第6話 反転攻勢1 総意の逆襲(キャラ名版)
東京拘置所に半ば居座ってから数週間後。情勢は急展開を見せていった。俺も牢屋に入ったという事を知った盟友や親友達が大激怒しだした。
特に日本中に展開する躯屡聖堕チームが暴れだし、フルプレとフルエンの2社に対して徹底抗戦をしだしたのである。
それに躯屡聖堕チームの参謀とも言えるユリコYも捕まっていると知ると、爆発的に反撃を開始しだしたのだ。
先ず彼らがしだしたのは、フルプレとフルエンの株を大量買い占めである。株取り引きの事は詳しくないが、これにより2社の勢いが低下していったとか何とか。
更に三島ジェネカン・平西財閥・安堂不動産・シェヴィーナ財団の4社が改めて提携する。これにより2社を遥かに超える大企業連合が誕生した。言わばこれは地球上最大最強の大企業連合だ。決して過言ではない。
そして次に始めたのは、フルプレとフルエンの完全買収である。無論愚者の集まりである2社を買収した所で、獅子身中の虫となってしまう。この場合は2社を買収するといった形を見せて、実の所は完全解体を行おうというものだ。
一見すると2社と同じような邪道に走っているように見えるが、2社による被害はここ半年で超が付くほど悪化していた。
誰かが打開してくれると思っていたようで、その矢先に周りが動き出した。これに世論は諸手を挙げて大歓迎してくれた事が唯一の救いだろう。それだけフルプレとフルエンの暴君さながらの行動には、充分苦汁を飲まされていたという証拠だ。
この反転攻勢を開始してから直ぐに結果が出始めた事に、エリシェやシューム達は呆気に取られていたという。もっと早くに行動していればと嘆いていたようだが、早ければ早いだけこちらが痛い目を見ていただろう。
時が熟成して初めて開花する。それが痛烈に感じれたと思える。それにヴァルシェヴラームやユリコY、そして俺が捕まったとあれば反撃しない訳がない。
嫌な言い方だが、敵を欺くには味方からとも言える。結果的にいい方向へ向かうのなら、俺は憎まれ役だろうが何だろうが演じ切ってみせるわ。
ミスターT「しっかり観察しないとダメだよ。」
衛生員「はっ、以後気を付けます。」
俺達が昼食を取っている時、持病の発作で倒れた囚人がいた。そこに直ぐさま駆け付け、介抱したのだ。ラフィナやシュームの影響で、俺も軽い看護や介護はできるに至っている。ヴァルシェヴラームとユリコYは役割方、こういった看護や介護はお手の物であった。
幸いにも大事には至らず、衛生員達に担架で運ばれていく囚人。相手が誰であろうが、苦悩していれば手を差し伸べる。これがヴァルシェヴラーム流の生き様だ。
俺がここに居座ってから、2人と同じように周りの囚人達と対話を重ねた。彼らも心から罪人という事ではない。それに至った社会や環境に原因があるのだから。
そして彼らを変革していってこそ、間違っていった社会や環境が変化していく。その第一歩が対話なのである。これもヴァルシェヴラーム流の生き様の1つである。
とにかく彼らの心の不安を取り除こうと、徹底的に対話を繰り返し続けた。1対1の対話こそ、本当の平和な世の中を築き上げる手段だろう。
ミスターT「緑が少なすぎるわ。もう少し草花を多くすれば、心が安らぎ再犯防止に至ると思う。」
ウインド「了解です。」
囚人に面会をするために、警察庁長官自らが訪れる場面は仰天する。特に監督側は驚愕しているという。だがウインドとダークHが自ら進んで動いているのだ。これに難癖は付けられないだろう。
ヴァルシェヴラーム「なるほどねぇ。君の超強い殺気と闘気を直に受けたのだから、覚醒するのは当たり前かな。」
見違えるように強くも優しくなったウインドとダークH。その原因ともなった例の一件に、ヴァルシェヴラームは納得していた。俺の殺気と闘気を受けた女性は、例外なく凄まじい力を手に入れているのだから。
ダークH「今まで悲観的に思っていた事が一切なくなったのです。マスターから当てられた殺気と闘気が、私達のあやふやだった一念を吹き飛ばしてくれたかのようで。」
ヴァルシェヴラーム「君の素直という巨大な台風がやってきて、貴方達の固定概念という傘を吹き飛ばしたという事ね。」
ウインド「恐れ多いです、私達がまだまだ未熟だという事ですから。」
畏まる姿も以前にはないものだ。ウインドとダークHも一騎当千の女傑に成長したと言える。まあ上には上がいるのだが・・・。
ミスターT「ふむ・・・。後はジェリヴァとアビゲイルの2人がどう出るか、か・・・。」
今となっては拘置所にいる事もないのだが、変な意味でここが気に入ってしまった俺達。こう言っては大変失礼なのだが、苦悩を続ける人達を支える場としては打って付けの場所でもある。この場が今の俺達の戦場であろう。
ウインド「企業的には最早、力は一切ありません。エリシェさんやシュームさんが2社を潰した事により、彼らの力は無いに等しいですから。」
ダークH「しかし手負いの獣ほど恐ろしいものはありません。2人の逮捕を以て、今回の騒動の終結を宣言したいものです。」
ミスターT「この場こそ、奴等に相応しい場所だろうな。」
俺達が相談に乗る事で、今まで以上に活気を見せ出している拘置所内。なかなか人の心を揺さ振る対話は難しいが、相手の立場に立ちつつ想い合って動くからこそ通じるのだろう。
ミスターT「とにかく、奴等が動き出したら俺達も動く。その時は出られるように手配してくれ。」
ダークH「フフッ、何時でもここから出れるのに。」
ウインド「マスターも物好きです。」
ミスターT「ハハッ、違いない。」
今では俺達がいる牢屋は鍵が掛かっていない。何時でも出れる状態にあるのだが、それでもこの場に居座っている。先も語ったが、今現在の戦場はこの場なのだから。
躯屡聖堕チームが先陣を切り、三島ジェネカン・平西財閥・安堂不動産・シェヴィーナ財団が追撃する現在。その彼らの陣頭指揮を取っているのが、セルディムカルダート。もう1人の偉大な母である。
特に今までの怒りを曝け出しているのか、ヴァルシェヴラームの時よりも迅速かつ凄まじい戦いを展開していた。
孤児院の魔王の異名は伊達ではない、それが痛感できると周りは口を揃えて語っていた。正しく戦乙女そのものだろう。
第6話・2へ続く。
1ヶ月振りですm(_ _)m 同話劇中を配置(アップ準備)の際、ウインドさんとダークHさんの据わり様が警護者や探索者でのデフォルト性格な感じになっていますね。それまでは本当に一般の警察官の雰囲気から脱却できていませんでしたし。
苦労人はメインメンバーが数人しか登場しないため除外しますが、警護者と探索者では風来坊の最終時の性格などが反映されています。最終戦仕様(←エヴァ量産機・最終戦仕様がネタ、懐かしい@@;)と言うべきか@@; まあ既に定まっている=据わっている状態をベースとするなら、そこから物凄い展開(発展?)になりそうですし。
ともあれ、風来坊は最後まで突っ走れる現本がありますが、警護者・探索者・苦労人は今も1~2話分しかできていません><; モチベーションアップに至らず、悪戦苦闘している次第で@@; 頑張らねば・・・(-∞-)