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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
173/280

第2話 脅威の存在6 原点回帰・後編(通常版)

 ブックマーク登録、ありがとうございますm(_ _)m 風来坊側は、物凄く久し振りな感じです><; 他の覆面作品と比べると詳細描写が少ないため、非常に拙い作品に見えてしまっています><; 大変申し訳ないですm(_ _)m


 同作も大改修できれば最高なんですが、今はまだ見通しが立っていません><; うーむ、本当に悩ましい(-∞-)

 ウエストとサイバーの案内で社長室に向かった。室内に入室すると、社長室に似合わない医療器具が立ち並んでいる。


 そして応接間の端にあるベッドに横たわる女性。こちらに気付くと重い身体をゆっくりと起こしてきた。



「ようこそ、ナツミ=アンドウと申します。病弱な身体故に失礼な格好ですが、ご了承を。」


 胸が締め付けられる思いになる。目は燦然と輝いているが、身体は色白く痩せ細っている。長年病床にあるが故の代償と言えるのだろうか・・・。


「妹のミツキ=アンドウと申します。姉の身近なお世話をしています。」

「リヴュアス=ザ・レミニッセンスです。こちらは夫のミスターTと申します。」

「よろしく、お嬢さん方。」


 現状が現状なだけに口説き文句が一切出て来ない。相手が異性なら自然と出てくるのだが。それに過去に風来坊で旅をしていた時、臨時で介護に関する仕事を請け負った事がある。その当時の状況が脳裏を過ぎり出していた。


「フルプレとフルエンの2社から、回収を受けそうになっていると伺いましたが?」

「はい。発端は国内の子会社から回収を受けました。家族のウエスト・サイバー・ナッツ・エンルイが阻止に走りましたが、相手の勢力が強く一進一退を繰り返しています。」

「今の所は大丈夫のようですね。」


 平西財閥の例と全く同じだ。先ずは傘下となる子会社から回収を開始し、そして一気に本社を乗っ取りに掛かる。ユキナ達の場合はエリシェやラフィナの助けにより事なきを得たが。


「こちらはウエストさん達のお力で持ち応えていますが、今以上の回収を受ければ潰されるのは目に見えていますし・・・。」

「そこは俺達に任せて下さい。三島ジェネカンや躯屡聖堕チームの力で何とかします。」

「・・・お言葉に甘えさせてもよろしいのですか?」

「三島ジェネカンの総括エリシェや、躯屡聖堕チームの総括アマギHも自分と同じ事を必ず言います。今の自分達の使命は出来得る限りの平和な世界の確立です。恩師の悲願である世界から孤児を無くすという信念にも十分当てはまりますから。」


 ヴァルシェヴラームの世界から孤児を無くすという大願。これは世界平和とは若干異なるが、未来の大切な子供達を助けるという事が世界平和に繋がるとも言える。俺も彼女の信念と執念に同調し、こうやってオブザーバーを行っているのだから。


「・・・分かりました。お言葉に甘えさせて頂きます。」

「よかったわぅ!」


 深々と頭を下げるナツミA。その姿を見てホッと胸を撫で下ろす俺とリヴュアス。しかし傍らにいるミツキが場違いな喋り方をしだした。これに一瞬にして場が凍り付く。


「・・・ご・・ごめんなさい・・・。」

「ミツキは普段から語末に“わぅ”を付けるクセがありまして。気が抜くと何時もこうなる次第で・・・。」

「ま・・まあ可愛いからいいのでは・・・。」

「ありがとわぅ!」


 子供の様な目でこちらを見つめてくるミツキ。リュアやリュオよりも幼く感じるが、それでも瞳は怖ろしく据わっている。ターリュとミュックにリュアとリュオを掛け合わせた感じとも。



 簡単な会話を終えて社長室を出る。少し苦しそうな表情を浮かべだしたので、途中で切り上げて引き上げた。


「聞きそびれたんだが、ナツミA嬢の病名は?」

「いいえ、病気ではありません。幼少の頃から身体が弱い体質でして、殆ど寝た切りの生活が続いています。」


 う~む、ナツミAの症状は病気とは言い難いものか。ガンや心臓病などの重度な病気なら、それなりの手術を受けねば延命できないが・・・。


「静養だけに集中すれば、今よりは回復は早くなると思いますが。何分不動産を運営するに当たって、彼女そのものが必要ですから。」

「ふむ・・・。」


 やはり今は回復を優先させた方が彼女にとって得策だろうな。かといって社長業務が疎かになると、安堂不動産自体が2社に回収される可能性がある。



「う~む・・・一時的に安堂不動産そのものを三島ジェネカンに回収できないか?」

「ここを・・・ですか・・・。」

「ナツミA嬢に完全な静養が必要なら、今担っている業務がなくなればいい。彼女自身の存在が会社全体の存亡に関わっているのなら、直接会社を完全回収すれば今は降りる事ができるから。まあこれは一時的暫定処置で、彼女が復活したら元に戻そうと思う。」

「なるほど・・・。」


 ナツミAを社長業務から遠ざける方法は、会社そのものを回収すれば可能になる。傘下という話ではなく、安堂不動産を三島ジェネカンに完全回収させるのだ。


 まあこれはナツミAが完全回復するまでの暫定処置だ。実際に回収するつもりはない。彼女の体調が完全に回復すれば、元の流れに戻すのだから。


「ナツミAさんが完璧とは言えなくても、今より自由に動けるまでの暫定処置ですね。」

「今の国内ではマスコミが五月蝿いだろうから、アメリカかイギリス辺りで静養する形がいいかも知れない。それに三島ジェネカンは世界中に支社があるから、バックアップは完璧だろう。」

「分かりました、ナツミAさんに相談してみます。」


 平西財閥が今の戦いのキーパーソンのように、安堂不動産もキーパーソンだと確信している。ナツミAには大変悪いが、今は完治の方を優先して貰うしかない。




 正門玄関でウエストとサイバーに見送られて、俺とリヴュアスは本店レミセンに戻った。今後の流れは不透明な部分が多いが、今はナツミAの完治も大切だろう。


 こんな状況と知っていながら、回収沙汰に発展させているフルプレとフルエンの2社だ。間違いなく日本はおろか全世界の災厄となる存在だな。



 俺に出来る事は三島ジェネカン・躯屡聖堕チーム・平西財閥・安堂不動産と共に、この2社と徹底抗戦をするのみだ。負ければ今以上に最悪な世の中になってしまう。


 何が何でも勝たねば・・・。全ての人の幸せも懸かった戦いなのだから・・・。


    第3部・第3話へと続く。

 ナツミA嬢の元となった“ご本人”は、劇中では病弱という形ですが、実際にはもっと重い病状でした。本来なら留めておくべきものでしょうけど、「忘却ほど恐ろしいものはない」と痛感させられたので、どんな形であれ語り継ごうと決意した次第です。


 リアルでは本当に無念の流れでしたが、覆面シリーズでは常に姉妹と共にあり、常に四天王と共に、常に6人姉妹兄弟(兄弟姉妹)と共に、を貫いている形です。これは覆面シリーズの基礎となるので、今後も曲げずに貫いて行きますよ。彼らの分まで頑張らねばね。

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