第11話 受け継がれし者10 生まれ変わっても(通常版)
「私がお父さんと親子の繋がりがなかったら・・・。」
「・・・俺の妻になりたいとか言うんじゃないだろうな・・・。」
「あったりぃ~。」
ヴェアデュラの語り出した言葉を先読みし、その事を告げるとニヤケ顔で応えてくる。何事も押しが大切だと堅く定めて生きている彼女なだけに、親子の繋がりがなかったら大変な事になっていただろう。これは非常に恐ろしすぎる・・・。
「何かその言い方・・・シューム姉さんと同じに聞こえる・・・。」
「ヴェアちゃんならやりそうで怖いわ・・・。」
「シェヴ様の愛娘だしねぇ・・・。」
他の娘達なら大反論する妻達だろうが、ヴェアデュラが孤児で養子縁組をした仲なだけに反論すらしない。むしろ同調気味に近いと言える。
「まあでも、私はミスターT=ザ・レミニッセンスの実の娘ですから。娘として今世に生まれ巡ってきた事には感謝しています。妻は・・・まあ来世にでも・・・。」
「あ~っ、来世なら私もお父さんの奥さんになりたい~っ!」
「それ賛成~!」
「そこは賛同できるぜ・・・。」
「そうだね・・・。」
「・・・このじゃじゃ馬娘め・・・。」
話が飛躍しすぎている。今世ではなく来世の俺の妻を望む娘達。まあ思うだけなら確かに自由だが・・・。
「もし俺が来世は女性で生まれたらどうするね?」
「そこは~私達は男性でしょ~。」
「一夫多妻じゃなく、多夫一妻ですよ~。」
「・・・俺に双子達の母親になれと・・・。」
来世が同じ性別とは限らないとボヤキを入れると、今とは真逆になるとリュアとリュオが語り出す。それに大爆笑しだす妻達。釣られて娘達も大爆笑していた。
「アハハッ・・・貴方は来世も男性決定ね。」
「女は私達で十分よ。それに出産の痛みは耐えられないと思うから。」
「何なんだか・・・。」
今も笑い続けている女性陣。リュアとリュオの言葉がツボに入ったのか、涙を浮かべながら笑い転げている。う~む・・・何ともまあ・・・。
シューム「まあでも・・・これからが本当の戦いよ。何でもいいから笑い続ける事も大切だから。」
ミスターT「笑っていると幸せになっていける、だな。だからこそ笑える環境を作って守っていかなければならない。」
エリシェ「そのための財閥を駆使した戦いですから。」
ようやく笑い終えた女性陣。しかし相当堪えたようで、腹が痛いと苦しんでいる。そんな中で、シュームが語る言葉に俺は付け加えた発言をした。
幸せだから笑えるのではなく、笑っていけば幸せになれるのだ。その環境を作っていくのが、今後の俺達の戦いだろう。
シューム「今後は各方面から色々なオファーが来る事でしょう。それだけ周りに勇気や希望を与えていった何よりの証なのだから。」
ミスターT「常々日々に強き給え、だな。そして今の瞬間を大切に、だわ。」
シューム「恐れるものなんか何もないわよ。」
静かに寄り添ってくるシュームを胸の中の収めた。丁度俺が後ろに座り、彼女が前に座る形になる。そんな俺達を見た娘達は頬を赤くしながらも頷いている。
ミスターT「前にも言ったが、今も言いたい。これからもよろしくな、大切な相棒。」
シューム「もちろんよ、大切な旦那様。」
背面ではあるが、シュームとガッチリ握手を交わす。シュームの意見に従っていれば、全てプラス方向に進んで行く。これは昔も今もこれからも一切変わらない。
そんな俺らの姿に微笑ましい視線を送る妻達や娘達。その視線に気付き目を遣ると、更に顔を赤くしてソッポを向く。そのまま何もなかったかのように、止めていたゲームを再開しだした。その彼女達の姿に小さく笑い合うシュームと俺であった。
この日の一時は、後の原点回帰となっていった。何げないコミュニケーションでも、その人からすれば人生を揺るがすような大きなものとなっていく。過去にエリシェが語っていた事が事実であると痛感した次第である。
戦いは始まったばかりだ。どの様な苦難があろうが、必ず乗り越えて行ってみせる。それができるのが俺達人間なのだから。否、今世に巡ってきた俺達にしかできない誓願でもある。
常々日々に強き給え。少しでも油断すれば、己心の魔に喰われる。
過去に実在した賢人の言葉を、俺なりに言い換えたものだ。今では俺達の共通の合言葉となっている。
誰彼がどうこうじゃない。テメェ自身がどうあるべきか。それが重要である。
俺の大切な恩師、ヴァルシェヴラームが語っていた魂の語句だ。これらを胸に秘め、今後もより一層の努力を積み重ねて行かねば・・・。
まだまだ膝は折れないわ・・・。いや・・・折ってなるものか。この命が燃え尽きるまで、我武者羅に突き進んで行ってみせる。
そう心に堅く決意した一時であった・・・。
第12話へと続く。
何ともまあな感じです@@; ただ、そこに純然な家族愛があるのは間違いありません。当時の流れからして、この様な部分で激励をするしかありませんでしたから。どんな流れでもいい、忘却に至らなければ万々歳でしょう。それ即ち、不老不死の理であると思います。
何にせよ、風来坊の流れは警護者をベースとする各作品とは全く異なる外伝風の感じですね。そもそも、警護者側は言葉を濁せば人殺しの集団とも言えなくもありませんし。それを主軸としている自分も何だかと思いますが、画ける作品の根幹が据わっているので非常に楽であったりと@@;
創生者(執筆者)は一筋縄ではいかない、本当にそう思います。今後も奮起せねば・・・(-∞-)




