内側
溶ける、というのはその存在が別の存在に受け入れられること。許容範囲を越えたら溶けずに漂い続ける。
起きてから数分はまだ眠い。何か衝撃があれば直ぐに眠気が吹き飛ぶのだが...
熱い。
「ふーん、それが君か... 二つ目?それとも初めてからあったもの?」
何故か身体が炎に包まれていた。
恐らく目の前にいる、無礼なやつが原因だろう。
「此処は... 初めて来る場所だね。取り敢えず..... よっと」
黒い鋭利な物質を振る。すると炎が払われた。
「おぉ~、見よう見まねだけどイケるもんだね」
「ホントに学習能力が高い..... とか言うレベルじゃないよ」
冷静に呟く、無礼なやつ。
「え~と、そこの無礼なやつ。君が「僕」を危険な目に遭わせたの?」
「ん、まぁそうかな」
悪気がないように思える。..... それなら。
「お仕置きだ」
一気に無礼なやつの懐に入り、黒い鋭利な物質を斜めから振り上げる。当然、止められる。
両手で杖のようなものを扱う。槍術かな?
左手で相手の杖を掴み、ぶん投げる。
これは流石に予想外なのであろう、空中に投げ飛ばされた無礼なやつが歯噛みをする。
「マジですか..... 」
空中に浮いている。重力という絶対に抗っている。失敗だ。
無礼なやつの周囲に炎が集まり、竜の形をとる。
あー..... 面倒ですね。
炎には触れられない、よく漫画とかでは凍らす。とかとても無理な事をする。
その他は..... 溜め息が出るほど難しい。
僕は左の手に白い鋭利な物質を[呼び出し]、右手に在る物質と共に思い切り円状に振る。
すると、炎の塊は上空に行く。これは科学で習ったこと、単純な話。
「温かいものは上に行く..... 」
上昇気流というものだったけか?あれ?
「何なんだよ..... 憂樹君」
無礼なやつは震えている。何故だ?
「学校で習う事は結構大事ですよね」
ニコリ、と微笑む僕。
「さて、お仕置きですよ」
足に精一杯の力を込め、跳ねる。
無礼なやつの頭上に来たところで杖目掛けて、白い鋭利な物質を振り下ろす。
砕けた。杖が。
「く... 」
小さくうめき声が聞こえる。
僕は迷った。こいつを生かしておくか、斬るか。
まぁ... 俺に任せよう。
俺の目の前には葵衣が膝を折っている。... どういう状況?
あの日見た、白い真っ直ぐな剣が手にあった。
「そういう事ね... 」
苦しそうに葵衣は言う。
「今日はこれまでね..... 」
そう言うと炎に熔けるように葵衣は消えた。
「何だったんだ?」
屋上のドアが開き、朱里姉さんがこっちに向かってくる。
「う~$$#%/@>=~!」
え.....? なんて?
心配だったのだと思う。泣いてるから。
「分かった分かったってば!」
泣きじゃくる姉さんと一緒に帰る。
俺は今日あったことは絶対に言わない、と決心した。