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オネエ妖怪☆アカナメ  作者: よもつひらさか
第一章 僕っ娘とオネエ妖怪
1/5

第一話 僕っ娘だって恋するもん

僕は竹中みなみ。


一応女子高生。


僕には兄弟が居て、上に二人の兄、下に一人の弟、


計4人の中で唯一の女の子。


でも、全員が自分のことを僕というから、自然と


僕も一人称は「僕」となった。


親は割とおおらかな親で、別にそのことで咎められたり


矯正されることもなかったので、僕はいまだに僕であり


良い友達にも恵まれ、そのことでからかわれたりすることはなかった。


髪の毛も、兄弟と僕4人が並べられて、一気にお風呂場で


散髪されてたりして、常にショートカットだった。


だから僕はよく男の子と間違われたのだ。


中学の時など、見知らぬ女の子から告白されたこともあった。


僕は現在高校2年生。


今、僕は恋をしている。


もちろん相手は男の子だ。


彼の名前は、浅野 翼。同級生だ。


きっかけは、仲の良い友人たちと川原でのBBQで僕が川で


溺れかけたのを助けてもらった時だ。


僕は幸い大事には至らなかった。


その時、初めてお姫様だっこというものを、体験したのだ。


翼はどちらかというと、軽いタイプで、僕はそれまではちょっと軽蔑していた。


女の子と見れば、誰でも声をかけてちやほやする。


その日も、一緒にBBQに行ってた、日向子にちょっかいをかけてるのを見て


ちょっと呆れていたのだ。


僕は川原で冷やしていた飲み物を引き上げようとした時に


何故かちょっと意識が朦朧として倒れ、川の深みにはまってしまった時に


翼が僕を助けに来てくれたのだ。


いつもナンパな翼が真剣な顔で僕をお姫様だっこして


「おい、みなみ、大丈夫か?」


と心底心配そうに言った時に、僕は恋に落ちてしまったのだ。


それまで僕は、翼のことなんて何とも思っていなかったのに、


今ではいちいち翼が何か言うたびにドキドキしちゃうのだ。


「オッス、みなみ!」


後ろから、バンと背中を叩かれ、振り向くと翼が満面の笑みで立っていた。


僕の心臓はバクバクし、体温は急上昇した。


「何赤い顔してんだ?熱でもあんのか?」


翼は僕におでこをくっつけてきた。


わー、そんなことしたら、僕の心臓、壊れちゃうよ。


翼の顔がこんな近くに。


「やめてよ、もう。顔近いよ!」


「わりーわりー。そりゃそうと、俺、昨日新しいゲーム買ったんだ。


今日、俺んちで一緒にやらねえ?」


翼がそう誘ってきた。


僕は舞い上がってしまった。


「う、うん。行く。」


僕は答えた。


「よっしゃ、決まり~。じゃあ日向ひなた日向子ひなこちゃんも呼ぶからな。」


そう言うと、翼は携帯を取り出して、二人に連絡を取り始めた。


なんだ、二人っきりじゃないんだ。


何を期待してたんだろう、僕は。


「んじゃ、あとでなー。着替えてこいよー。」


そう言うと翼は自宅のほうへと走って帰って行った。


その日、翼のうちで、新作のゲームをして、夕方日が暮れてから


日向子と一緒に歩いて自宅へ帰った。


日向子の自宅との分かれ道で、日向子に手を振り、別れた。


女の子の一人歩きは危ないけれど、今のところ僕は


あまり女の子に見えないので、そういう危うい目に遭ったことがない。


だけど、僕はその日初めて、痴漢に遭う事になった。


後ろから僕に近づいているのに気付かず、そいつはいきなり


僕に抱きついて、首筋を舐めたのだ。


「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」


今までに無いような甲高い悲鳴が出た。


振り向くとそこには、驚愕の表情を浮かべた20代後半くらいの


背の高い痩身のオカマが立っていたのだ。


「何よ、アンタ。女の子なの?」


そう言うと、オカマは汚らわしいそうに、自分の舌をハンカチでぬぐい始めた。


「オ、オカマの変態!」


僕は叫んだ。


「し、失礼な子ね!オカマの変態って何よ!


最近はね、私のようなのをオネエって言うのよ!


アンタ、紛らわしい風体してんじゃないわよ。


かわいい僕ちゃんだと思ったのに!」


僕はそう罵られて頭にきた。


「痴漢が偉そうに何だよ!警察呼ぶからね!」


僕はそう言い、携帯を取り出した。


オカマはニヤニヤしながら言った。


「どうぞどうぞ、お呼びなさい。私は絶対に捕まらないから。」


「そんなわけないじゃん。逃げようったってそうは行かないんだから。」


僕は携帯のカメラをオカマに向け、写真を撮った。


そして、僕は携帯を見て愕然とする。


確かに写したはずのそこには、何も写ってないのだ。


「警察に行っても、私はつかまらないわ。だって、人間じゃないんだもの。」


オカマは真っ赤な口紅にタバコを咥え、吹かしだした。


「女には興味ないわ。」


そう言うと、僕の顔にふうっと煙を吹きかけた。


「人間じゃないのなら何なの?」


僕はゴホゴホとむせながら言った。


「うーん、人間より、より進化したもの?私は美少年の垢だけを舐めて


生きていけるんだから。エコでしょ?」


僕は頭がおかしくなりそうだった。


「ってことは、妖怪?・・・!そうか、垢舐め!」


「まあ人間からはそんな不本意な名前で呼ばれてるわね。


言っとくけど、私が舐めるのは、美少年の垢だけだからね。


そこいらの垢舐めと、一緒にしないでね。」


オネエ妖怪、垢舐め。


冗談でしょ?

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