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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

出口

作者: マーク
掲載日:2026/05/10

人生は一度きり。


これはおそらく、本当なんだろう。


今の私がいるのは、多くの奇跡の積み重ね。


私という意識はきっと、今回で終わり。


なんて、嬉しいんだろう。


終わりが決まっているなんて。


周りのざわめきが、次第に大きくなっていく。


うるさいなぁ。


「次喋ったら、殺すよ?」


一斉に、静まり返る。


偉いね。


「私、人生で一度くらい、人を殺してみたかったの。誰か、殺されてみたい人はいる?」


「…なんだ。つまらない」


警察が到着するまであとどれぐらいかな?


誰か連絡したかな?


そう思ってキョロキョロしていたら、男の人が私に向かって走ってきていた。


勇気のある行動だ。


なんか、面白い。


飛びかかるように向かってくる。


動きを見て、そこに刃物を合わせる。


腕に突き刺さった。


痛みで顔が歪んでいるのが見える。


勢いが少し弱まったので、腹を蹴った。


うずくまったので、刃物の柄で頭を何度か殴打した。


その人は倒れて、気絶しているようだった。


…なんだ。


思っていたよりずっと、上手く行った。


みんなで向かってきて押さえつけられる、それもまたいいと思っていたけど、それはもう、起きることはなさそうだ。


倒れた人の上に、座った。


他の人はもう、抵抗する気がない顔をしている。


恐怖で染まりきっている。


彼らに私は、イカれた人間だと思われてるんだろう。


こんなことをする人はみんなおかしい人だから。そりゃ、そうだ。


なぜだろう、驚くほど頭がクリアだ。


そうだ。


ちょうどいいし、この人を殺そう。


腰辺りに座り直して、背中を何度も刺した。


躊躇はなかった。


感触は…気持ち悪いというのが一番だった。


「あぁ、汚れちゃった」


血溜まりのせいで。


「ねぇ!誰か警察呼んだ?」


返事は帰ってこない。


わからないなら、自分で呼べばいいか。


血で濡れた手で、ポケットからスマホを取り出して、電話をかけた。


すぐに繋がる。


「110番警察です。事件ですか?事故ですか?」


「こんにちは。人を殺しました」


その後住所を言って、電話を切った。


こんないたずらみたいな内容でも来なきゃいけないと言うのは、なんだか面白い。


あと、何をしようか。


そうだ、歌でも歌おうか。


上手くもない、下手でもない歌を。


私は、終わりが来るまで歌っていた。


そして、自分を刺した。


見失う。

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