私、過疎を救う2
「え? なんだって?」
「だから! 聞こえますか!?」
「え? 私のパンツはイチゴのパンティ? この爺さんを誘っておるのか?」
「違うー!?」
私は2時間かけて、歩いて山深村の村役場までやって来た。村の窓口で村の職員のおじいさんに声をかけたが、スーパー限界集落の山深村に若い職員がいる訳もなかった。
「どこかにまともな人間はいないのか!?」
私は都会の生活に疲れ、都会の人混みや満員電車に疲れ、日本の秘境、山深村に移住した。
「ここは本当に日本なのか!?」
しかし、今度は村役場に来るまでに、誰一人として村人に会わず、もしここが砂漠なら私は飲み水に困って、行き倒れていただろう。
「こ、コンビニ!? コンビニはないの!? 販売機!? そうよ! ジュースの販売機ぐらいなら、1台はあるはず!?」
もちろん山深村には、コンビニやジュースの自動販売機があるはずもなく、私は喉が渇いて、息絶えるしかないと車も走っていない道路に力尽きて寝転がった。
「ザザザザザ。」
「なに? この音は?」
死にかけた私の耳に何かの音が聞こえてくる。私は最後の力を振り絞り、自衛隊顔負けの匍匐前進で草むらに突入する。村で暮らすと、周囲に誰もいないので、人の目は気にしないで、本能のままに行動できる。
「み、水だ!」
私は湧水を見つけた。水は透き通るほどきれいで、これが正に乙女の純粋な心のような、純水だった。
「うまい! 生き返った! こんなおいしい水は飲んだことが無い!」
都会の水道水、お店で売っているペットボトルの水。あんなものは水ではない。私は本物の水というものを、人生で初めて飲んだ。
「この感動は都会には無い! 田舎! 最高! 湧水! 最高! ワッハッハー!」
田舎は不便だけど、田舎ならではの良さもある。素晴らしい発見だ。
「帰りしも飲んで帰ろう。あ、でも水筒もペットボトルもない。どうしよう?」
田舎にホームセンターは無いので、バケツは自分で木を切り倒して、木工加工して桶を作らなければいけない。マジか!?
「あの私がお話を聞きましょうか?」
村役場の窓口に、なぜか若い女の職員さんがいた。
「怪しい!? おまえはいったい何者だ!?」
「え? 私ですか? あなたと同じ移住者です。エヘッ。」
「おお! 同士よ!」
私は第一移住者の先輩を見つけた。
「私の名前は、田中綾子。この山深村は、移住はできても仕事がないので、村の役場で公務員となって働くしかないのよ。」
「ええー!? 公務員になれるんですか!?」
「なれるわよ。だって職員がおじいちゃんとおばあちゃんばかりで、ぜんぜん足りてないんだもの。なんなら村議員や村長もなれますよ。」
「なります! なります! 公務員! これで私の生活は安泰だ! 待てよ? 村長になって、村ごと手に入れるという方法もあるな。う~ん、考えようかな。」
私は田舎に移住して、夢の公務員生活を手に入れた。こんな簡単に公務員になれていいのか? マジか!? マジ、田舎! 最高!
つづく。




