脳内渋滞
新作です。過去作共々よろしくお願いします。
その朝、目覚めたばかりの俺は、身体に違和感を覚えていた。
だが、寝起きの寝ぼけた頭では、それがなんなのか判然としない。
だから1つ1つ確認していこうと思う。
「あー」
声、甲高い。
でも10歳ならこんなものだろう。
心なしか昨日までよりも、更に高くなっているような気はするけれど。
髪、何故か10cmほど長くなっているんだが?
手、小さくなっているような……。
しかも柔らかい。
胸、撫でても平坦。
男子なら当たり前の洗濯板。
しかし──、
「んっ!」
なんだか、先端が敏感になっているのだが!?
いやいや、まだ慌てる時間ではない。
最後の砦、股間が残っている。
股に手を突っ込んで確認。
……何も無い!?
いや、正確には今まで存在しなかったスリットがある。
何を挿入する為のものなんですかねぇ!?
B-CASカード!?
「オイオイオイオイ。
どうしてこうなった!?」
「兄様、何を騒いでいるの~?」
その時、部屋の扉が勢いよく開け放たれ、今年で7歳になる妹のクレアが飛び込んできた。
しかしクレアは、俺と目が合うと硬直する。
予想外の事態に直面して、どう反応して良いのか分からないようだ。
しかしいつまでも、そのままということはなかった。
クレアは突然身を翻し──、
「母様ーっ!!
知らない女の子がいるーっ!!」
親のところへと走った。
やべぇ……どう説明すればいいんだ、この事態……。
どうやら俺は女の子になってしまったらしいが、これは予想外の事態だ。
どうすればいい?
どうすればいいの!?
考えがまったく纏まらん!
情報が脳内を錯綜して、渋滞しているぅぅぅぅぅぅ!!
もう許容量を、完全にオーバーしているぞ……。
先日、前世を思い出したばかりの俺には、荷が重すぎるんですけど!?
不定期に更新して行きたいと思います。