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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
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第6話 反転攻勢5 盟友の帰還(キャラ名版)

 雑談を繰り返していると、来店してくる人物があった。そちらに顔を向けると、我が目を疑った。そこには約2年前までは病床にあったナツミAがいたのだ。


ナツミA「マスター、お久し振りです。」

ミスターT「ナツミAなのか・・・。見違えるようになって・・・。」


 初めて自宅で出会った時は、肌は色白で生気がない雰囲気だった。それがどうだろう、今の彼女は凄まじいまでの覇気に包まれている。


ナツミA「イギリスでの生活を開始しだした頃は、思うように動けませんでした。しかしウエストとサイバーをこちらに派遣した辺りから、ようやく動けるようになりまして。」

ミスターT「今では娘達を凌駕するような覇気の持ち主か。見違えたよ。」


 今年20歳になったばかりの彼女。初めて会った時から、肝っ玉の据わりは尋常じゃないと直感していた。それが見事に的中し、今の彼女はシューム達を彷彿とさせる強さである。


ナツミA「ですがまだまだですよ。体調の方もまだ完全とは言えませんので。今後も療養しながら、体力強化を図っていきます。」

ミスターT「大丈夫、お前ならやれるよ。諦めなければ0%にはならないからね。」

ナツミA「フフッ、ミツキと同じ事を仰るのですね。その言葉にどれだけ励まされた事か。」


 とにかく凄いとしか言い様がない。ナツミAの据わりの強さは計り知れず、年上のエリムとエリアが唖然としている程だ。2人も娘達の中では強い部類に入るのに、それすらも追随ができないぐらいのものである。


 ・・・なるほどな。病床の頃は身体を動かせない分、心を強くしていたのだろう。だから身体が本調子になるにつれて、心身一体が成し得ていったのだと思える。


 彼女の場合の努力の在り方は、ヴァルシェヴラームやセルディムカルダートを超えていると断言できよう。でなければこの雰囲気はそう簡単に出せるものではない。



ミスターT「今後はどうするんだい?」

ナツミA「あと1・2年は療養するつもりですが、少しずつ普通の生活に慣れようと思っています。不動産の運営はウエストとサイバーや皆様にお任せしてしまいますが、その分こちらのウェイトレスのお手伝いができればと。」


 カウンターに座るナツミAが語る。その隣にはエリムとエリアがいるが、お淑やかさの部分は遥かに凌駕していた。俺は彼女の隣で紅茶を啜る。煙草は彼女にとって害になると思う。今は我慢しよう。


エシェラ「若さっていいわぁ・・・。」

ナツミA「何を仰いますか。貴方様も心は若々しいではありませんか。マイナス面の考えを抱くと、その分心が老いていってしまいます。常日頃から前向きに、そしてプラス思考こそが若さを保つ秘訣です。」

ミスターT「娘と同じ年代の女の子に説教されるエシェラの図、何ともまぁ・・・。」


 ナツミAに指摘され、恐縮気味になるエシェラ。自分では分かっているつもりなのだろうが、周りに振り回されて愚痴を発してしまう。それが老化を促進させてしまうと断言したのだ。


ナツミA「イギリスでの精密検査で分かったのですが、私とミツキ、それにウエスト・サイバー・ナッツ・エンルイの4人もマスターと同じく老化が訪れない特異体質のようです。それが分かってからは、外見は元より心を若々しく保つ事をしないとダメだと確信しました。」

ミスターT「外見の老化が30代で止まるとは裏腹に、心は老化していくからか。」

ナツミA「その通りです。外見の老化よりも内面の老化が訪れなければ、永遠に若さを保てますよ。マスターが常日頃から皆様に仰っていたじゃないですか。常々日々に強き給えと。そして心こそ大切にと。」


 何度かの電話連絡で、最大限の激励をし続けた。それを今でも原点として胸に刻んでいる。ナツミAの強さはここにあった。


ナツミA「そして何より大切なのが、師匠と共に生き抜く事。ウエストとサイバーから何度もお聞きしました。貴方がシェヴ様の不当な逮捕で死刑に遭われるかも知れないと聞いて、自ら共にあるべきだと乗り込んだではありませんか。普通の凡人なら、まず考えない事だと思います。」


 俺の原点を見定めた発言をする彼女。拘置所にてヴァルシェヴラームと共に約1年間過ごしてきた事を明確に指摘しだした。


ナツミA「師弟と共に、それがどれだけ崇高な事か。私もシェヴ様の噂は聞いていましたが、貴方のような心から師匠を敬愛する存在は知りませんでした。自らの命を投げ打ってまで恩師と共にあるべきだと。貴方は心から尊敬できる方です。その貴方を心から師匠と思える事、これが私の一番の活力であり希望です。」


 不意に涙が流れ出す。ナツミAに俺の生き様を指摘され、感極まって泣き出していた。そんな俺の右手を両手で掴み、そのまま胸に抱きだした。


ナツミA「貴方は自他共に認めていいほどの素晴らしい方です。素晴らしい師匠に恵まれ、その師恩を周りの方々に捧げていく。タブーとされながらも、娘様方を後継者育成にと誕生していった事は素晴らしいと思いますよ。無論、国内情勢からは白い目で見られるでしょう。ですが海外では一夫多妻は現実にあります。絶対に間違っているとは言い切れません。」

エシェラ「まあ・・・いざとなったら海外移住をするけどねぇ・・・。」

ナツミA「フフッ、そこは黙ってでも押し通すですよ。リュア様とリュオ様に何度も語られた語句。そしてマスターの語句も。誰彼がどうこうじゃない、自分自身がどうあるべきか。それが最も重要なのだと。」


 ナツミAの強さは間違いなくヴァルシェヴラームと瓜二つである。セルディムカルダートの心の強さにも当てはまる。姉妹の長所と取れる部分を併せ持った、自分が知る中での最強の女性だわ。


ナツミA「数年後になりますが、勉学をしながら孤児院の運営をできればと思っています。イギリスでも分かりましたが、今後の行動理念は子供達を支える事にあると思いますよ。」

エシェラ「ナツミAさんの仰る通りですよ、心から賛同します。」


 今後の抱負を語りだす彼女。それはヴァルシェヴラームやセルディムカルダートと同じく、孤児院の運営に携わりたいと言ったのだ。それに感動しだすエシェラ。


ナツミA「もちろん孤児を無くすという事も大切です。今現在の世界情勢からして、100%達成できるとは言い切れません。ですが幸いにも私達は大きな力を持っている。これらを全て使い切ってでも、子供達の未来を勝ち取る戦いをすべきです。」

ミスターT「そうだな。お前さんの言う通りだよ。」


 ナツミAの決意と執念は、俺達と何ら変わらないものものだ。むしろ厳しい環境を生きてきたため、自分のような人物を減らそうという決意が伝わってくる。


ナツミA「頑張らないとね。」

ミスターT「ああ。」


 この原点回帰であれば恐れるものなど何もないだろう。既に死闘を潜り抜けてきたのだから。何度も言うが、彼女の肝っ玉の据わりは娘達を遥かに凌駕しているわ。


 ある意味、ナツミAこそが孤児院の覇者や偉大なる母と謳われる存在になるのだろうな。彼女が真の意味で台頭する時を作るために、ヴァルシェヴラームやセルディムカルダートが活躍していたと言える。



 賢人の言葉だが、歴史を築くのは3代目からとも言う。ヴァルシェヴラームから俺達に、そして俺達からナツミA達に受け継がれていく。この流れは揺ぎ無いものだろう。


 ますます頑張らねばならないわ。ナツミA達が動き出すその時まで、俺の命を懸けてでも守り通し支えねば・・・。


    第3部・第7話へと続く。

 今となっては叶わぬ願い。帰ってきて欲しかったという一念。あれから13年(正確には14年)が経過したのには驚きです。同時に、この風来坊の執筆開始から14年が経過した訳ですが。彼らの分まで生き抜かねばと思う今日この頃です。


 改めて、1ヶ月振りです><; いよいよ大御所の再来と@@b 警護者・探索者ではメインメンバーの1人が帰還。自分が知る中で、1・2位を争うぐらいの女傑ですので。同時にストッパーでもありますが@@;


 ともあれ、ここから一気に物語は佳境に入っていきます。風来坊は本編全てが完遂しているので、後はアップさせて頂く形になります><; 拙い作品ですが、よろしくお願い致しますm(_ _)m


 余談ですが、今日でまた歳を取りましたわ(-∞-)

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