表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第3部・慈愛
159/280

第1話 回収企業2 平西財閥(通常版)

 あれから5年が経過。俺も三島ジェネカンと躯屡聖堕チームの2つの大企業のオブザーバーで活躍している。決定権はないが助言が大助かりとの事で起用に至る。


 殆ど本店レミセンの担当と、シンシア達のサポート役でしか活躍できていない。この役割は正しく天命とも言えるだろうな。



「いらっしゃいませ。」

「相変わらず可愛いね。」

「もうっ・・・茶化さないで下さい・・・。」


 平西財閥本社へと到着する。現地で平西財閥所属の秘書さんに出迎えられた。今では女性を口説くのはステータスで、殆ど無意識で口説いてしまう。口説かれた秘書さんは顔を赤くしながらも、自分の仕事をこなしていた。


「あ、お父さん。」

「もう来てたのか。」

「はい、今し方躯屡聖堕チームの方に送って頂きました。」


 応接間へと通されると、先にエリムとエリアがソファーに座っていた。紅茶を丁寧に啜る姿は、エリシェやシュームの躾の賜物だろう。


 それと彼女達の送迎は躯屡聖堕チームのメンバーが行ってくれている。もちろんボランティアであり、進んで担ってくれてもいる。


 今では躯屡聖堕チームのメンバーにお世話になりっ放しだ。それは俺がエリシェの夫という事と、アマギHとユリコYの大の親友であり盟友でもあるからだろう。


 俺がアマギH達躯屡聖堕チームを暴走族からボランティアチームへと覚醒させ、エリシェ達が最大限力添えしてくれた。その恩を返してくれているのだ。


 そのお礼も兼ねてヴェアデュラを代表取締役として任せているのだが、それの恩返しが娘達への厚意だろう。本当に頭が下がる思いである。




「いらっしゃいましたよ。」


 紅茶を飲みながら物思いに耽っていると、エリムが語り掛けてくる。先程の秘書さんがドアを開けると、数人のスーツ姿の若い女性達が現れる。


「初めまして。私はエリア=ミシマと申します。こちらは姉のエリム=ミシマで、こちらが私達の父のミスターT=ザ・レミニッセンスと申します。」

「こちらこそ初めまして。平西財閥代表の平西幸奈と申します。連れは平西奈衣羅に平西理音亜です。」

「う~む、エリム・エリアに勝るとも劣らない美貌の持ち主だ。それでいて新進気鋭の財閥を運営するのだから、鬼に金棒だよな。」


 エリアとユキナが自己紹介をしている中、俺は本当に自然的な行動をしてしまう。相手の女性を見るや否や口説いてしまうのである。それに顔を赤くして俯くユキナ・ナイラ・リネア。


「もうっ、大切な会見ですよ。相手の方を口説いてどうするのですか・・・。」

「お父さんの口説き癖は年々悪化してますよね・・・。」

「仕方がないだろうに。相手が女性なら口説くのは野郎の礼儀の1つだよ。」


 俺の言葉に呆れ顔になるエリムとエリア。その姿は過去にエリシェが同じ表情をしていたのが脳裏を過ぎる。流石は彼女の娘達であろう。


「ミスターT様は噂通りの方ですね。普通初対面の方がナイラとリネアを見ると、その雰囲気から黙り込んでしまうのですが。まさかそれをも押し退けて口説かれるのは流石です。」

「ふむ・・・ナイラとリネアの身体から発せられるオーラか・・・。」


 ユキナが指摘するナイラとリネアの体質。間違いなく格闘術を学んだ姿と言えよう。無意識にオーラが発せられるのは、ウインドやダークH達が顕著に値するからだ。


「大方・・・柔道や合気道を極めるまで身に付けているんだね。2人の母親のエリシェもフェンシングと剣道を嗜んでるけど、それに近いオーラがナイラとリネアから滲み出ているから。」

「す・・凄い・・・、私が柔道を身に付けている事を当てるなんて・・・。」

「ナイラ姉さんは柔道を、私は合気道を身に付けていますので。」


 う~む、最近の女性達は何らかの護身術を身に付けた方が勇ましく見えるな。俺の妻達も最低2つの格闘術を身に付けているから、凄まじいまでの強さを発揮している。


「まあ格闘術はあくまで護身術だよ。常日頃からの姿には心こそ大切だ。エリムやエリアのように、清らかな心を持って欲しい。より一層美しさに磨きが掛かるからね。」

「「あ・・ありがとうございます・・・。」」


 俺の言葉により一層赤面する2人。しかし目が一段と据わりを見せる。自分自身の生き様を指摘され褒められたからだろうな。


「え~・・・本題に入りましょうかね・・・。」

「お父さん、このぐらいで・・・。」


 そんな俺にヤジを飛ばすエリムとエリア。その仕草はエリシェに全くもってソックリだ。流石としか言いようがない。




 一旦ソファーに座り仕切り直す。ユキナが持参した資料をテーブルに置き、こちらに寄せて来る。それを受け取り目を通した。


「実際に三島ジェネカン様と提携をさせて頂いてから、表立っての動きはありません。ですが水面下では何度か妨害工作を受けた形跡が。」

「表向きの回数は3回、水面下では30回以上か。それだけワクチン事変でのお前さん達の特効薬が効いた訳か。」

「ですね。それだけフルプレとフルエンの2社からは目の敵にされているのですから。」


 リヴュアス達がダメージを受けたワクチン事変。もしリヴュアス達が被害を受けなければ、俺は今も喫茶店のマスターとマンガ家としての活動を続けていただろう。


 それだけフルプレとフルエンの2社は倒すべき存在という事だ。俺の妻達に受けた痛みを、それ相応の竹箆返しとして受けて貰わねばな。


「・・・改めて礼を言わせてくれ。リヴュアス・ディルヴェズLK・ダーク・ウィレナ・トモミの5人を救ってくれて、本当にありがとう。特にリヴュアスは双子のリヴュミナとリヴュミヌがお腹の中にいた。下手をしたらウイルスで受けたダメージが、脳などに障害となってを持って生まれて来ていたかも知れない。」


 俺はユキナ・ナイラ・リネアに深々と頭を下げた。今では5人の夫として公にしている。故に彼女達を救ってくれた3人には感謝し切れない思いである。


「そ・・そんな、頭を上げて下さい。私達はエリシェ様とラフィナ様のお陰で今があるのですから。それに起業する前に2社の理不尽な立ち退きや請求などを体験しています。その時にもエリシェ様とラフィナ様に助けて頂いているのです。」

「自分達が起業した理由はお2人がいらしたからです。殆ど命を救われた形になりますので、その恩返しという事で起業したのです。」

「・・・ありがとう・・・。」


 この歳になると涙脆くなるのは事実らしい。彼女達の言葉に感謝の思いで涙が溢れてくる。そんな俺を瞬時に気遣うのがエリムとエリアの2人。エリシェも同じような行動をしてくれているのだから、やはり親子だと痛感せざろう得ない。



「俺にできる事なら何でもするよ。オブザーバー故に決定権はないが、君達に向けられる敵意はこちらに向けさせる事はできる。その方がこちらとしては好都合だからね。」


 落ち着いた頃に一服しながら決意を語る。オブザーバー故に3つの企業の決定権を握るという事はできない。しかし3つの企業に顔が利くという事から、そこの仮の代表として相手と対決するのもいい。奴等の矛先を俺だけに向ければ、間違いなく楽になるだろう。


「とりあえずは様子を窺いましょう。世界規模での災厄を助長させる行為を平気で行った場所です。大規模的な動きがあると思いますから。また終盤は絶対に心理戦になるかと。ここが最大の山場だと思います。」

「そうだな・・・。了解、今後ともよろしくね。」


 今日は簡単な打ち合わせ程度だったので、このぐらいで切り上げる。ユキナ・ナイラ・リネアの3人と握手を交わし、平西財閥を後にした。


 帰路はエリムとエリアも一緒である。最高5人乗りしかできないミニクーパーだが、2人が乗車するだけでもかなり狭い。今度はグローブライナーで移動した方がよさそうだ。



 しかしフルプレとフルエン、かなりの厄介物だな・・・。世界規模の災厄さえも助長させるのだから。あの時は三島ジェネカンと躯屡聖堕チームが最大限で抑えたが、今度はそうはいかなくなるだろう。更に心理戦か・・・う~む・・・。


 せめて身内で決着させたい所だが、はたして上手くいくかどうか・・・。


    第1話・3へ続く。

 大人になったエリム嬢とエリア嬢。月日が過ぎるのは早いものです(何@@; 覆面シリーズの中で、風来坊は時間の経過がエラい早いですからね><; もう少し突っ込んで、詳細描写などを行えばよかったと後悔してます(>∞<)


 しかし、本題はこの後の話で登場する、6人の盟友達。彼らに帰結してこそ、覆面シリーズの原点に戻るという流れなので。ここは他の覆面シリーズも全く変わりありません。


 人は曲げてはならないものがある。この歳になってツクヅクそう思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ