第2話 脅威の存在2 諸悪の根源(キャラ名版)
メルデュラ「あら・・・面白い情報を見つけましたよ。」
メルデュラはパソコンと格闘中。俺はリヴュアスと共にプリントアウトされた資料を纏め続けた。その中でメルデュラが何かを見つけたようである。リヴュアスと共にモニターの方を見つめた。
ミスターT「あらま・・・ゼラエルじゃないか。それにベロガヅィーブにスカーレットも。」
リヴュアス「あの元指名手配犯ですか。」
ミスターT「何でまたフルプレとフルエンの検索で引っ掛かったんだ?」
モニターを見つめていると、別のモニターを見つめ操作するメルデュラ。そこに映し出された資料を見せてくれた。
メルデュラ「どうやら3人はフルプレとフルエンの資金提供を受けていたようです。というより2社に雇われていたと言った方がよろしいかと。」
ミスターT「う~む・・・奴等がそれなりに動けていたのはこの理由か。」
躯屡聖堕チームと関与していたゼラエル、そしてライディル達を陰から陥れようとしていたベロガヅィーブ。スカーレットの格闘術大会乱入の動向は不明だが、前者2人の動向は妨害工作と言えるだろう。
リヴュアス「躯屡聖堕チームを潰そうとして、ゼラエルを送り込んだ。そしてライディル先輩達を失脚させるために、ベロガヅィーブを送り込んだと。」
ミスターT「スカーレットはさておき、ゼラエルとベロガヅィーブの2人は間違いなく妨害工作だ。それに今の躯屡聖堕チームとライディルチームの力を考えると、先を見通して潰しに掛かったのか。」
メルデュラ「怖ろしく切れますね・・・。」
ただ単に無差別企業回収やウイルス事変を行っただけではなかったようだ。あのフルプレとフルエンの2社はそれよりも前に先見性がある部分を潰しに掛かっていたのだ。これはもう脅威としか言い様がない。
メルデュラ「スカーレットの件はマスター達を潰そうと計画したのでしょうね。残念ながら返り討ちに遭いましたけど。」
リヴュアス「しかしゼラエルとベロガヅィーブの件は、間違いなく善側に成長する要素を摘み取ろうと画策した。これはかなり危険な企業ですよ。」
警察官であるリヴュアスはまだしも、警察関連には未タッチのメルデュラも驚いている。それが大々的に動き出したのだ、脅威の何ものでもない。
ミスターT「とりあえず資料を複数に分けてくれ。それにこのデータのコピーを頼む。改めて本庁に駆け合った方がよさそうだ。」
メルデュラ「了解です。」
早速資料の複製を作り出すメルデュラ。またUSBメモリーにこのデータをコピーしていく。事の大きさにリヴュアスも慌てだし、急ぎ寝室へと向かっていった。おそらく正装に着替えるためだろう。
俺の方もコピー作業中にタキシードへ着替える。本庁へ赴く際は、やはり正装の方が正しいだろう。普段着の方が気が楽なのだがねぇ・・・。
データのコピーを終えたメルデュラ。それらを受け取り、1階の本店レミセンへと向かう。喫茶店ではトモミが厨房を、シュームがウェイトレスを担当している。そのシュームの傍らには、生まれたばかりのトモミの双子の娘がいた。
ミスターT「悪い、本庁へ行ってくる。後を頼むよ。」
トモミ「あ・・はい、お任せを。」
俺の雰囲気を察知したのか、トモミとシュームの表情が何時になく厳しい。それに後から下りてきたリヴュアス。その正装の出で立ちにも驚いていた。
シューム「何か大事でも?」
ミスターT「そうなるかも知れない。詳しくは後で話すよ。」
シューム「分かったわ。ここは私が命懸けで守るから。」
ミスターT「大袈裟だなぁ・・・。」
曲がったネクタイを締め直してくれるシュームが語る。彼女のそれなりの決意の現れだが、こちらの雰囲気を察知しての言葉だろう。まあこの地域には躯屡聖堕チームの本拠地がある。いざとなったら彼らの力を借りるのがいいだろうな。
シューム「マスターをお願いしますね。」
リヴュアス「お任せを。お姉様は娘達をお願いします。」
俺より緊張しているリヴュアス。その彼女の両肩に手を置き、優しく揉みだすシューム。それに安堵した表情を浮かべるリヴュアスだった。
というか背丈が20cmも離れているため、多少無理しての肩揉みではあるが・・・。
本店レミセンを出ると、少し遠方にある駐車場へと向かう。今回の同乗者はリヴュアス。彼女が楽に乗れる乗り物がいいだろう。という事でグローブライナーを使う事にした。
あまり乗りはしないが、定期的な走行とメンテナンスは欠かさず行っている。それに意外にもディルヴェズLKが車両のメンテナンススキルを持っているため、彼女と一緒に調整を行ってもいた。
ディルヴェズLKと出会ったのが、彼女のバイクの故障だ。それが気になっていたのか、全てのバイクと牽引までの車両のメンテナンスをできるように修行したらしい。
今では直せない単車や一般車両はないと言う。ターリュとミュックの父、トーマスSも驚愕する程のスキルとの事だ。
しかしまあ・・・身内の多岐に渡るスキルは実に凄まじいものだな。やはり日々努力する女性の姿は、俺ら野郎も十分に学ばねばならない。
時代は女性の時代、か。26年前辺りから思っていた事が事実となったと言えよう。そんな世の中に俺の娘達が役立ってくれる事を大いに期待している。
数時間後、本庁へと到着する。グローブライナーは正門警備の警察官に誘導され、一番端の駐車スペースに停車させた。
そのまま中へと入る際、一応身分証明などを提示した。俺の出で立ちは今も覆面のオッサン故に必要なものだろう。
リヴュアスは警察バッジを見せるだけで通った。というか警備役の警察官が緊張して敬礼をしている事に驚いた。彼女も今ではトップクラスの人物なのだろうから。
リュリア「あら、お兄さん。」
ミスターT「よう。」
リヴュアスを先頭に長官室まで案内される中、警察服に身を包んだリュリアと遭遇した。自宅での雰囲気は一切なく、強面のベテラン警察官の雰囲気が色濃く出ている。手に持つ資料の多さから、何らかの処理をしているのだろう。
ミスターT「ウインドとダークHは長官室だよね?」
リュリア「はい。例の回収企業2社による被害の対応に追われています。」
ミスターT「ここまで酷くなってるのか・・・。」
日本警察のトップが対応に追われるぐらいだ、この一件は間違いなく大きなものとなろう。ますます油断はできないな・・・。
リュリア「私も行きましょうか?」
ミスターT「ああ、大丈夫。お前はお前の戦いをしてくれ。」
リュリア「フフッ、了解です。」
俺の言葉に小さく微笑むリュリア。そのまま別の部屋へと向かっていく。その幾分か表情が堅いのが気になり、無意識に労いの行動をしだしてしまう。
ミスターT「言い忘れた。正装のお前も可愛いよ。」
リュリア「なっ・・・い・・今は勘弁して下さいっ!」
労いの言葉は口説きの言葉にもなってしまうのは俺の性だ。それに顔を赤くして焦るリュリアだが、堅苦しかった表情と雰囲気が一瞬にして消え失せていた。
そのままそそくさげに雑務をこなしていくリュリア。しかし労いをする前とした後では雰囲気が全く異なっていた。
リヴュアス「流石ですね・・・。」
リュリアの後姿を見守っていると、背後からリヴュアスの声がした。それに寒けが走る。ゆっくりと彼女の方を向くと、案の定殺気に満ちた表情を浮かべていた。
ミスターT「・・・ここまでヤキモチ妬かれるとなぁ・・・。」
リヴュアス「半分はヤキモチです。でももう半分は憧れの一念です。リュリア様の雰囲気が一瞬で変わりましたから。貴方でしかできない業物でしょうね。」
俺のした事にも理解を示してくれていた。リュリアの場合は内面の不安などが外面に色濃く出てしまう。故にそれを静めねば周りにも迷惑を掛けてしまうだろう。
ミスターT「お前も十分可愛いよ。ワイルドウーマンさながらだが、女性としての姿もある。」
リヴュアス「も・・もうっ・・・。」
間隔空けずにリヴュアスにも労いをすると、リュリアと同じく顔を赤くしてしまう。しかし彼女にも取り巻いていた頑なな雰囲気が一瞬で取り払われる。
ミスターT「さて・・・行きますかの。」
リヴュアス「了解です。」
一時の安らぎを満喫するリヴュアス。俺の言葉で普段の彼女に戻る。そのまま彼女の案内で長官室へと向かって行った。
第2話・3へ続く。
口説き文句炸裂のミスターT君(-∞-) 風来坊の終盤は、開始時の年齢から26年経過しているので、この様なオッサン染みた感じになるのかと@@; まあ、リアルでは必ずしもそうとは限りませんが><;
しかし、漸く露呈しだした諸悪の根源。第1部と第2部の事変の全ては、今回の2大企業に帰結してくると。数年振りに読み返っていますが、よくぞまあ描いたものだと感心しています@@; これで詳細描写があれば・・・><;