第20話 出港
海上自衛隊自衛艦隊とアメリカ海軍第7艦隊は、舞鶴沖と津軽沖に集結していた。
海上自衛隊第1護衛隊群と第2護衛隊群は舞鶴沖に集結していた。
第1護衛隊群所属の護衛艦『いずも』、第2護衛隊群所属の護衛艦『いせ』の甲板には米軍が即興で作り上げた米軍1メガトン海底爆弾が配置されている。
爆弾が甲板上に剝き出しに配置され、海へとつながるレールが敷かれている。
爆弾稼働とともに海に投下、一定時間後、核爆発を引き起こし、敵の発生源を破壊する仕組みだ。
これが『サンダー』作戦の概要である。
津軽沖の米海軍第7艦隊にも同様のものが3つ配備され、作戦開始後同様に海に投下、爆発し、敵の発生源を破壊することになっている。
指揮官は護衛艦隊司令官の田島海将が担当する。
第1護衛隊群司令官、原田海将補は旗艦であるイージス艦『まや』に乗艦、第1護衛隊群準備完了の知らせを、指揮装備を強化し、改装された護衛艦隊旗艦『しらね』に送った。
『『サンダー』作戦に参加する全自衛官に告ぐ』
数分後、『しらね』から全艦放送が流れた。
『私は護衛艦隊司令官の田島海将である』
全員が立ち止まって、放送を聞いている。
この作戦には日本のみならず、世界の命運もかかわっている。
この作戦の如何は、この日本、世界の如何にもかかわっている。
そして、この作戦の可否は、諸君らの双肩にかかっている。
一層奮迅努力せよ。
以上。
その後、全艦に出航命令が出た。
出航用意のラッパが各艦に響く。
原田海将補は顎を片手でなでながら、恐怖を押し込め、若干笑みを浮かべた。
その時、横にいた海曹がそれを目撃していた。
海曹はその様子に若干恐怖を抱きながら、幹部という生き物はつくづくよくわからない生き物だと双眼鏡を正面に向けた。




