異世界ホテル2
ここは異世界ホテル2階。
宿泊者はコンシェルジュのアンコ椿に連れられてやってきた。異世界ホテルは綺麗で豪華な造りであった。シャンデリアに赤い絨毯。決してミステリアスや、お化けの出るような人間の恐怖を掻き立てるものではなかった。
「は~い! それでは簡単に説明します。部屋の扉を開けたら部屋の中に入ってください。普通ですね? ごめんなさい。へっへっへ。」
アンコ椿は笑って誤魔化す。宿泊者は勧められるまま扉のドアノブを手で掴んで回す。そして開いた扉の中に吸い込まれていく。
「あ!? 言うのを忘れましたが、この部屋は100ルームに挑戦するための資格を問われます。あなたの夢の。」
アンコ椿は可愛いうっかりさんである。
「生きていれば無事に出てこれますよ。へっへっへ。」
アンコ椿は可愛く笑うのだった。
ここは異世界ホテル、ルームナンバー201。
部屋の中は普通のホテルと同じ。ベッドがあり、テレビ、冷蔵庫、ソファーなどがある。バスルームもある。アメニティーも歯ブラシやヘアーキャップなどがある。部屋も1フロア1ルームなので、贅沢なホテルの部屋である。
「ようこそ、宿泊者様。」
部屋の中には一人の女がベットに座っていた。
「私の名前は夢魔。この201の部屋で延泊している悪魔です。あなたが男なら私は女のサキュバスに見え、あなたが女なら私は男のインキュバスに見えるでしょう。」
201号室の主、夢魔は自己紹介をする。サキュバスならお色気お姉ちゃん。インキュバスならイケメンの男子。この悪魔は201号室に固定されている。それは宿泊者の夢や希望が本当に強いのかを確かめるためである。
「これより上の階に行くためには宿泊者様の夢が強くなければ登って行くことはむりです。だから私が人間の持つ欲望の一つ、性欲であなたを誘惑し、宿泊者様に100ルームに挑むだけの夢があるかどうかを判断させてもらいます。」
これが201号室の主、夢魔の仕事である。
「さあ、側に来てください。あなたの夢が勝つか、それとも快楽に溺れるか、楽しみですね。」
宿泊者は夢魔の快楽の世界で自らの性欲と戦わなければいけない。もし夢や希望の気持ちが弱ければ、ここでゲームオーバーになってしまう。201号室を出てこられる宿泊者は半分もいないという。それだけ人間の性欲は強いのであった。
201号室の部屋の前。
「ああ~退屈だな。私も部屋の中に入って楽しみたいな。あんあん言いたい!」
待つだけで暇そうなコンシェルジュのアンコ椿の性欲は宿泊者よりも強かった。
つづく。




