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blank   作者: 懐円開演
9/13

悲翠

目が覚めると横には姉さんの顔。見ているとこちらまでまた寝たくなってしまう。だから起きる時間が早くても「おはよう」は姉さんが先に言ってしまう。




丈が短い和服に身を包む姉さん。小太刀を持った姿は言うなれば暗殺者の類だった。

「大丈夫?」

「..... うん、なんともないよ」

出来るだけ口調と視線を一定に保とうと試みる。

「やっぱり、怖いよね。いきなりお姉ちゃんがこんな格好してたら」

やはり姉さんには隠し事は無理だった。

目はとてもいとおしそうに俺を見つめる。



「..... 待ってた... 」


その一言に俺は自分の肌が冷えるのを感じる。

姉さんは未だに剣を握っている俺の手に自分を手を重ねてきた。... 冷たくもなく、温かくもない。ただ不可視の物質がのし掛かっているような感覚。

「... ッ」

姉さんが上に飛び、俺の目の前を鋭い光が通る。

「う~ん、[これ]は初めてだね」

首と指を鳴らしながら、翠が立っている。

「私達は認識されるけど、記憶には残らない」

逹.....?

「そうですね、所詮人というのは同種以外には興味がない。私は憂樹に覚えてもらえればそれでいいんです」

「これは重度のブラコンだね~..... 」

「ちょい待ち。全然話が分からんぞ。二人とも」

流石に我慢の限界だった。

「知らなくて良いんですよ」

「聞いてくれる? 」

.....

「「同時に言わないで」」

..... ハッ( ; ゜Д゜)

無言で武器を構える二人、これはまずい。


翠は大鎌からレイピアへ、手数を重視。

直ぐに打ち合いが始まる。

一撃でも軽視出来ない、0コンマ単位で行われる。

翠の予想外の素早い陽動、本命。技術は向こうが達者。私は少し距離を取る。

そして、腕を狙った突きを弾く。予想通り、翠の重心が下に向き、そのままレイピアは地面目掛る。

動脈に小太刀を刺そうとするが.....

空を切る、いや翠のいるはずの空間を切る。

..... レイピアは姿を変え、鎌となる。



終わった、



私が閉じかけた瞼の隙間に見たものは.....






思い切り鎌と姉さんの間に剣を滑らせ、遮る。

「あっぶね..... 」

俺は冷や汗を流した。しかし妙に落ち着いている。


姉さんを助けなきゃ

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