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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
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第4話 不意の逆襲5 癒しの添い寝(キャラ名版)

 修羅場と化したコンピュータールームだが、シュームの登場で落ち着きを取り戻した。俺の暗黒面を改めて窺った周りは、こちらの何げない行動でビクッと震えてしまっている。その彼女達に精一杯の笑顔で応えると、自然と落ち着きを取り戻していった。


 しかし俺の顔を見るや否や、笑い出してしまう彼女達。覆面をした人物が両鼻に塵紙を詰め止血しているのだ。笑い出してしまうのは言うまでもない。



 その後、ウインドとダークHを労う。俺の言動で失禁までしてしまったのだから、衣服の洗濯をして入浴で身体を流して貰った。付き添いでシュームも入浴してサポートして貰っている。


 あの浴槽に3人入るのは厳しいが、意外と広いので何とかなるだろう。それに非は俺の方にあるのだからな・・・。


 ちなみに俺も衣服を着替えた。2人が失禁で汚れた衣服で俺に抱きついていたため、就寝用のパジャマを纏っている。また今いるのは2階ではなく3階だ。




ダークH「上がりました。」

ウインド「サッパリしました。」


 3階の浴室で入浴を終えた3人が出てくる。衣服がまだ乾かないウインドとダークHは、シュームの下着と衣服を身に纏っている。シューム本人は自前を着用だ。そしてリュリアとシュームは2階へと引き上げていく。おそらく2人に気を利かせたのだろう。


 俺はというとソファーに寝っころがり、今も鼻に詰め物をして仰向けで休んでいた。先程の一撃はかなり強烈だったようである。


ミスターT「大丈夫か?」

ウインド「お陰様で。」

ダークH「色々とご心配をお掛けしました。」


 深々と頭を下げだしたウインドとダークHを見て、慌てて起き上がろうとする。しかし朦朧としていた頭は直ぐには回復せず、そのまま床に落ちてしまった。これには頭を下げていた2人が一番驚き、咄嗟に俺の身体を支えだしている。


ミスターT「悪いな・・・まだ頭の方は完全じゃないみたいだ・・・。」

ダークH「もう・・・これ以上心配を掛けさせないで下さい・・・。」

ウインド「マスターにご迷惑をお掛けしたのは事実なのですから・・・。」


 俺の上半身をウインドが、下半身をダークHが抱きかかえる。そのままソファーに戻そうとしたが、何かを思ったのかそのまま寝室の方に運んでいく。これには驚いた・・・。



 俺をソファーではなくベッドにしっかりと寝かし付けるウインドとダークH。すると右隣にウインドが、左隣にダークHが抱き付いて来る。これには更に焦るが、その経緯は何となく読めてきた。


ミスターT「明日出勤だろうに・・・、こんな所で油売ってどうするんだよ・・・。」

ウインド「本庁の方はリュリアさんとディルヴェズLKさんが引き受けてくれるそうです。」

ダークH「先程の入浴時にシュームさんから貴方と一緒に寝なさいと言われまして・・・。」


 予感は的中した。入浴時にシュームから催促を受けたのだと。そうでなければ奥手の2人が大胆な行動に出る筈がない。彼女に背中を押して貰ったため、この行動に出たのだろうから。


ダークH「恐れ多かったのですが、今回の一件の是非は貴方にあると仰られまして・・・。」

ウインド「今夜は貴方に甘えなさいと・・・。」

ミスターT「ハハッ、シュームなら言いそうだわ・・・。」


 シュームなりの癒しの労いなのだろう。あれだけの恐怖を与えてしまったのだ、俺にも2人を癒す責任はある。それにウインドとダークHも俺に好意を抱いてくれている。これが最大限の労いとも言えるだろう。


 左右にいる2人を両手で優しく抱き寄せ、静かに胸に頭を乗せた。すると抱き枕に抱きつくかのように、身体を絡ませてくる。


ウインド「何だか・・・皆さんに悪いですよね・・・。」

ミスターT「もう言われ慣れたよ。」

ダークH「でも・・・本当に落ち着きます・・・。」


 俺を師匠と言い切る2人故に、このように近くで寄り添う事は考えもしなかっただろう。それだけに心の内の想いは凄まじいほどに高まっている筈だ。


ダークH「でも・・・改めてマスターのお力を思い知りました。特にそれが怒りに身を任せた状態であれば、あの格闘術大会以上の殺気と闘気が出ていましたから。」

ウインド「それに何だか心の迷いすらも吹き飛ばして頂いた気がします。」

ミスターT「ああ、それはシュームやリュリアがよく言ってる。その後は例外なく凄まじく据わった心が手に入るとも言っていたわ。」


 俺の言葉にウインドとダークHはウンウン頷いている。今はまだ恐怖の部分が残っていると思うが、それが収まれば2人にも凄まじい据わった心が目覚めるはずである。



 それから俺達は沈黙する。既に時刻は午後10時を回っており、先程の一件で数時間経過していた。2人を気遣ってくれてか、他の女性陣は一切寝室に入ってこない。


 今夜はウインドとダークHと一緒に寝る事になるか。それが俺のせめてもの詫びであろう。



ミスターT「本当にごめんな・・・。」


 どれだけ経っただろうか。胸の中で余韻に浸る2人を見て、自然と詫びだした。時が経てば経つほど罪悪感が大きく募ってくる。


ウインド「何を仰いますか。先程マスターが仰った通り、この一件は薄々は起きるだろうと把握していました。惰性に流されていたのは私達の方です。」

ダークH「ここにはマスターに謝罪しに来たのです。直後にお叱りを受けたのには驚きましたが、貴方がお怒りになられるのは十分理解できますから。」


 2人同時に俺を見つめて、それぞれ詫びだした。先程の一件は俺の方に非があるというのに。それでも2人の方はまるで自分が悪いように語り続けた。


ダークH「それに・・・感謝しています。あの激昂は私達への激励とも取れます。そしてシェヴ先輩を心から慕っていらっしゃる事が痛感できました。」

ウインド「流石先輩の息子さんです。そして永遠の師弟です。師匠のために弟子が奮起する、これがどれだけ素晴らしい事か。」


 俺は無意識に2人を強く抱き締める。先程シュームが語っていた、ウインドとダークHは全て分かっていると。それが今語った事に繋がる。


 ヴァルシェヴラームの直系の弟子である2人、理をしっかりと受け継いでいるのだから。


ウインド「とりあえず表の方はお任せを。私達にできる事は何でもする覚悟ですので。」

ダークH「心中の怒りは貴方と同じです。必ずシェヴ先輩を助けましょう。」

ミスターT「ああ、分かった。よろしく頼むよ。」


 ゆっくりと起き上がると、俺を支えようとするウインドとダークH。その彼女達に口づけをそれぞれにしてあげた。今回の一件の詫びも踏まえ、濃厚な長い口づけをする。



ミスターT「俺にできる詫びはこのぐらいだ、勘弁してくれ。」


 濃厚な口づけにより放心状態の2人。そんな2人を再び抱きかかえ、ゆっくりと横になる。放心状態でも俺に抱き付く所はしっかりしているわ・・・。


ミスターT「これからが勝負だよな・・・。」


 色々な意味を込めて語ると、静かに頷くウインドとダークH。その2人の頭を優しく撫でて、ゆっくり瞳を閉じる。2人の温もりに急激に眠気が襲いだし、そのまま夢の中に吸い込まれていった。




 翌日起床するとウインドとダークHの姿はなかった。シュームの話によると、エラい据わりを見せだしたという。あの激昂も結果的には不安定だった2人を不動のものにしたと言えるのだろうな。そう考えると昨日の一件は間違いではなかったという事になるかな。


 しかし2人の部外者たる美女と一夜を共にしたためか、周りの妻達からは殺気に満ちた瞳で睨まれ続けている。嫉妬感を抱いてくれるのは嬉しいが、こちらの身にもなって欲しいものだわ・・・。


 ともあれ、俺も原点回帰はできた。後は彼女達と共に不当に逮捕されたヴァルシェヴラームを助ける事が最優先である。そして2社に対して反転攻勢をする時も今だろう。


    第4話・6へ続く。

 添い寝の一撃?@@; 何とも(=∞=) ただ、この時からミスターT君の理不尽・不条理への激昂が出だしたのは。以後の覆面シリーズでも、大切な存在への対応は壮絶なものになっていきますし。まあガキっぽい部分は否めませんが><;


 一応、探索者の方はあと数百字で金曜日分の更新は確保できそうです><; ただ、ほぼ間に合わせ的な感じで進めているので、おかしな描写があったりしますが・・・(-∞-) 小説の構成は本当に難しいですわ><;

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