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乗っ取り作戦

 相田一佐はフジヤマのブリッジにいた。フジヤマ含めた地球人艦隊は、宇宙の大海を航行中だ。そこへショードファ軍から通信が入った。相手はザースコ少佐である。

 無論秘密通信で、チャマンカ人が乗っている地球人艦隊の旗艦には傍受できないようになっていた。

「今からちょうど30分後、地球のグリニッジ標準時で21時に地球人艦隊旗艦の自爆装置の起動装置を無力化する」

 ちなみにグリニッジ標準時の21時は日本時間の昼12時だ。ザースコを投影したホログラムは、それだけ伝えると消失する。


 灰色の毛皮に包まれたザザッカ中将は、地球人艦隊の旗艦のブリッジの艦長席に座っていた。地球人艦隊は現在、チャマンカ星の軌道上に浮かんでいる。現在旗艦を含めて23隻が存在していた。

 チャマンカ星の首都ズワンカ市の奪回に正規軍は成功したが、未だにそれ以外の地域では、政府側とクーデター派の戦いが続いている。

 ザザッカとしては、その状況を宇宙から見守るしかないが、とりあえずズワンカ市にいる夫と子供が無事だったのは不幸中の幸いだ。

「異常事態発生です」

 ブリッジにいる部下の1人が血相を変えて報告してきた。

「落ち着け。一体、何があった?」

「地球人部隊の各艦と連携している自爆装置の起動装置が突然故障しました」

「戦闘中でもないのに一体どうしたのだ? 至急修理せい」

 ザザッカが、叱りつける。

「大変です。地球人部隊の他の艦が一斉に砲塔をこちらに向けています」

 別の部下が絶叫した。確かに無数のビーム砲が、旗艦の方へ向けられている。まさに四面楚歌だった。地球人達が攻撃体制をとったのは、起動装置の故障を知っていたのだろう。

 地球の毛なし猿共にこんな芸当ができるわけがない。可能なのはテクノロジー馬鹿のショードファ人だ。きゃつらが連携しているのだとザザッカは認識した。

「すぐに反撃せい。ありったけのミサイルとレーザーを、周囲の鑑にぶちこめ!」

「無理です!」

 部下の1人が悲鳴混じりの声をあげた。

「ミサイル発射装置も、ビーム砲も起動しません! シールド発生装置も動きません! この艦は丸裸です!」

 次の瞬間、周囲の艦から放たれた見えない無数のレーザーが、ザザッカのいる旗艦を穴ボコだらけにする。艦は爆発炎上した。

 ザザッカ含めた乗員達は一瞬にして地獄の炎に包まれ、破壊された旗艦と共に宇宙空間に四散する。


 眼前でザザッカ中将の乗る旗艦が撃沈すると、フジヤマのブリッジで一斉に歓声が上がる。艦長席にいる相田一佐は、自分の顔に自然と笑みが浮かぶのに気づく。胸に喜びが広がった。

 この勢いでチャマンカ星を攻撃し、地球の独立を果たすのだ。その時である。艦橋にいる部下の1人が戦慄の混じった大声をあげた。

「何かが艦隊の眼前にワープアウトしてきます!」



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