第11話 それぞれの愛2 持ちつ持たれつ(キャラ名版)
その後休息を終えた5人は1階へと戻っていく。今日ぐらいは休息してもいいだろうに。やはり動かなければ意味がないというものだろう。
シュームも出払ったため、シュリムとシュリナを引き取る事になった。エシェラだけは身体の事もあり、当面は家事程度の行動しかできないだろう。
今度は彼女が胸の中で甘えている。身体全体を委ねてくる姿を見れば、心から安らいでいるのが分かる。
エシェラ「貴方が言った通りですね、正直苦しいです・・・。」
よくよく見ると彼女のお腹はかなり膨れ上がっている。それに悪阻が訪れるのだから、今のエシェラは人生の中で一番苦しいはずだ。
ミスターT「大丈夫さ、君の背中は俺が守る。君は前だけを向いていればいい。」
エシェラ「うん・・・そうする・・・。」
本音が出た彼女だが、俺の決意を知れて満足の様子。その大きなお腹を右手で優しく撫でて、左手は俺の首に回してくる。
ミスターT「21年前のお前と対面か。」
エシェラ「フフッ、そうですね。」
実に不思議な巡り合わせだ。目の前のエシェラを21年前に抱いていた。まだ生まれて間もない赤ん坊だった。今度は彼女の子供を抱く事になる。エシェラの子供達を抱く事は、二世代に渡って幼少の頃から触れ合うという事になるだろう。
エシェラ「・・・また貴方と一晩過ごしたいけど、この状態では当分無理だね。」
ミスターT「今は我慢さ。生まれさえすれば、いくらでも応じるよ。ただ・・・更に増やそうという考えだけはやめてくれ。」
エシェラ「大丈夫よ。貴方との結晶が存在するのなら、それで充分だから。」
ミスターT「ごめんな。」
再び謝りの一念を見せると、顔をこちらに向けて唇を重ねてくる。今の状態だと首に負担が来るので、少しばかり彼女を寝かせる形で口づけを続けた。
エシェラ「母さんが言った通り、勇気を貰えました。」
口づけを終えて余韻に浸る。暫くして彼女が徐に語りだした。それはシュームが怖気付いた時にキスを迫って来た時の意味を、今度はエシェラが身を以て知ったのである。
ミスターT「シュームも1年前にキスを迫ってきたよ。丁度この場で勇気が欲しいとね。」
エシェラ「今更なのですが、今後他の女性とキスをする事に関しては何も言いません。貴方が相手にできる最大限の激励をしてあげて下さい。」
ミスターT「ありがとな。でも・・・今は君を激励したい。」
再び彼女を寝かせるような姿勢にして唇を重ねる。それにどこまでも応じてくるエシェラ。夜の営みができない以上、こういったスキンシップで慰めるしかないだろう。
何だ・・・俺も周りに引っ張りだこだな・・・。
厨房やウェイトレスに戻ったシュームの代わりに、ヴェアデュラ・シュリム・シュリナの3人の面倒を見る事となった。エシェラが動けないという事もあり、彼女のサポートも行っている。
またこれは周りからの配慮で、エシェラの出産直前までは最大限サポートするようにとの事だった。確かにエシェラ自身との夫婦仲を想定した展開だったのだから。
だからといって他の5人を蔑ろにするという事はしたくない。既にシュームには俺の子供がおり、エシェラのお腹にも同様に子供がいる。ここで他の4人とは子作りをしないと言えば、間違いなく殺されるだろうから・・・。
シンシア「フリハトは絶好調ですよ。」
マンガ家としても動いているシンシアと俺。エシェラ達の面倒を見つつ、読者さんに最大限の楽しみを提供するために。これも俺のステータスになりつつあるわ。
ミスターT「今年の新人賞総なめだしな、よくやるわ。」
シンシア「でもストーリーや設定はマスターのものですよ。それがなければ新人賞は取得できないと思います。それにまだまだニューカマーですし。」
ミスターT「常に初心の心を忘れずに。それさえ忘れなければ、永遠に発展していくよ。それに今後に受け継がせる努力も必要だ。俺達が後継者を作ろうとしているのと同じように。」
この6人との関係性は、今となっては後の後継者育成に大きな力となるだろう。俺を幼少の頃から育ててくれたヴァルシェヴラームの生き様を、ここで活かさなければ師恩とは言えない。
シンシア「・・・何だか嬉しいです。」
ミスターT「何がだい?」
シンシア「私達の関係を後継者の育成と思ってくれている事です。確かに本音は私達が貴方との子供を欲しいという事実だけです。しかし生まれた子供達が社会で実証を示さなければ意味がないでしょう。私達も社会の発展に貢献できれば幸いですから。」
ミスターT「そうだな・・・。」
一旦作業を中断し、台所の方へと向かうシンシア。俺は彼女から任された原画のベタ塗りを行っている。やっと慣れてきた感じがするが、シンシアのスキルには驚かされる一方だ。
すると俺の背後に抱き付いて来る彼女。どうやら台所へ行こうとしたのはフェイクだった。慌てて作業を中断する。このまま続けていたら、折角の原画のベタ塗りが失敗してしまう。
ミスターT「危ねぇなぁ・・・ベタ塗り失敗する所だった。」
シンシア「ごめん・・・。」
作業を中断したのを確認すると、最大限といった抱擁を繰り出してくる。ここ最近エシェラに気を回しているから淋しいのだろう。
シンシア「ああ・・幸せ・・・。」
ミスターT「お前には抱擁の素晴らしさを教えて貰ってるよ。」
シンシア「海の家での一時、今でも忘れていません。」
ミスターT「そうだね。」
シンシアが得意としている抱き締めでのスキンシップ。これは他の5人に大好評である。特に夜の営みの時は、行為が終わった後は必ずこれを求められている。
シンシア「次が私の番ですよね・・・。」
ミスターT「本当は順序は決めたくないが、全員同時にはマズいからな。ここは我慢してくれ。」
シンシア「分かった。でも・・・これは何度もしてもいいよね・・・。」
今度は俺の膝の上に乗ると、両手で顔を掴み唇を重ねてきた。夜の営みとは別に我慢ができないという感情が湧き出るのだろう。本気とも思える濃厚な口づけが物語っていた。
しかし不思議なものだ。シュームとの子供が生まれる前までは、こういったキス自体も敬遠していた。
それがどうだろう。エシェラお墨付きを貰ってからは心の蓋が取れたとも言える。心から応じれる自分がそこにいる。故に彼女達が所構わず口づけしてくるのだろう。
そう言えば最近はエシュリオス・エフィーシュ・ウインド・ダークHにもキスを願われる。それにシュームの娘のリュリアもそうだ。リュリアの場合は我武者羅にというのが合うが。
ともあれ、こういったスキンシップで彼女達は見違えるように美しくなっていく。見ているこちらも嬉しくなってしまうほどだ。
俺も罪な男だわ・・・。自分で言ってりゃ世話ないか・・・、何とも・・・。
それから数週間後。シンシアとの二人三脚のマンガ家の道は忙しく、シュームにエシェラ達の面倒を見て貰っている。シンシアが新人賞を取得するのは濃厚で、そのインタビューなども数多い。
そんな中、マツミから連絡が入る。久し振りの連絡ともあり、直接赴きたいとの事である。どうやら俺に白羽の矢が刺さったのかも知れない・・・。
マツミ「また大きな依頼を頼みたいのですが、どうでしょうか?」
連絡から後日、マツミが本店レミセンへと訪れた。予想通り、再びトレーラー業務を拡大するべく俺の力を借りたいとの事だった。2階へと招き、そこで他の6人を交えての話し合いとなる。
ミスターT「俺は構わないが、周りがね・・・。」
エリシェ「大丈夫です。その時が来たら直接貴方の元へ伺って、そこで切っ掛けを作りますから。」
ミスターT「そ・・それは何とも・・・。」
う~む・・・俺は種馬か・・・。まあ彼女達が了承してくれるなら、今は俺の力を必要としているマツミに役立てる。これはこれで有難い事だが・・・。
マツミ「このお子さんがシュームさんと貴方の・・・。」
ヴェアデュラの存在は知っているとの事だが、シュリムとシュリナは初めてだと語る彼女。シュームから2人を渡され、驚きながらも双子を胸に抱いている。しかし母性本能が働くのだろう、その表情は何時にも増して慈愛に満ち溢れていた。
マツミ「マスターも大変ですね・・・。」
ミスターT「何を今更と言った感じだがね。」
マツミもアマギHとユリコYと同じで、俺達の関係を知る数少ない理解者だ。それでも現状を目の当たりにすれば引くのは言うまでもない。
ミスターT「俺に出来る事は必ず成し遂げたい。マツミの懐刀には必ずなるよ、任せてくれ。」
マツミ「ありがとうございます・・・。」
双子を落とさないようにしながら、深々と頭を下げるマツミ。その下向きな態度に6人も折れたようだ。隙があらば止めさせようと思っていたらしく、ここまで誠意ある対応を取られては断れないだろう。
第11話・3へ続く。
ハーレム化は続く(=∞=) 詳細描写がなっていれば、見栄えは良かったのですが・・・><; まあ、今は元本のまま進めていきます><;
そう言えば、自分の作品群では、殆どオリジナルが多いですね。まあその最大の理由は、現実的な概念を入れると、その部分を研究しないといけないのが要因ですが><; オリジナルの要素なら、自分が描く世界観で進めますし><;
それでも、風呂敷を広げ過ぎると、次は閉じられ難くなってしまうのが大変なネックですが><; 何ともまあ(-∞-)