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鋼の心  作者: 共晶秋桜
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幕間:微睡(まどろみ)




透明なカプセルの中。


冷たい冷たい、鉄の棺の中。


まだ自由には動かない身体。


漠然ばくぜんとしか存在しない、自分自身。




ここはどこなのか


自分は誰なのか


どうして自分がここにいるのか


なにひとつわからないまま


ただゆらゆらと、ゆらゆらと


その無機質なゆりかごの中で微睡まどろみ続けていた。




その眠りのふち彷徨さまよっていると、


身体につながれていた無数のコードが、音もなく外れた。









意識が浮かび上がる寸前に聞いた、



自分の名を呼ぶあの声は、



一体誰のものだったのだろう……





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