第2話 脅威の存在3 反撃を模索する(キャラ名版)
ウインド「あっ、師匠っ!」
ダークH「お久し振りですっ!」
長官室に入るや否や、俺の顔を見たウインドとダークHが大慌てして敬礼をしだす。曲がりなりにも日本警察のトップを預かる身分なのに、この仕草に呆気を取られてしまう。
ミスターT「まだそのクセ直らないな、何時もの可愛らしい姿が俺好みなんだけどね。」
ウインド「もうっ・・・。」
ダークH「師匠ったら・・・。」
頑なな雰囲気を崩すのなら、ユーモアな言葉が一番だろう。特に相手が女性の場合は口説き文句の方が遥かに特効薬である。ウインドとダークHも顔を赤くしながらも、実に嬉しそうな雰囲気になっていった。
リヴュアス「・・・マスター・・・。」
ミスターT「うっ・・・わ・・悪かった・・・。」
そして定番なのが愛妻に殺気に満ちた雰囲気で叱られるのだ。嫉妬心丸出しなのは分かるが、彼女達の雰囲気は震え上がるほどに怖い・・・。
そんな俺とリヴュアスのやり取りに、ウインドとダークHは小さく微笑んでいた。
仕切り直して2人に訪れた理由を告げる。そして手持ちの資料を手渡した。またリヴュアスが大机にあるパソコンにUSBメモリを接続し、詳しい資料を表示させていく。
用紙に印刷された資料を凝視するウインドとダークH。そしてモニターに表示された資料にも凝視し続ける2人。
ミスターT「お前達が今扱っている一件はリュリアから聞いたよ。フルプレとフルエンの2社によるほぼ破壊工作に近い事の処理だと。」
ウインド「はい。5年前のウイルスの一件から、表立って動き出しましたから。」
ダークH「今は小規模の企業を手当たり次第に回収し続けています。このままでは企業の殆どが2社の傘下になり、企業間バランスが完全に崩れてしまいます。」
ウインドとダークHも頭を悩ませている。フルプレとフルエンの2社の無差別回収行動は、日に日にエスカレートしていっているのだから。
ミスターT「ここへの直接的な影響はないのか?」
ウインド「こちらは今の所大丈夫そうです。本来の運営ならお偉方が恐れて媚びるでしょうけど、トーマスCさんやライディルさん達は絶対に媚びませんし。かく言う私達も同じです。」
ダークH「企業間戦争と言っても、殆どは人間対人間の戦いです。それに後半は心理戦に近くなっていますので。」
ミスターT「ふむ・・・ユキナが言っていた、心理戦とはこの事か・・・。」
本来なら表立って動きたいのが実状だろう。しかし警察機構トップにいる現在、無謀な行動は自らの首を締める行為に繋がりかねない。
ここは相手との行動を見定め、後手で行動するしかないのだろうな。
ウインド「とにかく、これ以上悪化させないためにも徹底抗戦をする覚悟です。」
ダークH「調停役の警察機構が表立って動くのは問題があります。しかし一番被害を受けるのは国民の方々・・・いや、世界中の方々ですから。」
ミスターT「俺の方もオブザーバーではあるが、それなりに動いてみせるよ。それに今でも覆面の風来坊だ。この一念、そう簡単に崩させてたまるか。」
改めて俺の決意を語る。それに力強く頷くウインドとダークH。これはもう日本国内の話ではなくなりつつあろう。俺にできる事は何でもしなければな・・・。
ウインドとダークHとの会合を終えて帰路に着いた。帰りはリヴュアスがグローブライナーを運転してくれている。俺は助手席にて今後の行動を考えた。
警察機構は調停者役故に表立った行動はできないのが実状だ。ウインドとダークHもその事に怒りを露にしていた。
こうなると頼れるのは企業の力以外にない。ここはエリシェ達とアマギH達の力を大いに活用する以外に、活路は到底見出せないだろう。
ミスターT「・・・キーパーソンは平西財閥か・・・。」
リヴュアス「リヴュミナとリヴュミヌを救って頂きましたよね。」
ミスターT「そうだな・・・。」
ウイルス事変では平西財閥の力がなければ、更に悪化の一途を辿っていただろう。それだけユキナ達の力が未知数とも言えた。どこに特効薬的な力が備わっているのかは不明だが、現状打開のカギは彼女達が握っているのは確かだ。
ミスターT「まあ、悪い言い方だが相手がボロを出すのを待つしかない。」
リヴュアス「そうですよね。決定的な付け入る隙が現れれば、それが間違いなく突破口になりますので。」
ミスターT「何時でも動けるようにしつつ、自分らの役目を果たそうかね。」
リヴュアス「了解です。」
リヴュアスと共に次なる決意を固める。とは言うものの、目の前の戦いを超えるのが俺達の絶対的な自由とされる行動でもある。
それすらも奪おうとするかも知れないフルプレとフルエンの2社には断固対抗せねば・・・。
本店レミセンへと戻った俺とリヴュアス。グローブライナーは遠方の駐車場へ止めてある。あれだけの巨体を道路に長時間止めでもしたら、間違いなく駐車違反の切符を切られるわ。
しかも身内のリュリア・ディルヴェズLK・リヴュアスからも切られる可能性も十分ある。おいそれ下手な行動ができないのも実状であった。
シューム「何か嫌だねぇ・・・後手に回るのは。」
ミスターT「我武者羅に動いているように見えて、物凄い慎重派だからなぁ・・・。」
アマギH「メンバーも痺れを切らせそうで参ってますよ。」
本店レミセンに戻ると、カウンターにアマギHがいた。その隣ではシュームが一服をしている。厨房は今もトモミだが、カウンターにいた娘達はいなかった。リヴュアスは3階へと戻り、着替えを済ませるようだ。
トモミ「乗り込めれば一番手っ取り早いんですけどね。」
アマギH「そうですよね。でも役割の手前、暴走気味の行動は自らの首を絞めかねませんし。」
トモミ「待つしかありませんかね・・・。」
出来上がった料理をカウンターに置く。それをお客さんに運んでいくアマギH。今では完全に丸くなった彼は、レストランにいるウェイターそのものだ。自然的な行動は彼が今までに会得してきた経験から成すものだろう。
リヴュアス「トモミ様、交代します。」
トモミ「あ、はい。ありがとうございます。」
暫くして着替えを済ませたリヴュアスが降りて来る。本店レミセンは自由な交代制で運営しており、こういった交代場面がしょっちゅう起きている。
交代したトモミはそのまま3階へと上がって行く。今年出産したばかりの身体故に、あまり無理無茶はできないだろう。
シューム「トモミちゃんも綺麗になったよねぇ。」
アマギH「そうですよね。やはりママさんになるのは、より一層美しさに磨きが掛かるのでしょう。出産は女性の集大成に近いでしょうから。」
誰彼にも敬語を貫くアマギH。全盛期の彼では考えられなかったものである。しかしそれ故に紳士的な人物として、より一層人気が高まっている。
ミスターT「お前さんは結婚しないのか?」
アマギH「う~ん・・・まだ考えていませんよ。それよりも今が大変ですし、それどころじゃないのが実状ですから。」
知人の中でアマギHとユリコYだけ結婚していない。ユキヤとウィン、ユキヤNとウィンNは既に結婚している。ディルヴェズとヴァルラームもしかりである。他のレミセンを担当する女傑達も同じであった。
シューム「ならさ、今回の戦いが終わったらアマギHちゃんの結婚式をしましょうよ。」
ミスターT「いいねそれ。もう50代に近いんだから、結婚はすべきだよ。」
アマギH「う~ん・・・ユリコYが望むかどうか・・・。」
リヴュアス「長年伴侶のようにお付き合いしているのですよ。貴方からのプロポーズなら、喜んでお受けすると思います。」
ユリコYの心情を察するアマギHだが、シュームとリヴュアスは結婚しろと語っている。俺達は現実の関係上、結婚は無理であるが彼らは異なる。あれだけ持ちつ持たれつを貫いている2人なのだから、その集大成たる結婚はするべきだと思う。
アマギH「・・・分かりました、今夜聞いてみます。」
シュームとリヴュアスの熱の篭った誘いに、渋々折れた形のアマギH。しかし彼自身、何れ訪れる事だと思っていたらしい。言葉に不安さはあるものの、どことなく嬉しそうな雰囲気である。
シューム「もう一度、ウェディングドレス着たいわぁ・・・。」
ミスターT「それは何時でも叶えてあげるが、先ずはアマギHとユリコYの件を優先させないと。」
シューム「そうねぇ・・・。」
アマギHとユリコYの件よりも、シューム自身はウェディングドレスを着たい一念が強いようである。家族内で一番思い出を大切にする彼女なだけに、その瞬間の一時を誰よりも大切にしているのだから。
そんな思いを巡らせていると、厨房にいるリヴュアスが小さく目配せをしてくる。その瞬間は今しかない、その思いが込められていた。
ミスターT「シューム、ご足労願うよ。」
シューム「あ、はい。」
アマギH「ウェイターは任せて下さい。」
リヴュアスの計らいに感謝し、アマギHにウェイターを任せて本店レミセンを後にした。いきなりの誘いに戸惑うシュームだが、俺と2人きりで行動できる事自体が嬉しいようだ。
第2話・4へ続く。
パートナーあっての間柄、でしょうね。風来坊は誰かしらと結ばれているケースが多いので。他の覆面シリーズとは全く異なりますし。まあ、詳細描写がない分、拙い作品に見えてしまっていますが(>∞<)
ちなみに、第3話辺りで、彼らが登場します。他の覆面シリーズでは、開始冒頭から参戦していますが、風来坊は最後の最後で参戦という形だったので。もし風来坊を大改修するなら、まず間違いなく彼らが先に登場するでしょう@@b ただそうすると、娘達が登場できなくなる恐れがありますが・・・><; 悩ましい@@;