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妄想中  作者: 渋谷奏
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廊下に立たされる

「このままではいけない!」

 現代社会は腐りきっていた。親は、子供を塾に行かすお金も無く教育放棄。 教師は、生徒を殴ったり、生徒を盗撮した教育崩壊。子供は、スマートフォンとアニメばかりで他人とのコミュニケーションはゼロ。

「こんな世の中で、まともな人間が育つはずがない!」

 30才の女教師(売れ残り)は、現代の日本社会を嘆き悲しんでいた。使い物にならない若者が大量生産されている昨今。若者が悪いのではなく、まともな人間に育てることができない社会を作ってきた、大人が悪いと言っている。

「私が生徒たちを自立した大人に教育してみせる!」

 この物語は、一人の女教師が閉鎖的でコミュニケーション障害で、夢も希望も無い生徒たちを、少しはまともな人間に育つように、愛を持って教育する教師と生徒の感動物語である。


「おはよう。」

「おはようございます。」

 朝の高校の登校時の普通の風景。30才の女教師、伊集院苺いじゅういんいちごが通学してくる生徒たちを出迎えている。

「おはよう。苺ちゃん。」

「おはよう・・・って、教師を名前で呼ぶな!?」

 もちろん彼女は、キラキラネームなので生徒たちにいじられる。

「おはよう。おはよう。おはよう。おはよう。」

「スゴイ!? 高速おはよう!?」

「怖い!?」

 彼女は、真面目な先生でもあった。生徒も同僚の教師たちも彼女に引いていた。

「もうすぐ登校時間が終わるので、校門を閉めるぞ!」

「走れ! 遅刻しちゃうぞ! それそれ!」

 午前8時30分。生徒が遅刻するかしないかの駆け込んでくる時間である。生徒たちは汗を流しながら校門を駆け抜けていく。人の不幸は蜜の味、なぜか彼女は楽しそうだった。

「校門を閉めます。」

「遅刻だ!? チッ!」

 定刻を過ぎて校門が閉められる。間に合わなかった生徒たちは遅刻扱いになる。

「みんな! ダメじゃない! 遅刻しちゃあ!」

 彼女は、遅刻した生徒を注意する。

「校門の外にいた、伊集院先生も遅刻ですよ。」

「え? ええー!? なんで!?」

「なんでと言われても、校門の外にいる先生が悪いんですよ。」

「そ、そんな!? 私、教師なんですけど!?」

「ダメです。遅刻です。」

 彼女は、教師なのに遅刻した。

「先生が遅刻しないで下さい。生徒たちに示しが着かないじゃないですか。」

「すみません。ウエ~ン。」

 教師なのに生徒以下。そんな女教師の物語である。


「はい、今日は給食費を集めます。」

 最近の高校は、保護者がお弁当を作らなかったり、学校の中にある購買部でパンを買うお金を渡さなかったり、渡せなかったりする。そのため比較的安く、みんなが昼食を食べれるように給食がある。

「ええー!」

「ええー! って言うな! 昼ご飯無しにするぞ!」

 生徒たちはお金を取られるので、給食は食べたいが気持ち的に手元からお金が無くなるのでブーイングが起こる。

「先生も給食費を払えよ!」

「え? ええー!? なんで!?」

「苺ちゃんも給食を食べているだろう!」

「そ、そんな!? 私、教師なんですけど!?」

「給食費に教師も生徒もない!」

「ええー!」

 結局、自分が不満のブーイングをしている苺。

「分かりました。払えばいいんでしょ、払えば・・・。教師なんて安月給なのに・・・。クスン。」

 教師なのに生徒以下。そんな女教師の物語である。


「はい。授業を始めます。教科書を開いてください。」

 苺は、雑用ことオールマイティーな教師として、普通に授業を始めようとしていた。

「先生、教科書を忘れました。」

「忘れ物ですか? やる気がないなら、教室の後ろに立っていなさい。」

 生徒の忘れ物には、名前と違って厳しい苺先生は授業に対する姿勢は、まっとうな女教師であった。

「あ、教科書を職員室に忘れた・・・。」

 そんな苺も教師であるが人間なので忘れ物をすることもある。

「苺ちゃんは廊下に立っていろ!」

「え? ええー!? なんで!?」

「そうだ! 教師でも教科書を忘れたら立たされるべきだ!」

「そ、そんな!? 私、教師なんですけど!?」

「忘れ物に教師も生徒もあるものか!」

「ええー!?」

 結局、廊下に水の入ったバケツを両手に持たされて立たされる苺であった。

「どうして私がこんな目に!? 私は教師なのに!? ウルウル。」 

 教師なのに生徒以下。そんな女教師の物語である。


「分かった! 苺ちゃんの物語であって、私たちライト文芸部が関わってるから、教師モノにならないんだ!」

 天は、苺の三十路女教師のストーリーが進まない原因が自分たちだと気づいてしまった。

「でも、私たち2年生は、苺ちゃんには中々出会わないでしょうし、3年生はライト文芸部の部員もいなければ、3年生の勉強に苺ちゃんがついてこれる学力がある訳がない。」

 麗は、苺の学力を信じていない。

「プレッシャーを感じている!? やはり苺ちゃんの犠牲になるのは、私たち1年生ですね。」

 大蛇は、苺ちゃんの恐怖を感じて震えている。

「洋食のバイヤーをやめたら自由に発言ができます! こんなに嬉しいことはない! ニコッ。」

 笑は、自由の喜びを感じている。

「今日の和菓子は、道明寺! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」

 本物の幽霊おみっちゃんは、ライバルがいなくなったので、気楽にお茶会を楽しんでいる。

「ここだな。起承転結の起は、教師なのに生徒以下の苺ちゃんで掴みはOK。起承転結の承で、何か事件が起こり、それをライト文芸部で話合う。起承転結の転で、苺ちゃんとライト文芸部で問題を解決する。あ、私は食べたら帰るからね。」

 幽子は、帰宅部だが、美味しい所を持っていく。

「フッフッフ! ついに私の出番がやってきましたね! このカロヤカの実力を120パーセント出して、苺ちゃんをバックアップしてみせます! だから苺ちゃんは普段通り、ルンルンと教師生活を過ごしてください。」

 カロヤカさんは、絶対無敵、才色兼備、四面楚歌、画竜点睛なので、どんな問題も確実にお釣りをつけて解決してみせる。

「ショートコント・スタート!」

「長かった。やっと苺ちゃんの物語の展開ができた。」

「問題を起こす人物を、毎回ゲストで新キャラを出せばいいのよね。」

「ライト文芸部は、名探偵コナ〇か!?」

「それでもテンプレート型のストーリーはできて、良かった。」

「これで安心して眠れるわ。」

「もう少しで毛が抜けて禿げる所だった。」

「眠たいから次回に期待しよう。」

「カロヤカにお任せあれ。」

 つづく。

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