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覆面の風来坊 ~不二の盟友に捧げる者~  作者: バガボンド
第2部・純愛
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第9話 クルージング1 海での一時(キャラ名版)

 スッキリした朝を迎えた。シュームは相変わらず元気一杯であり、もう問題はないだろう。エシェラ達も俺の内情を知った事で、後々来るであろうその時まで待ち続けるという事に。


 どちらにせよ、野郎としては責任重大な事には変わりない。だが乗り越えられない壁など存在はしない。俺は前へ突き進む、それこそが俺の原点回帰だからだ。




エリシェ「何だか凄いですね。表情・肌のツヤ、全てに至るまで輝いていらっしゃいます。」


 朝食を取った後、再び海にへと赴く。一同水着姿ではしゃぎ回るが、その中で目立つのはシュームの姿だろう。


ミスターT「俺が女でも同じ事を望んだのだろうな。」


 俺は砂浜に俯せで寝転がるエリシェの背中にサンオイルを塗っている。カナヅチ故に水は全くダメで、陸上での彼女達のサポートが俺の役目になった。


エリシェ「貴方も輝いていらっしゃいます。自分に嘘を付かなくなったのでしょう。現に私の背中を這う手先に迷いが感じられません。」

ミスターT「怖ろしいな・・・。」


 凄まじいまでの敏感肌だ。というか直感と洞察力とも言える。だが以前の俺ならシドロモドロで対応していただろう。女性に対して免疫が付いたというか何というか・・・。


エリシェ「でも・・・本当によろしかったのですか?」

ミスターT「何を今更、もう元には戻れない。ならば先に進む以外に、俺の生き様は存在しない。」

エリシェ「それは・・・そうですが・・・。」

ミスターT「シュームが心から願ったんだ、それに応じたまでだよ。」


 エリシェが納得できない理由はよく分かる。それはエシェラに対してだ。時間が経てば経つほど周りに現実が突き付けられる。それでも求めるのだ、貪欲というほどに・・・。



エリシェ「あの・・・、今晩・・・いいですか?」


 サンオイルを塗り終わると、徐に語り掛けてくる。それは一夜を共にしたいという催促だ。約1日もシュームと求め合ったのだ。それを窺えば欲情するのは言うまでもないだろう。


 またそれはエリシェに始まった事ではない。朝食食べる前と食べた後にエシェラ・ラフィナ・シンシア・メルデュラからもアプローチを受けている。どうやらシュームとの一戦の後、裏で色々と決めていたようである。


ミスターT「少し休みたいんだが・・・、でもお前が望むなら構わないよ。」

エリシェ「あ・・ありがとう・・・。」


 嬉しそうな表情を浮かべている。位置関係から窺う事はできないが、声色を聞けば容易に想像できた。しかし・・・俺1人で他の5人を相手にするのか・・・。この海水浴は死闘そのものだろうな・・・。




 その後エリシェの配慮で、クルーザーが手配される。桟橋からボートに乗り、沖の方へと向かって行く。そこには数千億はすると思われる、凄まじい巨大な船があった。


 一説によると、世界最大の豪華客船は存在している。まるで巨大ビルディングが丸ごと入り動くかのようである。


 ところが目の前にある豪華客船は、通称クルーザーと呼ばれているが大きさは前者の数十倍に匹敵する。大都市の一番大きな港にギリギリ停泊できるもので、こうやって小さな港や桟橋に止まる場合は沖に停泊するしかないほどである。


 そこまで対抗する必要なないと思うのだが、これも世界最強の大企業が成せる業物だろう。天晴れとしか言いようがない。


ミスターT「凄いな・・・。」


 外部と内部を見て回るが、その構成には度肝を抜かされた。外部はプール完備の甲板で、内部は多岐多用の娯楽施設や室内プールがある。もちろん住居スペースも存在し、言わば移動できるホテルとも言えるだろう。


シューム「これもエリシェちゃんが所有するの?」

エリシェ「通称クルーザーと言っていますが、イベント貸し出し用の超大型豪華客船ですね。海上で結婚式やパーティーを行う際に、よくオーダーがありますので。」


 ウインド達はその現状を非現実と思っているのか、目を白黒させて落ち着かない様子である。既にリュリアはエシェラ・シンシア・ラフィナと一緒に室内を見回っていた。




ヴァルシェヴラーム「これだけの巨大船をよく建造できたわよ。普通なら各国がそれなりに横槍を入れてくるでしょうに。」

エリシェ「そうですね。一時は噂されました。非常時の臨時国家として機能するように、大統領や各国の首脳が住めるだけの設備や装備があると。船底には最大級の原子力潜水艦が数隻ドッキングできるだけのポートがあるとも。半日あれば強固な武装を装備でき、世界最大の巨大戦艦として運用するのだとも。」


 他の面々は一般のお客さんが使用するスペースを見て回っている。案内人はクルーザーに勤務する使用人で、彼女達の多さから3人ほど呼ばれたようだ。


 俺はエリシェとヴァルシェヴラームと共に会話しつつ、船の頭脳である操舵室へ案内されている。


ヴァルシェヴラーム「それこそ偏見よね。実際にはそのような設備がないのは把握してるからね。自分達ができないような事を平気でやって見せるため、嫉妬で一杯なのよ。」

ミスターT「シェヴは以前ここに?」

ヴァルシェヴラーム「ううん、実際に来るのは初めて。でもトーマスC達やライディル達に何度か聞かされた事があるわ。隅々まで見学したと言ってたから。」


 船内にエレベーターはまだしも、上下のエスカレーターと平行移動用エスカレーターがあるのには驚いた。本当に大都市クラスの機能が備わっている。


エリシェ「でも国家からの依頼がある場合も考えられますので、先程挙げた一例は全て装備済みでもあります。トマホーク級の弾道弾が数十発直撃しても大破しません。魚雷もしかりで。」

ミスターT「・・・武装戦艦だわ・・・。」

エリシェ「国を丸ごと収めるという事を目的として建造もしていますので。ありとあらゆる事態を想定し、それらが短時間で実現可能な状態にもあります。」

ヴァルシェヴラーム「まあそれらが実際に使われない事を願うばかりね。」


 世界最大の大企業でしか成し得ない究極の船舶。先を見据えた行動とも取れるが、それが仇になる場合もある。これだけの規模の船舶なら、強固な武装戦艦が完成するしな。


 だが扱う者が間違った道に進まなければ、その者に従う物も正しい使い方がされる。この点は不動であると断言できる。エリシェ達が愚者道に進む事は先ず在り得ない。


 それにリーダー格である彼女を支えるのが俺達なのだから、間違った方向に進む事も考えられない事である。それこそ愚問というものだろうな。




 会話しながら進む事数十分後、目的の操縦室へと到着した。内部に入ると関係者一同が一斉に敬礼をしてくる。それに軽い会釈をするエリシェ。


船長「エリシェ様、ようこそいらっしゃいました。」

エリシェ「このクルーザーの総括をしていらっしゃる、オルネフィス=ヤマオカ船長です。」

ミスターT「あ・・・そうか、エリムス達の親父さんか。」


 レミセンの各店舗のマスターを担っているエリムス・ネアリム・フェリカ・ラフィア4姉妹の父親のようだ。確かに赤い髪が印象深く、雰囲気がトーマスC達に似ている。


オルネフィス「ミスターT様、日頃から娘達がお世話になっています。」

ミスターT「いえ、十分すぎるほどですよ。自分達の生き様を明確に示しています。自分が支える所がないぐらい、活発に動き回っていますから。」

オルネフィス「フフッ、そうですね。トーマスC先輩やシェヴ様からお聞きしています。至らない所があると思いますが、今後ともよろしくお願い致します。」


 深々と頭を下げるオルネフィス。その彼の肩を軽く叩き激励するヴァルシェヴラーム。彼女が草創期の立役者を担ったという事が十分頷ける言動である。



ミスターT「こんな小さな舵で操舵を・・・。」

オルネフィス「確かにそうですね。それと船体の各所に施された緊急用ウォータージェット噴射機によって、強制旋回も可能となっています。」


 目の前にはクルーザーの頭脳とも言える機器が並んでいる。特にこの小さなハンドルが船体を左右に動かす力を持っているのだから驚きだ。


リュリア「おぉ~、海が一望できるぅ~!!!」

シンシア「東京スカイツリーの展望台みたい・・・。」

ミスターT「お前さん達、あまり騒ぎ立てんな・・・。」


 今さっき遅れて入室してきたエシェラ達。操舵室に入るや否や、その前面を一望できる景観に圧倒されていた。


オルネフィス「ハハッ、賑やかでいいじゃないですか。」

ミスターT「こらそこ、機器に触りなさんな。」

オルネフィス「大丈夫ですよ。停泊中は全て自動ロックが入るようになっていますので。誤操作で動き出す心配もありません。それに機器が水分に弱いという弱点も克服しており、こうやって飲み物がこぼれても大丈夫です。」


 と言いながら飲んでいたコーヒーを機器にこぼしだした。これには驚愕したが、確かに水分を弾いているように見えた。


ミスターT「無茶するなぁ・・・。」

オルネフィス「論より証拠、シェヴ先輩からの坐右の銘として頂いています。実際に知って頂けば、今後のミスは皆無になりますから。」

ミスターT「まあ確かにね・・・。」


 オルネフィスは実践するという事を肝に銘じているようである。実際にどうなるかという事を見せる事により、以後の危険性を排除していくものだろう。


 う~む・・・にしても大胆すぎるわな・・・。4姉妹も彼と同じく大胆な事をしていたし。流石は親子という事だろう。何とも・・・。


    第9話・2へ続く。

 大企業連合の総帥の考えは規格外と(-∞-) ハーレム化はまだまだ続きます(何@@;


 ちなみに、劇中のクルーザーこと、超大型豪華客船は、警護者でも登場しています。全長3kmと規格外の巨大さのアレです@@; 多分、後々に規模を縮小せねばならなくなりそうですが(>∞<)

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