異世界ホテル8
ここは異世界ホテル、100ルームの1階。
チェックインを終えた鈴木二郎。彼の職種は兵士で、初期装備の武器は剣。
「な、なんなんだ? この展開は?」
彼は夢の叶うホテルにたどり着いたが、兵士にされたり、武器を持たされたり、自分がこれからどうなっていくのかが分からなかった。
「それでは宿泊者様の鈴木二郎様、コンシェルジュのマリーアンコアネットがお部屋に案内します。」
「ちょっと待ってくれ!? この展開はなんだ!? 俺はどうなるんだ!? 教えてくれ!?」
彼はコンシェルジュに自分の不思議を問いかける。
「いい質問ですね! 説明が増える度に私の出番が増えます! へっへっへ。」
コンシェルジュは自分のことが好きでたまらなかった。名前を除いて。
「あなたは、これから夢を叶えるために、100ルームの制覇に挑戦します!」
「100ルームの制覇?」
「はい! 各階に1部屋があり、中に敵やアイテムなどがありますので、あなたの夢の強さで突破して、次々と試練やクエストを突破して、100ルーム全てをクリアすると、あなたの夢が叶います! おめでとう! やったー! へっへっへ。」
「は、はあ。」
コンシェルジュの話を聞いても宿泊者は戸惑ったままだった。
「ちなみにお伺いしますが、あなたの夢はなんですか?」
「俺の夢は、プロ野球選手になって大活躍することだった。年俸も何億ももらって、女にもてて幸せに暮らすはずだったんだ!? それなのに俺と似た様な名前の奴がいるという理由だけで、俺はどこの球団からもスカウトされなかったんだ。こんなことが許せるか!? 俺は人生をやり直すんだ!」
これが今回の宿泊者の夢と希望であった。思いは強いのだけど、完全な嫉妬や妬みであった。
「おお! いいね! 宿泊者様の夢を叶えましょうね!」
コンシェルジュがうるさく騒いでいる。そこに総支配人が現れる。
「おい。アンコ椿。早くお客様をお部屋に案内しろ。」
「総支配人!? はい! お客様! 階段を上がったら、直ぐに2階の部屋がありますから、扉を開けて入ってください!」
「わ、分かった! 」
宿泊者は夢が叶うと思い、走って階段を駆け上がり、扉を開けて中に入る。
「おい、アンコ椿。おまえは2階に行かないのか?」
「行きませんよ。あの程度の夢では、サキュバスを突破することはできませんよ。本当に男ってエロいですね。もしかしてイース様もですか?」
「おまえ、今月の給料は減額だ。」
「えええー!? それだけはご勘弁を!? 総支配人様!?」
コンシェルジュの夢が叶う日はくるのだろうか?
つづく。




