第9話 永遠のパートナー2 挙式の開始(キャラ名版)
その他にも久し振りに会う人物達とコミュニケーションを取り合った。各方面で色々と活躍しているとあって、今は充実した時を過ごしているとの事である。
みんな元気そうで何よりだ。その瞬間を大切に、自分自身の生き様を刻んでいって欲しい。まあ愚問だろうけど・・・。
ミスターT「ウエディングドレスは着ないのか。」
ユリコY「今更おめかししたって意味はありませんよ。」
アマギH「タキシード着用などの堪能はセアリムさんの写真館で何時でもできますし。」
結婚式とはいっても、今日この場は婚姻届にサインをして指輪の交換だけだという。衣服の着替えによる催しは一切取らないようだ。現にアマギHとユリコYは普段着のままである。
ミスターT「まあ・・・お前さん達がそうしたいのなら何も言うまいよ。」
アマギH「むしろこっちの方を着たいと思ってます。」
そう言うと2人してバックから衣服を取り出す。それを見て唖然とした。何と全盛期に着用していた、暴走族・躯屡聖堕の特攻服だった。
ユリコY「私達の根本はあくまでも暴走族のままです。今でこそボランティアチームですが、この原点は曲げずにありたいものですよ。」
アマギH「もちろん元に戻るという意味ではありません。暴走族の姿の時が、自分達の本当の有りのままの姿だと確信しています。」
ミスターT「今も躯屡聖堕チームに入会ではなく、入隊と言い切っているのはそれだよな・・・。」
元暴走族のアマギHとユリコY。しかし2人がリーダーとなって運営しているボランティアチームの躯屡聖堕フリーランスは、数々の人道支援を行ってきた。最初は白い目で見られていたが、今は誰もが最強のボランティアチームだと語り認めている程だ。
アマギH「今日という日を迎えられたのは、ミスターTさんのお陰です。」
ユリコY「あの時お節介ながらも手を差し伸べてくれた事により、今日の私達が存在しています。」
アマギH「今日の結婚式は貴方に対しての感謝祭でもあります。その晴れ舞台にユリコYと婚姻を結べる事に、心から感謝しています。」
両者の労いに涙が溢れてくる。覆面の風来坊として地元に戻ってから直ぐに2人との運命的な出会いがあった。あの時先を見据えて行動をした結果が今なのだ。
ミスターT「・・・俺の存在も無駄ではなかったわな・・・。」
アマギH「何を仰います。貴方は私達の大切な恩人であり師匠です。その師恩に報いるのが弟子たる役目。これからもお付き合いして頂きますよ。」
ユリコY「人に尽くしてこそ人を理解できる。あの拘置所での1年間もそうでした。だからこうしてアマギHと一緒になれるのです。ミスターTさんには感謝しています。」
ミスターT「ありがとう・・・。」
徐に2人を抱き寄せ胸に抱いた。それに慌てる両者だが、彼らも最大限の抱擁をしてくる。この2人とその理があれば、今後の躯屡聖堕チームの礎は完璧だ。確信を持って言い切れる。
ヴェアデュラ「ねね、どうこれ?」
その後もアマギHとユリコYと雑談をしていると、ヴェアデュラとウエスト達が訪れる。しかしその出で立ちを見て唖然とした。何とアマギHとユリコYが持っている特攻服と全く同じのを着込んでいるからだ。
ミスターT「阿呆・・・。」
ヴェアデュラ「ひどーい、これは躯屡聖堕チームの正装ですよ。」
サイバー「最初は戸惑いましたが、これを着ると勇気が沸いてくるのです。」
ウエスト「頭の方も冴えてきまして、例のハッキングも簡単に行えましたし。」
エンルイ「流石に表に出て着る勇気はありませんが、こういったイベントでは着たいものです。」
ナッツ「俺達の決意表明とでも言いましょうか。」
ミスターT「何とも・・・。」
ウエスト達が着込む姿は非常に様になっている。4人とも体躯が優れているため、こういった厳つい外見は特に似合っている。しかしヴェアデュラの方は怖い姉ちゃんと化していた。
ヴェアデュラ「そう言えばお父さんの正装は?」
ミスターT「特に拘りを持たなければ、このままでいいよ。」
俺の普段のスタイルは、ロングにズボンにベストにコートの4つだ。そして頭には覆面を着用しての、完全な覆面の風来坊スタイルである。
ヴェアデュラ「その容姿もいいのぉ・・・。」
ミスターT「何だかなぁ・・・。」
男らしさの部分ではアマギH達には到底敵わないが、俺はこのスタイルを一生涯貫き通していきたいものだ。覆面の風来坊はまだまだ終わりではないのだから。
ようやく式場の準備が整ったようだ。色々な旧友や盟友と語り合っているうちに終わったようである。
まるで普通の学業の全体集会のような雰囲気が色濃いが、これはこれでいいのだろうな。型破りな事を続けるのがアマギH達の心情なだけに、このぐらいは普通と取るべきだろう。
特攻服に身を包んだアマギHとユリコY。そして躯屡聖堕チームに所属するメンバー達。端から見れば暴走族の集会のようである・・・。
しかしどの面々も清々しい表情を浮かべている。あの葛西臨海公園で初顔合わせをした時のギラギラした雰囲気は一切ない。己の生命・生き様を十分に楽しんでいるかのようである。
ナツミYU「静粛に。ただ今より、新郎・東山天城氏と新婦・米山由利子氏が婚姻届けにサインを行います。」
ミスターT「相変わらず堅いなぁ・・・。」
スーツ姿のナツミYUがマイク片手に開会の音頭を取り出す。しかし長年からくる性格からして仕方がないのだが、彼女の喋り方は堅物としか言い様がない。それに彼女を知る面々は苦笑いを浮かべている程だ。
ナツミYU「な・・なら・・・貴方が取り仕切って下さい・・・。」
ミスターT「ご用命とあらば・・・。」
俺の言葉に膨れっ面になる彼女。その普段は決して見せない表情に、周りは呆れつつも微笑ましい視線を送っている。彼女からマイクを受け取り、そのまま開会の音頭を取り仕切った。
ミスターT「新郎アマギHと新婦ユリコYの婚姻式を始めます。本来ならば正式な結婚式として盛大に式を挙げたいのですが、2人たっての希望とあり現在の流れになりました。」
シンシア「キスはまだぁ~?」
ウィレナ「アツいディープキッスを希望ぅ~。」
ミスターT「こらそこ、ヤジを飛ばさない。」
こちらを気にしてか、シンシアとウィレナから見事なヤジが飛んでくる。それに間隔空けずに突っ込み返す。この夫婦漫才風な流れは普段のものだ。それに周りは爆笑している。
第9話・3へ続く。
キャラ会話が目立つ同話@@; 逆に詳細描写が激減しているという><; 苦労人との対比が凄まじい感じですね(-∞-) これを詳細描写版にしていくのは、相当骨が折れそうです><;
ともあれ、物語の真髄はこれから始まります。警護者の終盤でも回帰した、大切な存在への一念も同様です。この部分を根幹に据えて書き続けて来ましたので。今後も頑張らねばと思う次第です。