第1話 風来坊1(キャラ名版)
探索者と警護者の本家本元となる作品です。一部バトルがありますが、無敵などはありません@@; 13年前から5年以上掛けて完成させた作品を、そのまま掲載させて頂きますm(_ _)m
トラックの荷台で揺られる、そうして長い事旅を続けてきた。当てもなく旅を続ける。その先に何かがある事を信じて進んできた。
俺の名はミスターT、セカンドネームはザ・レミニッセンス。周りからは俺の行動に原点を感じるという事からこの名前にした。
それに鼻から額を覆う覆面、これが俺のトレードマーク。特に変に思われる事もない。それ以上な顔立ちの人物も数多い。それに比べたらまだまだ許せるものだろう。つまり罷り通ってしまうという事だ。
旅を始めたのは20歳の時、それから7年間日本中を飛び回った。資金が尽きれば旅先で稼ぎながら動く。
本来は世界へと目を向けるべきだろうが、そこまで肝っ玉が据わっている訳ではない。俺が動ける範囲は国内だけだ。
それに現状がどうあれ、俺はこの島国こそが故郷だからな。
ミスターT「ありがとう、助かったよ。これは生活の足しにしてくれ。」
運転手「こんなに貰っちまっていいのか?」
手渡した金額は3万円丁度。これで今現在の資金源は2万円となった。稼ぎ場を探さねばマズいな。
ミスターT「トラック野郎には敬意を表したい。俺の生き様の原点にもなってるから。」
運転手「そうか、分かった。ありがたく受け取るよ。」
ミスターT「道中気を付けて。呉々も無理無茶しないように。」
運転手「分かってらぁ、あんたも気を付けなよ。」
そう語るとトラックを走らせる運転手。本当にトラック野郎はいい。気前の良さと男臭さ、まあトラック野郎こそのものだろうが。
俺はトラックを見送った後、スポーツバックを肩に背負い歩き出す。目的など特に持たず自由に歩き続ける。それがこの7年間のスタイルだ。
とはいうものの参った。7年振りに東京へ戻ったはいいが、帰る場所は既にない。
旅立つ前に住居だったアパートは撤去、家財道具なども一切売り払っている。手持ちであるものは大型自動二輪免許と大型自動車免許・牽引免許、そして古物商許可証ぐらいなもの。
この旅をしながら取得した免許だが、資金調達ぐらいでしか活躍する機会がない。身分証明にはなるが、国内では働く時だけしか使わない。殆ど時下談判で交渉して勝ち取っている。その時は決まって人の良さを挙げられるが、俺は本当に人が良いのだろうか。謎だ・・・。
とりあえず先ずは腹ごしらえか。今日は菓子パンで済ませたから、流石に腹が減っている。
マスター「いらっしゃい。」
ミスターT「こんちわ、焼肉定食を。」
こじんまりとした喫茶店に入る。以前何度も通ったレストランに似ているが、ここはここでレトロ調の雰囲気がいい味を出している。
カウンターに座って煙草を吸いながら待つ。と女子学生3人が入店してくる。丁度室内の中央の席に座った。年代的に2年か3年か。
女子学生1「でさぁ~、中止になったのよ~。」
女子学生2「そんなぐらいで中止になるのかね~。」
雰囲気で分かる。今時の突発的なコギャルに近いが、根は真面目な性格と。特にその中で1人目立った女の子が、凄まじいまでに大人しい。2人に付き合っているといった感じか。
マスター「今日は忙しいねぇ~。まあ金曜だから仕方がないか。」
ミスターT「何時も金曜はこんなもんで?」
マスター「普段も忙しいさ。ここは女子高と大学が近いとあって、学生が大勢来るからね。」
なるほど、だから客に学生が目立つのか。普通ならサラリーマンなどが多いはずだ。それに喫茶店に学生が入れる自体が珍しい。大体は学校側からダメだと言われるのだが。
ミスターT「注文聞いてこようか?」
マスター「おっ、わりぃ。手が離せないんだ、頼むよ。」
厨房で1人料理と格闘するマスター。これではお冷とおしぼりを持っていく余裕もない。以前レストランで働いていた事もあったから、進んでウェイター役を買って出た。俺も何だ、お人よしと言えばそれまでだが。何とも・・・。
ミスターT「いらっしゃい、注文は何にするかい?」
トレイにお冷とおしぼりを3つ乗せ、女子学生3人の所へ向かう。相変わらずきゃいきゃい騒ぐ彼女達。しかし周りを気にしているようで、それなりの控えはしているようだ。
女子学生2「あ~、私グラタン~。ターリュは?」
ターリュ「ミュックと同じでいいよ~。エシェラさんはどうする~?」
エシェラ「私はサンドイッチで。」
ミスターT「OK、もうちょっと待ってね。」
この2人はターリュとミュックというのか。双子でしかも金髪ときた。どうやら染めている訳ではなく、素の髪の色のようだ。そして大人しい子がエシェラ。青色の髪の毛とまた、何と言うか珍しすぎる・・・。
まあ何はともあれ、女性はいいものだねぇ。ニヤケこそはしないが、見ていて心が安らぐ。癒しの存在だというのは間違いない。
注文を聞いてマスターに伝える。それを手際良く作り出した。他の料理は俺が3人に聞きに言っている間に届けたようで、既になくなっている。
マスター「ところで君、どこかの学生さんかい?」
ミスターT「もう27だよ。高卒の後に働き出した。」
マスター「ほ~、今もどっかで働いてるのか?」
ミスターT「いや、20の時に旅に出てさ。今さっき東京に戻ってきた。」
俺はマスターに風来坊の事を告げた。7年間旅先で経験した事などを簡単に語る。それに興味津々と聞いている彼。
マスター「へぇ~、旅か~。7年もあると色々と見てきただろう?」
ミスターT「国内だけさ。流石に海外までいく気はないよ。転々としながら働いて、そしてまた動くの連続で。」
マスター「すげぇな・・・。」
顔で驚きながらも手を休めない。流石マスター、これで1人でやってのける技量もまた凄い。こういった喫茶店のマスターには非常に憧れる。
マスター「また旅に出ちまうのかい?」
ミスターT「いや、旅は当分いいよ。見つけられるものを見つけてきたから。」
マスター「極めの胸中か、なかなかなれるもんじゃないけどなぁ~。」
意味深に語るマスター。それだけ修羅場を潜っている証拠だろう。流石は年の功だ。この仕草には素直に感銘する。
ミスターT「故郷には敵わないよ。それが見つかっただけでも凄いと思うけどね。」
マスター「まあ確かになぁ。」
ようやく完成した焼肉定食が出てくる。カウンター越しなので、直ぐに手渡してくれた。そして次の料理へと取り掛かっていく。
マスター「なぁ君、ここで働いてみないか?」
焼肉定食を平らげて一服をした。久し振りに落ち着いた食事を食べてられたのは嬉しい限りである。そんな中、マスターが声を掛けてくる。どうやら俺をスカウトしたいらしい。
ミスターT「それは願ったり叶ったりだけど。」
マスター「さっきの子達とのやり取り、あれはウェイターをやった事がなければできないさ。」
あの一瞬のやり取りを見て、俺の過去の経験を察知するとは。流石としか言いようがない。このマスターはかなりのやり手だ・・・。
ミスターT「ならお願いするよ。俺はミスターT=ザ・レミニッセンス、よろしく。」
マスター「凄い名前だな。」
ミスターT「マスターは?」
マスター「俺はトーマス=カードウェリオ。こう見えてもシークレットサービスやってたんだぜ。」
ミスターT「凄いな・・・。」
何で元シークレットサービスが喫茶店のマスターなのか、う~む・・・疑問だ。まあ雰囲気からトーマスCはかなりの強者だというのは分かる。
ミスターT「何時頃から働けばいい?」
トーマスC「何時でもいいよ。風来坊という性格は、一度浸かると抜けられないものだ。1つの場所に縛られると、ストレスでぶっ倒れるからさ。」
ミスターT「何か凄いな・・・。」
トーマスC「俺の友人の何人かが風来坊でね。臨時で雇ったりしたんだけど、見事にぶっ倒れてさ。それで縛るのは懲りたよ。」
なるほど。友人に風来坊がいるから、俺の性格も分かってくれるのか。というか別に1つに縛られるのは気にはしないが、落ち着かなくなるのは確かにある。これも自由奔放に生きて来たツケなのだろう。
トーマスC「よし、グラタン2つとサンドイッチできたから頼むわ。」
ミスターT「了解。」
完成した料理をトレイに乗せて3人の元へと運んだ。しかし・・・覆面を被ったウェイター、何だか異様だ。
相変わらず会話しているが、完全に浮いているエシェラが可哀想でもある。でも表情は暗くはなく、この2人の勢いに付いて行くのがやっとという具合だろう。
ミスターT「お待たせ。ターリュ君とミュック君がグラタンで、エシェラ君がサンドイッチだね。」
ターリュ「すご~い、何時私の名前覚えたの~?」
ミスターT「さっき話してたでしょうに。はい、どうぞ。」
それぞれの食事を手渡していく。満面の笑みを浮かべて料理を見る様は、まだまだ子供だと思ってしまう。こんな事を言ったら張り倒されるだろうな・・・。
ミュック「ありがと~。」
エシェラ「ありがとうございます。」
ミスターT「ゆっくり食べなよ。」
ターリュ&ミュック「あ~いっ!」
とにかくどこまでも元気な2人だ、逆に勇気を貰っちまう。お転婆娘タイプ間違いなしだ。エシェラも笑顔で頭を下げている。彼女はお嬢様タイプだろうな。
カウンターの端にあるテレビを見ながら一服する。ここ最近テレビは見ていないので、どの番組も様変わりしている。
その最中思った。雇われるなら、しっかりとした応対はしないといけない。一応マスターに聞いた方がいいか。
ミスターT「履歴書を書いて面接も受けた方がいいかね?」
トーマスC「なに堅苦しい事言ってるんだ、そんなのないない。気に入ったら誰でも採用するさ。それがここの流儀だよ。」
ミスターT「・・・了解、よろしくお願いします。」
トーマスC「気兼ねなく動いてくれよ~。」
本当に頭が下がる。7年振りに東京に帰ってきて草々、嬉しい限りだ。それだけ俺の事を理解してくれたという事だろう。まあ悪い事も多々あったが、色々な人に恵まれてきたのも事実。誠意ある対応は万事に通ずる、正しくその通りだろう。
ターリュ「あ~、時間だ~。」
ミュック「悪い~エシェラさん~、あとおねが~い。」
エシェラ「分かりました、気を付けてね。」
持って行って数分もしないうちにターリュとミュックが慌ただしく出て行く。本当にこの手の女の子は強すぎる。まあその2人に順応しているエシェラも凄いが。対する彼女は落ち着いてサンドイッチを頬張っている。落ち着いた仕草は、正しくお嬢様そのものだろう。俺と目が合うと、そそくさげに視線を逃がす。可愛いものだ。
第1話・2へ続く。
何時もお世話様です、バガボンドです。3作品目を投稿させて頂きましたm(_ _)m 全てにおいて至らない所がありますが、お楽しみになれれば幸いですU≧∞≦U
今回も、キャラクターの台詞の前に「キャラクターネーム」を付けて書いているため、誰がどの台詞か混乱するかも知れません><;(自分も今も混乱しています) 何卒、ご了承の程をお願い致しますm(_ _)m