男装少女の地獄生活2
登場人物紹介
・ルイ アルマーノ
レベル666。母親を幼くしてなくし、父親は女であるから弱くあるという思考を捨てさせるため、男のように一人称から服装まで物語のようにしている。
戦闘技術は全てメイドが教え込んだ賜物である。最近爆破魔法の独学をしている。
・ユー アジダハーカ
闇属性の竜の末裔にして人間界から追放されし種族。ドラゴンの姿でダンジョン近くの王国の兵士に殺されそうになっているところをハイクス配下の当時のメイド長に助けられた。竜の姿でも擬人化した姿でもどちらの形態での戦闘にも長けている。
闇魔法、破滅魔法、煉獄魔法、悪魔属性、巨竜化を完全習得している。また短距離の転移を最近習得した。
レベルは911
・オーサ アラ
レベル998
非常に強力な魔法を扱うメイドを束ねる長。元老会唯一の大魔王支持者。メイドは様々な種族から仕えているため、メイド長がその総意として元老会に意見を出す。実力は折り紙付き。
基礎魔法、防御魔法、悪魔魔法、東洋術式、体術、煉獄魔法、氷結魔法、落雷魔法、拘束術、禁呪を完全習得している。
「お嬢様。では時間ですので、模擬戦闘に参りましょう」
「えぇ~?」
ルイは本を読みながらベットでゴロゴロしていた。当然この後模擬戦闘があるのは覚えていたが彼女の専属メイドであるユーが頭を撫でながら面倒を見ていてくれたためすっかり時間を忘れ、本を読むのも忘れてしまっていた。なんとか時間を引き延ばそうと、彼女は言い訳をはじめる。
「ユーが頭をずっと撫でてて気持ちよくて本が読めなかったの! だから、ほら本も勉強の一環でしょ?だから僕は時間を延ばしてほしいなぁ」
膝枕の上でおなかに顔を埋めてそんなことを言ってみる。放り出された本を見て、ユーは
「”ドラゴニュートの弱いとこ100選”…こんなのが勉強ですか?」
「ああぁ、えっとそのぉ…」
ルイがたどたどしく言い訳を考えているうちにメイドはドラゴンの息吹で本を燃やす。
「あぁ、僕の秘蔵の本…」
「今の本は私以外のドラゴンにも興味が出ちゃったのですか?」
内容をちらりと見たユーは少女に問いかける。
「そんなことない! けど…最近かまってくれないから…」
ルイはさみしそうに言う。確かに最近メイドの仕事と、冒険者の侵入により警備活動で彼女との時間は潰れていた。もちろん警備は二人で同行しているが、外敵を逃さないためこんな膝枕や頭を撫でている暇はない。
「…メイド長に進言してみますわ。そしたらもう少し時間もとれるでしょう」
顔を上げたルイの明るくなる表情を見て心が温かくなる。
「さ、着替えて行きましょ? 今日は私がお相手ですがメイド長もいらしますので」
「げ、あいつ来るの…」
庭園闘技場、城の裏庭にある庭園の中央に設けられた体育館ほどの広さのコートである。
「お待ちしました。5分遅れですね? ユーあなた何をしていたのかしら?」
「申し訳ございません、メイド長。お叱りは後程受けます。お嬢様をやる気にさせることができない私の落ち度です」
「まったまった、私が駄々こねたんだからユーに責任はないよ」
「お言葉ですがお嬢様、専属メイドはあなたの健康や予定の管理のためにいます。本来なら責めるべきはあなたかもしれませんが、私どもはあなたと大王様を護る立場です。無下にはできません」
「でも…」
「お、じょ、う、さ、ま?」
「ひっ」
「メイド長! お叱りは私が後程受けるので模擬戦闘に入りましょう!」
ルイに詰め寄りかけたメイド長をユーが止める。メイド長が上空から見渡し、戦闘態勢に入った二人がコートの両端に立つ。ユーの手はドラゴンのように鱗と爪が生えている。
「ルールは無制限。どちらかの魔素が尽きるまで、それでは…はじめ!」
開始の合図とともに二人は一気に距離を詰める。コートの中心まで約2秒で到達し、お互いの拳がぶつかる。衝撃波と共に小さなクレーターが発生した。と、とっさにメイドは距離をとる。瞬間元いた場所が爆発した。飛掛かってきながら爆破魔法を詠唱していたということになる。
「黒龍の息!」
漆黒の光線がユーの口から放たれる。
「その技はもう見た! 完全防御!」
正面から半球状のバリアが展開され光線は弾かれた。反撃に移ろうとしたその時、上空にいたはずのメイドがいない。
「隙ありです」
真後ろにいつの間にか回り込んだメイドの回し蹴りが炸裂し、少女の背中を蹴り飛ばした。パリーンという音と共に守っていた守護魔法が剝がれる。
「それまで! 勝者ユー! …お嬢様、前は同じ戦法で勝てたかもしれませんが相手は再戦となったら当然戦略を考えますのであれではユーのように背後を突かれますよ」
「うぅ、わかってるよ…」
「お嬢様、お怪我はございませんか?」
腕を人間のように戻したメイドは、ルイを抱きかかえる。
「大丈夫だよ。でも初撃の爆破を見抜かれたのはさすがだよ」
「いえ、あと少しでも遅れていたら呑まれていました。ほら」
そういってメイド服の裾を指す。保護魔法を貫通し、服の端がチリチリに焼け焦げていた。
「この後は昼食後私、オーサがご相手いたします。前回は私が勝ちましたがその時のようには動かないのでご容赦を」
そういったかと思うと転移魔法で瞬時に消えた。気配は11階層にいるため、きっと侵入者だろう。
「さ、一度お風呂に行ってから昼食をとりましょう。お部屋に準備させますので私たちはそのまま浴場へ向かいますよ」
「んー」
「?…あぁなるほど、かしこまりました」
どうやらこの抱かれたまま移動したい様子だ。ユーはそのことを察しお姫様抱っこしたまま浴場へ足を運んだ。
登場人物紹介
・ルイ アルマーノ
父親である大王は女であるから弱くあるという思考を捨てさせるため、男のように一人称から服装まで物語のようにしている。
模擬戦闘でのユーとの戦績は121戦21勝63敗37分である。相手の裏をかくために独学で魔法を覚えることもあり、レベル差がありながらもものともしない戦闘を見せる。
戦闘技術は全てメイドが教え込んだ賜物である。最近爆破魔法の独学をしている。
レベルは668
・ユー アジダハーカ
闇属性の竜の末裔にして人間界から追放されし種族。ドラゴンの姿でダンジョン近くの王国の兵士に殺されそうになっているところをハイクス配下の当時のメイド長に助けられた。今回は一部を竜化して戦闘したが、メイド服が焼けてしまったため、後でメイド長よりお叱りを受けた。
闇魔法、破滅魔法、煉獄魔法、悪魔属性、巨竜化を完全習得している。また短距離の転移を最近習得した。レベルは911
・オーサ アラ
レベル998
非常に強力な魔法を扱うメイドを束ねる長。元老会唯一の大魔王支持者。メイドは様々な種族から仕えているため、メイド長がその総意として元老会に意見を出す。実力は折り紙付き。
基礎魔法、防御魔法、悪魔魔法、東洋術式、体術、煉獄魔法、氷結魔法、落雷魔法、拘束術、禁呪を完全習得している。
11階層の侵入者は彼女の存在に気付く前に骨も残らぬ灰となった。




