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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第2部・純愛
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第11話 それぞれの愛4 師匠との絆(キャラ名版)

ヴァルシェヴラーム「また出張するそうね。」


 最後はヴァルシェヴラームがいる孤児院へ。既にエシェラ達から連絡が入っていたのか、俺の行動を把握していた。


ミスターT「暫く周りの面倒をお願いします。」

ヴァルシェヴラーム「分かったわ。私にできる最大限の努力はします。」

ミスターT「恩に着ります。」


 既に高齢に近い彼女。しかし外見は20代にしか見えない。特異体質による体躯の劣化が殆ど見られないという。だから孤児院の院長というハードな役割を担えるのだろう。


ヴァルシェヴラーム「・・・あのさ・・・、今夜付き合ってくれるかな・・・。」

ミスターT「え・・・だ・・大丈夫なのですか?」

ヴァルシェヴラーム「既に70を超えているけど、体力の衰えは一切ないから。それに君達にいい所を見せ付けられてはね・・・。」


 う~む・・・母親たる彼女が女として目覚めている。幼少の頃から俺を好いていると語っているだけに、その度合いはかなり強いのだろう。


ヴァルシェヴラーム「・・・ホンの一時だけでいいから・・・。」

ミスターT「シェヴも卑怯ですよ・・・。」

ヴァルシェヴラーム「えっ?」

ミスターT「貴方の懇願を断れると思いますか?」


 そりゃそうだろう。今まで彼女の願い事は全部聞いてきた。特に大きな事はヴェアデュラの件だ。それに6人からのアプローチにより、こういった免疫が強くなりつつある。また相手を癒したいという部分も非常に大きい。


ミスターT「それに断れば無理矢理にでも実行するのが貴方の性格。告げられた時点での選択肢は、“はい”しかありませんし。」

ヴァルシェヴラーム「・・・本当にいいの?」


 俺の言動に困惑を示す彼女。多分断られると思って語ったのだろう。それが異なる回答に混乱しているようだ。また普段の気丈な彼女はなく、この恥らう姿はエシェラ達と同年代としか見えない。


 俺は言葉よりも行動で返した。困惑する彼女に近付き静かに抱き締める。そのまま彼女の唇に自分の唇を重ねた。しかし念入りな口づけではなく、唇同士を触れ合わせるだけである。


 そのまま額同士を当てて瞳を閉じる。よく悩んでいた俺に彼女がしてくれた癒しの行為。それを返す時が来るとは夢にも思わなかった。




ミスターT「落ち着いたかい?」

ヴァルシェヴラーム「・・・うん。」


 どれだけそうしていただろうか。額を離すと彼女を胸へと抱く。自分と背丈が同じな彼女の頭を優しく撫で続けた。


ミスターT「・・・正直怖い。俺が心から敬愛する恩師の貴方を抱くというのは。永遠の母たる貴方が普通の女性として見るのは、俺の根底概念を覆すかのようで。」

ヴァルシェヴラーム「・・・そうですよね・・・。」

ミスターT「それでも、貴方に尽くしたいという決意はあります。こんな俺でよかったら、貴方の一時の癒しになれれば幸いです。」


 そう言うや否や、いきなり唇を奪ってくる彼女。凄まじいまでの口づけに翻弄される。アツい口づけを繰り返し行うヴァルシェヴラームに、恐怖にも思える怖さを感じてしまう。


ヴァルシェヴラーム「・・・自分を卑下するような発言はしないで下さい・・・。貴方は私を心から溺愛させるほどの存在なのですよ・・・。だから・・・自分を見下すような事は・・・。」


 口づけを終えると、泣きながら語り出した。俺が浅はかに語った言葉に、凄まじいまでの反応を見せる。その彼女に力強い抱擁で詫びた。


ミスターT「・・・ごめんな、シェヴの言う通りだ。」

ヴァルシェヴラーム「・・・分かって貰えればそれでいいのです。貴方は私の自慢の息子であると同時に、心から大切な愛しい人なのですから・・・。」


 直ぐに落ち着きを取り戻す所は流石としか言いようがない。この点はシュームを遥かに凌駕している。これは折れるしかないのだろう・・・。




ミスターT「・・・これでよし、と。」


 ヴァルシェヴラームを胸に抱きつつ、携帯からシュームにメールを送った。内容は今夜は外泊するというものだ。相手が相手なだけに、シュームもその真意を察知してくれたようだ。


ミスターT「シュームに一報入れました、今夜は外泊すると。」

ヴァルシェヴラーム「え・・・そ・・それじゃあ・・・。」


 携帯をポケットにしまうと、彼女の頭を優しく撫でる。それに今までに見た事がないような満面の笑みで浸っている。そして追い打ちを掛けるかのような言葉に、高齢である彼女は幼子のような表情になっていた。


ミスターT「いい場所を知ってますので、そこまで行きましょうか。」

ヴァルシェヴラーム「は・・・はい・・・。」


 とても孤児院の覇者・元祖シークレットサービスとは思えない仕草だ。身体中で歓喜を表現している。その彼女が愛おしく思える。罪悪感など消し飛んでしまうほどだ。



 ヴァルシェヴラームは副院長に孤児院の事を任せると、そのままの姿で俺と動き出した。ここにはサイドカーで来たため、彼女を側車に乗せて秋葉原へと向かった。


 場所はウインドやダークHと休憩し、そしてメルデュラと一夜を過ごしたあのホテルだ。


 俺も超えてはならない一線を超えてしまったな・・・。何とも・・・。




 ちなみにヴァルシェヴラームの体力は底無しの化け物かと思わされる程だった。既に70歳を超える高齢なのに、特異体質で30歳前後の体力を維持し続けている。


 身体の衰えは一切なく、全盛期のままの力を発揮できるという。つまり・・・彼女の求め方は尋常じゃなかったという事だ。



 それに彼女から驚愕する内容を伺った。それは俺も彼女と同じく特異体質だというのだ。確かに体力低下や肉体の老化は殆ど感じられない。ヒゲなどは普通に生えるが、休めば直ぐに体力を回復するというタフネスぶりだ。


 一瞬ヴァルシェヴラームの実の息子ではと思ったが、それは一切ないと言う。にしても彼女と同じ体質だったとは・・・。




 それでもヴァルシェヴラームとの交わりで、俺の悩みもかなり薄れたと思う。本来ならば罪悪感を抱くのだろうが、逆に払拭させてくれたとしか言い様がない。


 もし彼女がこれを狙って一夜を共にしたのなら、全て見通していたと言わざろう得ない。本当に頭が下がる思いだ・・・。



 これで思う存分、海外で戦える。ヴァルシェヴラームに背中を押して貰った事で、俺の心は何時にも増して不動に据わった。


 恩師の彼女が身体を張って支えてくれたのだ。今度は俺が周りを支えねば・・・。


    第2部・第12話へと続く。

 師匠><; ちなみに、老化の訪れない特異体質は、度々現れています@@; メインメンバーの大多数がそれになっていますし@@; 宇宙種族は全員が適応されているのが何とも><;


 まあ、この性質だけでも超チートと言うべき存在なんですがね@@; リアリティある作品でも、何処かぶっ飛んでいる設定は健在です(-∞-)

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