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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
239/280

第8話 決着と決意と6 父親としての役目(通常版)

「しかし条件がある。」


 大喜びする娘達に付け加えだした。それに一瞬にして凍り付く彼女達。でもこれだけは必ず述べねば意味がない。


「俺とは違い女性だ、無理無茶は絶対にしない事。でも、できたら俺と同じ7年ぐらいは戦ってきて欲しい。この遠征を自身の一生の宝として刻んでくれ。」

「当たり前です。途中で投げ出しては、元祖覆面の風来坊の娘とは言い切れません。」

「私達なりの戦いになってしまいますが、理はお父さんと全く同じです。」


 エリムとエリアのみ決意を高らかに示すが、他の娘達はただ頷くだけであった。この部分はエリシェの娘たる血統と言えるのだろうな。流石であろう。


「ならもう何も言うまい。テメェの生き様を、実証を掴んでこい。」

「「了解です、師匠っ!」」


 この瞬間から親子を通り越して、師弟関係になったのだろう。エリムとエリアが俺の事を師匠と叫んでいた。そんな2人を抱き寄せ、優しく頭を撫でてあげた。



 エリムとエリアは三島ジェネカンのアメリカ支社やロシア支社、更にヨーロッパ支社などに修行しに行くとの事だ。更にメアディルのご両親が起業したシェヴィーナ財団にもお世話になるという。


 シュリム・シュリナとラフィカ・ラフィヌは再びイギリスへ行くらしい。ナツミAと共に赴いた際に学んだ、看護士と介護士の徹底的な修行を積みに赴くのだという。


 シェラとシェナは国内を転々として、マンガ家としての力を着けたいとの事だ。マンガ家としての本拠地は東京が中心との事なのだが、各地で精力的に活躍しているユーザーさんとのコミュニケーションを大切にしたいと語っている。


 エシェアとエシェナも国内の保育園や幼稚園を転々としたいと語っている。地元だけでは視野が狭くなるとの事で、地方の風習や育児などを大いに学びたいらしい。


 メルテュアとメルテュナも国内の料理店を修行して回りたいとの事だ。地元のレミセンだけでは視野が狭くなるのは言うまでもない。


 最後はリュアとリュオだ。何と俺と同じく国内を旅したいと言ってきた。覆面の風来坊たる生き様に一番感銘を受けだしている年代なだけに、勉学そっちのけで挑みたいと豪語した。これには止めさせたいと思ったが、この双子を止める術はないだろう。



 エシェラ・ラフィナ・エリシェ・シンシア・シューム・メルデュラ・リュリアの母親達は、我が子の旅立ちに喜ぶと同時に悲しんでもいた。現に数年前にシュームが娘達がいないため、気が気でなくなっていったのが懐かしい記憶だ。


 だがこの修行の旅路も花嫁修業とも言い換えられる。何時かは親元を離れて旅立っていくのだから、このぐらいで悄げていては話にならないだろう。


 ようやく父親としての役目ができたと自負している。彼女達の旅立ちを許可するという部分では、母親にはできない大役でもあろう。そして彼女達の本当の父親なのだと改めて痛感している次第だ。



「お前は地元に残るのか。」

「私まで行ったら、お父さん絶対悲しんで寝込みますよ。」

「こいつめ・・・。」


 悪態つくヴェアデュラの頭を軽くどつく。それに小さく悲鳴を挙げる彼女。しかし俺の事を気に掛けている事は痛烈に理解できる。そのまま彼女の頭を優しく撫でた。


「リュアちゃんとリュオちゃんまで修行に出られるのですから、他の12人の妹達の面倒をみないといけませんし。」

「いずれ12人も旅に出たいとか言い出すだろうなぁ・・・。」

「そりゃあねぇ・・・お父さんの娘ですし。」

「だなぁ・・・。」


 先が思い遣られるといった感じに、ヴェアデュラと同時に溜め息を付いた。それを窺い知って同時に笑ってしまう。


「正式に躯屡聖堕チームの代表取締役を担う事になりましたので、直に日本中を飛び回る事になります。」

「アマギHとユリコYのお墨付きだもんな。真の後継者と言えるわ。」


 挙式を数日後に控えているアマギHとユリコY。その後の格闘術大会に焦点を当てている妻達は大張り切りでもある。


「でも短期間の代表取締役だと思います。私はウエストさん達に継がせたいと思っていますので。」

「そうだな。彼らなら第2のアマギHとして君臨できるだろう。」


 先日の核弾頭事変でもウエスト達は裏方の役割を最大限担い切った。それをアマギH達に評価され、いずれは自分達の後継者にしたいと思っているようである。その繋ぎ役として、長女のヴェアデュラが抜擢されたのだ。


「孤児院の運営は数年後にはナツミAさんとミツキさんが担う事になるでしょう。私はそれぞれの場所のオブザーバーになれれば幸いです。」

「・・・あの赤ん坊がなぁ・・・。」


 ヴェアデュラの成長振りに感動し、自然と涙が溢れてくる。ヴァルシェヴラームに義父を依頼されてから25年が経過した。あの赤ん坊がこのような立派な人物に至るとはな・・・。


「誰が何と言おうが、私はミスターT=ザ・レミニッセンスの実の娘です。声を高らかに言い切りますよ。」

「ありがとな・・・。」


 ヴェアデュラを抱き寄せ胸に抱いた。それに心から甘えてくれる彼女。本当に大きく成長してくれた。心の底から感謝したい。



 娘達の成長に大きな影響を与えられた。俺の生き様である覆面の風来坊を自分達なりに演じたいというものだ。それが14人の娘達の遠征修行だろう。


 何れ後続の12人の娘達も同じように修行に出たいと言い出すに違いない。何たって俺の愛娘達なのだから。


 う~む・・・彼女達の父親でよかったわ・・・。心から感謝したい・・・。


    第3部・第9話へと続く。

 娘達の修行の旅路。筆者は未婚ですが、この思いは分からない感じではあります。ただ、大凡そんな感じであろうという部分を思いつつ、描いたのを思い出しています。と言うも、同作を執筆したのは数十年前ですので。故にキャラ名描写が多く、詳細描写が欠落している次第ですが><;


 これを詳細描写版として大改修するなら、相当な労力が必要になるかと。あと、展開がかなり変わるかも知れません。特に6人の盟友達の合流を早める形にするでしょうし。色々とアーダコーダと考えるも、やる事が多くてテンヤワンヤの今日この頃です(>∞<)

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