異世界ホテル9
ここは異世界ホテル、100ルーム。
総支配人のイースとコンシェルジュのアンコ椿改めマリーアンコアネットがホテルの会議室で会議を行っていた。
「それでは会議を行う。お題は、やって来る宿泊者が2階の夢魔を突破することができないということだ。どうすればいいと思う? アンコ椿。」
夢と希望を持って異世界ホテルにたどり着いたはずの宿泊者たちのはずが性欲に負けて、2階の守護者の夢魔のインキュバスとサキュバスを突破できなかった。
「総支配人、私はマリーアンコアネットですよ。アンコ椿って名前は恥ずかしいんですから。」
コンシェルジュは名前に強い劣等感を感じていた。
「そんなことはどうでもいい。」
「そんな!?」
完全に冷たいドSの総支配人と、ドMのコンシェルジュの関係であった。
「早く答えろ。さもないと、もっと素敵な名前に変えるぞ。いいのか?」
「は、はい!? サキュバスを2階から外したらどうでしょうか? 100ルーム目は強いモンスターを置くとして、99ルーム目にサキュバスを置いておいて、苦労してたどり着いたのに、99階までに溜まった性欲をサキュバスと戦わせる。それでも宿泊者様の夢と希望が強ければ突破できますが、性欲に負ければ、今までの苦労が水の泡となって、快楽地獄に溺れてゲームオーバーです! へっへっへ。」
コンシェルジュは不気味な笑いを浮かべる。
「おもしろい。確かに一理ある。採用しよう。あとで夢魔に配置換えを伝えておけ。」
「やったー! 総支配人! ご褒美に、自分の名前を自由に決めれる権利を下さい!」
「ご褒美は、名前の現状維持だ。もっと変な名前にならなかっただけ有難く思え。」
「そんな・・・ガクッ。」
コンシェルジュはガッカリと肩を落とす。
「次の議題だ。たくさんの人が働くホテルなのに、従業員が総支配人の私とコンシェルジュのおまえしかいない。これも変だ。どうする?」
「とりあえず登場しているホテルの玄関のドアマンを決めましょう。何がいいですかね? モンスターとか妖怪より、私たちみたいな人型のキャラクターですよね。案山子とか、石像がドアマンっていうのもおかしいですしね。時給1000円で人間のドアマンを普通に雇いましょうよ。へっへっへ。」
「面倒臭いから、そうしよう。」
こうして異世界ホテル、100ルームの会議は終わった。
つづく。




