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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
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第11話 受け継がれし者4 ムードメーカーと冒険者(通常版)

「お父さん、大丈夫よ。4人ともしっかり未来の抱負を持ってるから。」


 ノートパソコンを操作しながら4人の傍に座るヴェアデュラ。彼女達の姉ではあるが、年齢からして親子にも見て取れる。


「それにその言動は態とでしょ?」

「・・・お前には何時も見抜かれるわな・・・。」

「自分は憎まれ役を演じ、妹達や叔母様達との絆を深ませる。同性だから成し得るという部分もあるけど、本当に損な役割よね。」

「まあな・・・。」


 娘達はもちろん、母親達も知らない俺の心境を語るヴェアデュラ。それに2組の親子は呆気に取られている。ヴェアデュラは俺の娘と言うよりは、俺の妹と言えるべき存在だろう。


「4人ともね、遊びは思いっ切りしなさい。でもお母さんを絶対に困らせない事。特に一番陰から心配しているのは、お父さんの方なんだから。」

「真顔で洗い浚い言うかね・・・。」

「あら、本当は我が娘達が可愛くて仕方がないでしょうに。それでも己の一念を押し殺し、冷たくも厳しく接している。リュアちゃんとリュオちゃんの育児の時が一番顕著じゃない。」


 俺の内情を知った4人の娘達は泣き出している。確かに今まで俺の育児に関しての内情は一切語った事がない。またそれはディルヴェズLKやダークにもしかりだ。長年長女として妹達を面倒見ているヴェアデュラだからこそ、見定めた一念とも言えるだろうな。


「それにね、女を舐めちゃだめよ。外見は困らせようと見せても、陰では人一倍努力しているのだから。」

「私達もお父さんに厳しく躾て貰ったから、今の自分達があるんだよ。だから13年もの間、風来坊として戦い続けて来られた。」

「まだ成人前なんだから、ドンドン遊んでいいと思う。でないと私達みたいに遊びすら体験できない女になっちゃうよ。」


 ヴェアデュラに続き、リュアとリュオまでも乱入して来る。そんな2人の後ろでは、物凄い厳しい眼差しで俺を睨んでいるリュリア。この目線はシュームと同じく、娘達を悲しませるなというものだ。


「・・・悪かった、言い過ぎたよ・・・。」

「じゃないでしょ、ドンドン言っていいのよ。でも一時でもいいから、相手の事を思い遣って接してあげて。」

「でないとナイーブなティルシェヌちゃんとティルシェムちゃん、純真なタークェンちゃんとタークェナちゃんはグレちゃうよ。」

「女をなめちゃあかんぜぃ~。」

「仰る通りにします・・・。」


 ヴェアデュラ達の激励で笑顔を取り戻した4人。特にリュアとリュオのムードメーカー的存在は凄まじく、泣き顔だった4人を一瞬にして笑顔にしてしまうほどだ。


「ごめんなさい・・・。」

「今後は迷惑掛けないようにします・・・。」

「改めて周りに迷惑を掛けていた事を感じました・・・。」

「本当にごめんなさい・・・。」

「お・・俺より母さん達に、ね・・・。」


 改めて謝罪してくるティルシェヌ・ティルシェム・タークェン・タークェナの4人。だがその謝罪先は母親に向けろと語った。それに素直に従い、ディルヴェズLKとダークに謝罪する4人。そんな我が子達を優しく抱きしめる母親達だった。



「マスター・・・あまり女の子を泣かせたら承知しないわよ・・・。」

「い・・以後気を付けます・・・。」


 2組の親子を見つめていると、背後から厳しい発言が飛んできた。俺に抱き付き、軽く首を締め上げてくるリュリアである。


「まあでも・・・そのお節介があるから、今のリュアとリュオがあるんだけどね。」

「父ちゃん最高~っ!」

「いぇ~いっ!」


 リュアとリュオも抱き付いてくる。これで26歳なのだが、まだまだ幼さが残るため妹分と見られても仕方がない。


 まあでも2人の言動は先程の俺に対しての発言の厳しさを慰めようとしているのだろうな。そんな2人を優しく抱きしめてあげた。


「・・・父親は辛いわ・・・。」

「何弱音吐いてるのよ。これから大変になるんだから、覚悟してよね。」

「ハハッ、そうだな・・・。」


 母親の中で一番怖いのはリュリアだろう。それに微笑ましい視線を向ける2組の親子だった。また何げない会話のやり取りでも、見事に原点回帰へと結び付けるヴェアデュラ。遠巻きに俺らを見つめる彼女に、小さく頭を下げた。それに笑顔で応えてくる。



 この時の一件が切っ掛けで、ティルシェヌ・ティルシェムはアミューズメントパークの運営に携わっていくとは誰が予想できようか。


 自分達の趣味にも通じている娯楽をワイフワークに結び付けるという部分は、メルデュラなどのコンピュータースキルの部分と同じであろう。目の前に先駆者が数多くいるのだから、恐れるものなど何もないわな・・・。


 娯楽関係では身内で最強と謳われるほどの強者となっていく。またそれはアミューズメントの関係者からして、男女問わず恋愛の達人と呼ばれるにも至っていく。この双子により、数々のカップルが誕生していくのだから驚きであろう。



 タークェンとタークェナは地元にある有名模型玩具店を運営する事になる。ここのオーナーのおばあちゃんと親しくなり、まるで孫のように可愛がられるようになる。


 俺もヴァルシェヴラームの影響でおばあちゃん子の流れを汲んでいるため、最大限サポートをし続けた。何時の間にかプラモデル作成では右に出るものがいないと表されるほどの凄腕プロモデラーに至るタークェンとタークェナだった。


 まあそれが実現するのは数年後の話ではあるが・・・。



 またリュアとリュオは真面目そうな風格だが、その後は国内や国外を転々とする風来坊となっていく。更に海外ではトレジャーハンターという職業もあり、未踏査の土地などに足を踏み入れて財宝を入手するという職業にも至っていくのだ。


 この2人によって発見された未踏査の地は大々的に発表され、遺跡調査の第一人者という事になっていく。それでいて報酬は最低限しか受け取らないというのだから、リュアとリュオの真の探求心という部分は純粋極まりないだろう。


 こちらも先の2組の双子と同じく、実現するのは数年先になるのだがな・・・。


    第11話・5へと続く。

 娘達の未来図の様子と。ちなみに、タークェンさんとタークェナさんの流れは、自分が実際に大変お世話になった模型店のおばあさんが元ネタです(=∞=) 懐かしいですねU≧∞≦U 自分もプラモ関連は大好きですが、今の自宅の問題で置く場所が・・・@@; よって、タモヤさん製の350分の1の大和と武蔵と伊400を入手するも、組み立てずに保管状態です><; 偶に引っ張り出して中身を見つつ、ニヤニヤしている事がありますが(-∞-)


 ともあれ、風来坊の劇中では、数十年前に大変お世話になった方々などの要素が多く反映されていますね。周りあっての自分自身、今後もそれを絶対に忘れてはならないと心に誓う次第です。

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