寂しかったよ。
犯人をせっかく教えてあげようと思ったのにね。
それじゃあ犯人を教えてあげよう。
こんな短い手紙じゃ不満かもしれないけど、この先どうするかは君しだいだよ。
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封筒に写真がいくつか入っていた。
その写真を見ると、水月が机の上に花を置いている姿や、スリッパに画びょうを置いている姿があった。
「嘘だ…何で…?」
犯人は水月だった。
俺は急いで水月の家に向かった。
でも不在だった。
そこで学校に行ってみると、ちょこんと、何もなかったように座っていた。
「水月、これはどういうことだよ!」
「どうした…の!」
「何でこんなことやったんだよ!」
「…」
写真を見せると水月は黙った。
「黙ってちゃ、何も分からないだろうが!」
机を強く叩いた。
「…横田君がこっちをちらちら見てくるから悪いんだよ?」
「はぁ?」
「私そういうの嫌いなんだ…だから、いろんなことして、脅したつもりだったんだよ?
だから全て軽かったでしょ?」
「そんなことで…」
「横田君が私をちらちら見なかったら、何も始まらなかったんだよ。
それに、終わったことだしいいじゃない。」
「関係ねぇ!」
後ろから物音が聞こえた、それと同時に誰かに体を抑えられた。
「あんた何やってんのよ!」
ユカリだった。
「こいつが俺に…この写真見てみろよ!」
「…!これ…」
「違うよ、横田君がこんな合成写真作って、あたしを脅してるんだよ。
あたしを信じてよ…ユカリ…友達でしょ?」
態度を急に変えやがった。
「私は…」
「ユカリ、俺を信じてくれよ!俺はこいつに今まで散々な目にあわされてきたんだよ!」
「ユカリ!」
「ユカリ!」
ユカリは悩んだ末、唾を飲み込むと、口を開いた。
「私は…私は…水月を信じる…」
一瞬で時が止まった。
全てが終わった。
俺の何もかもが、消え去った。
ただただ、心の中に、どす黒いものが浮かぶだけだった。