第3話 強力な助っ人3 13人目の相棒(通常版)
評価とブックマーク登録、ありがとうございます><; 滅茶苦茶嬉しいですU≧∞≦U 風来坊の方は他の3作品とは異なり、物凄い染みで拙いため、あまり評価は高くないと思っていました><; 本当にありがとうございますm(_ _)m
それから数週間後、劇的な事が起こった。トーマスRが語ったメアデュナの両親が、日本にもシェヴィーナ財団を発てたのだ。
今はメアデュナの姉が日本支社を取り仕切っているようだが、何れメアデュナ本人が日本支社を任せられる事になりそうだ。
こうなるとトーマスRが動きやすくなるだろう。国内でのシェヴィーナ財団を守りつつ、地元での警察官として活躍できるのだから。
まあ未来は予測不可能だ。実際にそこに至るかまでは推測するしかない。しかし2人なら確実に実現するだろうな。
余談だが、シェヴィーナ財団と聞くとヒッチハイクの風来坊の娘を思い出す。実際に関係していると思われるが、はたして・・・。
何となくだが、懐かしい再会ができそうだ・・・。
「今日お会いになるそうで?」
「ああ、直接ここに来るそうだよ。」
更に数週間後、メアデュナと彼女の姉が本店レミセンに訪れるとの事だ。既に恋仲にまで発展しているトーマスRの面倒を見ている事から、そのお礼を言いたいというのだ。彼は彼で努力しているのだから、気にする必要はないのだがな・・・。
「もう時期定年退職か。」
「そうですね。でも退職してもOBとして活躍するつもりです。シェヴ様のような高齢になっても、現役であり続けたいので。」
「流石俺の妻と豪語するだけはある。お前の夫となれて幸せだよ。」
今は12人の女性達を面と向かって妻達だと言い切れる自分がある。端から見れば法律違反と言えるだろうが、そこは今も結婚をしないでいる事を貫いている。
だからといって罷り通るものではないが、ここは押し通すに尽きるだろう。現に周りからは羨ましがられるほどの夫婦愛と家族愛を維持し続けているのだから。
「・・・貴方と共にある事が、私の何よりの幸せです・・・。」
「それは子供達全員が独立してから言ってくれ・・・。」
「フフッ、そうでしたね。」
感動の色を出すリヴュアスだが、油断はするなと付け加えた。それに小さくだが申し訳なさそうに謝る彼女。トモミの娘達がまだ0歳なだけに、彼女達が18歳近くになるまでは油断はできない。この時ヴェアデュラは42歳か・・・。何という家族構成だろうか・・・。
「お連れしました。」
厨房はリヴュアスが担当し、俺はウェイターを担当する本店レミセン。しかしフルプレとフルエンの2社が妨害工作を行ったため、客足は古参のお客さん以外は殆ど来ない。
そこにトーマスRが訪れた。傍らには2人の女性が一緒である。その中の一際背が高い女性には見覚えがあった。
「・・・やっぱりな、姉はメアディルだったか・・・。」
「あっ・・・ミスターTさんっ!」
リヴュアスと同じ長身の巨女メアディル。まさか彼女がメアデュナの姉だったとは・・・。これも本当に不思議な縁だろうな。
立ち話も何だと、3人をカウンターに座らせた。リヴュアスに厨房を任せっ切りにして、俺もカウンター側に座って応対する。もちろんウェイター役もあるので、カウンターでの待機は必須であるが。
「なるほど、アメリカ遠征時に仰っていたヒッチハイカーはメアディル様でしたか。」
「はい。以前自分を見つめ直す旅と思い、大陸横断のヒッチハイクを行いました。その時にミスターTさんのグローブライナーに乗せて頂いた事がありまして。」
リヴュアスやメアディルが語る通り、彼女と知り合ったのはヒッチハイクでの出来事だ。メアディル自身が自分を見つめ直す旅と称してヒッチハイクを始め、その時に偶然にも俺と出会ったという経緯がある。幼いながらも風来坊の風格が色濃く出ている。
「ミスターTさんの生き様には感銘しました。己にできる事を生きているうちに成し遂げ続けるのだと。私があやふやでヒッチハイクをした事に対しても、自分も7年間風来坊の旅路を続けていたと慰めもしてくれましたし。」
「マスターらしいですね。」
メアディルはアメリカ人の血筋が濃いからか、日本人とは異なる容姿である。しかし幼少の頃から日本人学校に通っていたため、俺らと違和感なく日本語を語り合えるのだ。
「姉さんも自分の生き様を刻むのだと、アメリカ本土から日本への進出を決めました。無論父や母のご助力があってのものですが、進出するという発想に関しては両親も驚愕する程ですから。」
「ふむ・・・。まあいいんじゃないか。メアデュナもトーマスRの地元で一緒に過ごせるんだからさ。」
「あ・・はい・・・そうですね。」
相方の事を告げると照れ臭そうにはにかむメアデュナ。この雰囲気からトーマスRとは相思相愛だという事が痛感できる。まるでトーマスSとメルアを彷彿とさせるようだ。
「トーマスR君、メアデュナを頼むよ。」
「お任せを。一度決めたら徹底的に突っ走るのが自分の性分ですから。」
両親ではないが、姉という家族にも了承を得たという事で大喜びをするメアデュナ。それだけトーマスRが好きなのだ。この純粋無垢な恋路を見ていると、過去の俺達を見ている気がしてならない。
和気藹々と語るトーマスRとメアデュナ。その2人を頬笑ましそうに見つめるメアディル。その彼女を見ながら一服していると、ふと年齢が脳裏を過ぎった。
「メアディルさ、お前今年で30だっけ?」
「はい、それが何か?」
「マスター・・・女性に年齢を聞くのは失礼ですよ。」
「大丈夫です、私は特に気にしていませんから。」
すんなり歳は聞けたが、リヴュアスから猛烈に叱られる。異性に対して年齢を聞くのは殆どタブーであるからだ。そんな彼女にメアディルが構わないと語る。彼女はこういった変な暗黙の了解を気にしないようだ。
「ヴェアデュラが今年24だから、6歳年上か。それでも本当に若々しい。とても30代には見えないよな・・・。」
メアディルの体格はメルデュラやリヴュアスと同じく巨女である。しかも2人とは異なり、かなり鍛え上げられていた。服の上からでもその筋肉質を窺う事ができる。
「・・・また色目使いですか・・・。」
「言うと思った・・・。」
間隔空けずにリヴュアスからヤジが飛んでくる。メアディルの身体を見ていたため、それに対してヤキモチを妬きだしたのだ。
「フフッ、リヴュアスさんはミスターTさんがお好きなのですね。」
「好きも何も、非公認の夫婦だけどね。」
「それもお聞きしています。一夫多妻になりますが、周りから羨ましがられる程の夫婦愛や家族愛を醸し出していると。その限りない優しさは、今の世の中には必要なものだと確信しています。」
「そう言ってくれると心が安らぐよ。」
夫婦愛と家族愛を労われると、その度に心が安らぐ。一応は吹っ切れた形ではあるが、世間体からは異常なものなのは変わりない。
第3話・4へ続く。
13人目の相棒の登場(=∞=) その後の展開はお察し下さい、となりますが><; まあでも、彼女が第3部の諸々の立役者になりますので。そして、その後の展開にも必須の人物ですし。
とにもかくにも、淵源は盟友達に捧げる同作。描写こそ拙いですが、当時の自分が書き綴った作品です。大改修すれば更に見栄えが良くなると思いますが、今は原本のままアップさせて頂きますねm(_ _)m