邂逅
鏡に映らない... そういう性質を持つものは生命体ではない。何故なら「そこ」に存在しないから。
口をあんぐり開けている俺がそこにいる筈だ。
散々、姉に見せられた幽霊映像。そいつらは常に俺に疑問を与える。
「何故、幽霊は自分を見た者達に危害を与えるのか、何故殆ど同じ格好なのか。」
そして
「何故、ヒトの形なのか。」
答えは直ぐに返ってきた。姉からだ。
「それはね....」
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
思い出したくない 覚えていない 忘れた 忘れてしまえ 。
何で急にこんな記憶が... ああ.... それは
「ヒトがヒトを忘れてしまう事と、この世界そのものが牢獄、つまり天国や地獄 神様や天使何てのが居ない、救いなんて最初からないからだと思うよ。」
救いが無いのなら俺はどうなる、
「あー、ちょっと早いかな♪」
後ろから元気な音が聞こえる。
「何でお前たちはこの子の邪魔ばっかりしてんの?イン・ザ・フラワーガーデンなの?」
.... 誰に対して会話を投げ掛けているのだろうか
振り向くとそこには左右非対称の髪の長さと青いパーカーを着た少女がいた。
そして腕を絡ませているのは..... 槍?
「ねぇ.... [ブランカー]さん。」
次の瞬間、きっと辺りは暗くなるんだろうな。
予想通りだった。そして吹き飛ばされた俺..... 逆じゃね? 普通あの子だろ!
俺がいた場所には影が[立っていた]。宿主である俺から離れていた。
「あれがキミの[空白]の原因か.... キミにそっくりだね。危ない危ない。」
察していた..... そう、アレは....
「ドッペルさんだね!」
..... (* ̄∇ ̄*)この野郎
「んじゃ、サクッとヤッチャオウ」
言葉通りホントに一瞬だった。
「う~ん、あれほどサクッと行けたとなるとキミの心もギリギリだったみたいだね。」
ドッペルさんは自分の内側だから.....
ドッペルに遭遇すると死ぬ、なんてのは的外れだ。ドッペルは自分の辛かった部分から生まれるものだと思う、そして警告としても現れるのだ。
あなたの背後にはイツもイツもイツもイツもイツもいつまでも死が張り付いています。
「あ」
ん?何だ、今の声?
「おぉ~戻ったんだね!声.... と記憶?ワタシの名前は?」
多々良 翠 たたら すい.....
「正解だよ♪」
俺まだ言ってないのに.... ・゜・(つД`)・゜・
そして、手のなかには一本の白い真っ直ぐな剣が収まっていた。