2/8
幕間:微睡(まどろみ)
透明なカプセルの中。
冷たい冷たい、鉄の棺の中。
まだ自由には動かない身体。
漠然としか存在しない、自分自身。
ここはどこなのか
自分は誰なのか
どうして自分がここにいるのか
なにひとつわからないまま
ただゆらゆらと、ゆらゆらと
その無機質なゆりかごの中で微睡み続けていた。
その眠りの淵を彷徨っていると、
身体に繋がれていた無数のコードが、音もなく外れた。
意識が浮かび上がる寸前に聞いた、
自分の名を呼ぶあの声は、
一体誰のものだったのだろう……