第1話 異形の軍勢
久しぶりに投稿します。
ちょっと緊張します。
もし読んでいただければ幸いです
20XX年 7月27日 午前1時12分
新潟沖海底。
そこの範囲数キロの領域では、異様なことが起こっていた。
地割れだ。いや、単なる地割れではなかった。
1キロ以上に渡る地割れが、いくつか、静かに起きていた。
そう、全く静かに。
これだけの規模なら地震や津波が起きそうな地割れだが、何もかもが静かに遂行されていた。
地割れからはオレンジ色の発光が確認されていたが、これも海上までは届かなかった。
地割れからは数百から数十メートルの葉巻に大きな円錐を無数に立てたような形の物体が数十ほど、次から次へとゆっくりと海面に姿を現した。
第9管区海上保安本部に、民間船舶および地上から正体不明の船舶が多数航行中との連絡があった。
それだけの船団なら事前連絡があってもいいはずだし、何より通報者たちが「正体不明」だとか「異様な」という言葉をやたら使うのが気になる。
第9管区海上保安本部の人々は首をかしげたし、不気味ですらあった。
海上保安庁の巡視船『ひだ』が新潟から出航した。
『ひだ』は角ばった船体と後部のヘリコプター搭載甲板が特徴で、排水量2000トン高速で動く重武装の不審船に対処するため建造された。
また佐渡に正体不明の船舶が数隻向かっていることから、佐渡島からも巡視艇『ときくさ』が向かった。
こちらは排水量26トンの巡視艇だ。
『ひだ』船橋には、船長の数人の海上保安官がいた。
「水上レーダー、凄いです。100メートルクラスから300メートルクラスがレーダーの範囲で5隻います」
レーダー士が報告した、
高瀬船長が命令を下さす。
「警告を発しろ。貴官は基本領海に接近しつつあり。実力行使も辞さない。ただち、停戦せよ」
1隻の巡視船が大船団に向けた発そうとしたが、それは叶わぬこととなった。
船長号令の直後、『ひだ』の近くにいた2隻の異様な船舶が、無数に生えるとげの数本から赤色に染まったレーザー光線を発した。
まず船橋を貫いた後、船体の数か所に穴をあけ、炎上させながら『ひだ』をあっという間に海中に沈めた。
数隻いた。大型の葉巻上の船体に動きがあった。
大型の、葉巻上の胴体の前方部分が空き、円筒状の物体が数体飛び出した。
その合わせて数十の物体は新潟に向けて海面を走った。
新潟市にある新潟海岸には海を走ってきた円筒状の物体が陸の方に観音開きをし、そこからまた何か異様なものを吐き出した。
高さ3メートルはあろうかと思う、灰色の半円をした甲殻類のようなものだった。
個体ごとに特徴があって、細長いものをもって、そこから時折桃色の光線を吐く個体もあれば、前方に銀色の盾らしきものをもっている部類、
全身銀色で、先端がドリルのようにとがっている部類、個体の上にさらに半円形の物体が乗っている者など様々だった。
しかし、上陸した集団は内陸へと動いた。
動いた―――というより、進軍した、という方が近いかもしれない。
戦が始まったのだ。




