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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
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第2話 脅威の存在5 原点回帰・前編(通常版)

 大満足といった表情のシューム。本店レミセンに帰宅した後、その変わり様に周りから驚きの声も挙がっている。珍しくヤキモチを妬かない他の女性陣にも驚いたが、まあシュームの内在する不安などの強さを理解するためだろう。


 今もアマギHがウェイターで活躍している。俺より10歳ぐらい年下の彼が、まるで20代のような出で立ちを醸し出している。訪れた女性のお客さんは必ずと言っていいほど顔を赤くしていた。



 そんな中、不意に携帯が鳴り響く。持っていた携帯を上着のポケットから取り出し応対をした。相手はウインドからだった。


 長話になりそうだったので、店舗から2階へと上がっていく。そこにはシンシアがマンガ家として奮闘中であり、迷惑にならないように端の方で会話を続けた。


 ウインドの話し方からして、少々問題が起きているようである・・・。




「・・・何かあったのですか?」


 ようやく連絡を終えて溜め息を付くと、傍らにシュームとメルデュラが座っていた。何時の間にと思ったが、それだけ電話に対して真剣な会話をしていたのだろう。


「平西財閥は知ってるよね。その財閥のスポンサーの1つに、安堂不動産という日本一の不動産屋があるんだが。フルプレとフルエンに乗っ取りを掛けられたそうだ。」

「安堂不動産っと。」


 今では小さな移動に関してもノートパソコンを持ち歩くメルデュラ。パソコンを起動させて安堂不動産を検索しだした。


「日本一の不動産屋が回収されたとなれば、幾ら土地の所有権が私達にあったとしても回収される可能性がありますよね。」

「ああ、奴等ならやりかねないな・・・。」


 5年前の企業間戦争では新型インフルエンザを助長させるような悪道をした2社だ。今回も人々を苦しめて楽しんでいるのだろう。阿呆な存在だ・・・。


「見つかりました。安堂不動産、日本を代表する不動産屋。今現在は2人の姉妹が運営を行っているようですが、姉の方が病気がちで捗っていないそうです。」

「そこをフルプレとフルエンに目を付けられたか・・・。」


 社長に位置付けられる姉の方がダウンしている所を狙う、か・・・。この情報網の広さは敵ながら天晴れと言うしかないな。


「・・・あら、安堂不動産のメインオフィスは地元にあるようですよ。」

「灯台下暗しか・・・。」


 更に検索をしていくメルデュラが、安堂不動産の所在を発見したようだ。しかも俺達が住む地元にメインオフィスを構えているという。完全に灯台下暗しだわ・・・。


「直接赴くかね。」

「私の方は他にも調べてみます。シュームさん、お手伝い願えますか?」

「分かったわ。」

「役職の関係上、リヴュアスにご足労して貰うか。」


 本格的に調査という事で、メルデュラとシュームはサーバーマシンがある場所へと移動する。この2階の一角はコンピュータールームかと思うぐらいに、かなりのパソコンが並んでいた。言わば本店レミセンには高性能な頭脳があると言っていいだろう。



 調べものは2人に任せ、俺は1階に戻りリヴュアスに理由を告げる。するとアマギHが厨房とウェイターを担ってくれると語ってくれた。


 アマギHとユリコYも調理師免許を持っており、こういった非常時には活躍できるよう心懸けていた。しかも彼らの作る手料理は若者に大絶賛されているという。


 あの躯屡聖堕リーダーの彼が喫茶店のマスターか。臨機応変に応じれる部分は、流石日本一のボランティアチームを引っ張るだけの存在とも言える。



 再び正装を纏ったリヴュアスと共に外出した。今回は地元とあり、移動はサイドカーでの行動となった。安堂不動産のメインオフィスの所在地は、メルデュラを通して携帯に送るようにして貰っている。


 しかし・・・社長がダウンしている隙を突いての乗っ取りか・・・。この間違った先見性の力は計り知れないわ・・・。




 驚く事に安堂不動産のメインオフィスはナツミYUが運営していた総合学園の裏にあった。これも灯台下暗しと言えるだろう・・・。


 しかも驚くのは社長の名前、ナツミYUと同じ名前なのだ。う~む・・・見事な一致とも言えるだろうな・・・。



 ちなみにオフィスへのアポは移動中にリヴュアスが行ってくれた。過去に受付嬢を担っていただけに、その話術力はかなり高い。


 リヴュアスの存在は、家族内で社交に向いた存在と言えるだろう。地元で只管に警察官を担ってきただけに、コミュニケーションの力は凄まじいわ。




「・・・本当に灯台下暗しだわ・・・。」


 総合学園の裏手に6階建てのビルが存在していた。これが安堂不動産のメインオフィスだ。日本一の不動産屋の本社がここにあるとは、本当に驚きだわ・・・。


「エリシェ様も薄々は気に掛けていらっしゃったそうですよ。資金援助などを行っていたそうですが、直接回収に至るとは思っても見なかったようで。」

「今からでも遅くないから、足元を固める事をするか・・・。」


 三島ジェネカンに関しては日本よりは世界中に支社が存在する。むしろ海外の方が勢力図は大きいとも言えるだろう。ちなみに現在はエリシェの妹2人が海外支部を纏め上げており、エリシェとラフィナが国内の運営に携わっている。



「ようこそリヴュアス様。サブリーダーのウエスト=マーヴェラスと申します。こちらは同じサブリーダーのサイバー=グロリアスです。」

「よろしくお願いします。」

「リヴュアス=ハーズダント・・・いえ、リヴュアス=ザ・レミニッセンスと申します。こちらは夫のミスターTです。」

「よろしく、ウエスト君・サイバー君。」


 若い・・・。ウエストとサイバーの出で立ちはライディル達と同じレスラークラスだが、顔が実に若々しい。それに雰囲気からして、まだ30代だろうか。この若さで国内の不動産業を牽引もしているのだろうな。


 しかし・・・リヴュアスが言い直したフルネームには驚いた。自分のセカンドネームであるハーズダントを語らず、俺のセカンドネームのザ・レミニッセンスを語ったのだから。まあ確かに今となっては夫婦と豪語しても何ら問題はないが・・・。


    第2話・6へ続く。

 ザ・レミニッセンス。風来坊は、第3部に至って初めて初心に帰る、という形ですわ。漸く、メインメンバーたる6人が登場するので。他の覆面シリーズでは、冒頭から登場したり名前が挙がったりしていますが、風来坊はその真逆となりますし。ともあれ、漸く本線の流れに至って行く感じです。


 余談ですが、風来坊の当初はミツキ嬢の言動は確定的ではなかったため、普通の女性像にワンコロ属性が追加された形でした@@; それが今では昇格し、他の覆面シリーズではあの様相となっています><; まあ可愛いので良いのですがね(何(=∞=)

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